脇村拓嗣

マツシマ荘オーナー https://matsushimaso.com

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最近の記事

湯加減

「お湯加減どうですか」 聞いたことがあるようで、聞いたことはなかった。 子どもの頃からすべてのインフラが揃い、電化製品に囲まれて育った。風呂を「薪で焚く」という行為を知ってはいるものの、使うことは一生ない。古文漢文を習った時の“あの感覚”そのものだった。 なぜ薪なのか 25歳の春。気づけば島で生活を始めていた。 給湯の選択肢としてはガスや灯油、電気もある。島で現存する民家にはガスか灯油のボイラーがついていることが多い。崩れた家の隙間から薪ボイラーが覗いていることもあるが、

    • 生活の知恵

      「おーい。わきむらさーん。おーい。」 家の前から叫び声が聞こえる。インターホンはない。朝から人が訪ねてくることはよくあることだ。 寝ぼけながらも10秒で着替えを済まし、 いかにも起きていましたという表情で戸を開ける。 島の男たるもの早起きでなければならない。と、勝手に思い込んでいるので何故かいつも取り繕ってしまう。 訪ねてくるのはほとんどが元島民のおじいちゃんだ。一年を通して見ると墓参りなどで多くの元島民が帰ってきており、特に数人は頻繁に帰ってくる。 汐待だったり、近況報告