マンガの「殺気」についてマジレスしていく

よくマンガとかで「殺気」を感じるようなシーンがある。

冨樫義博『HUNTER×HUNTER』より

けど現実世界で殺気なんてものが果たしてあるのだろうか?

たぶんないと思うから、その根拠を書く。

キレてるかどうかわかる?

人がキレてるかどうか、不機嫌かどうかはわかる時がある。

しかし、基本的にムスっとしてる人はキレてるのだが、普段からムスっとした感じの人はキレてると勘違いされやすい。

ある種の経験からくる「ムスッとしてるからキレてるんだろうな~」という理解がバグを引き起こしてしまっているのだ。

八木教広『エンジェル伝説』より

動物は殺気を感じているのか?

例えば鳥や猫なんかは、害意を感じると逃げ出す。

しかしながらこれも視覚的な情報が多い。視覚+聴覚という感じだろうか。

基本的に人間に近づいてもいいことはないと感じている動物は危険範囲に入る前に距離を取る。

鳥の群れが一気に羽ばたいたりするのも、危険を感じた一匹に追従しているだけなんじゃないだろうか?

狙われていることを感知できるか?

人は基本的には目と耳くらいでしか危険察知はできないだろう。

現在の戦争では兵士は遥か上空からドローンに狙われて爆殺されているらしい。もはや人間が察知できるレベルにはない。

来るとわからないものは回避できないのだ。

人は視線を感知できると言われているけれど、研究が進むにつれてどうやら勘違いが多いらしいということもわかってきている。

何なら感知できるのか?

例えば盲目の人でもエコーロケーションといって、口で出した破裂音をソナー代わりにして周囲の物を感知できる人がいる。

人間はそもそもそんな風に無意識に感覚で人の気配を察知しているのではないだろうか?

わずかな呼吸や衣擦れの音、室内の温度変化、空気の動きみたいなものは言語化できなくても感知しているだろう。

だから気配が察知できる、ということについてはあり得ない話ではない。

だがそれは「殺気」とは違う。

狙われていればわかるか?

あとは殺気を感じられるシチュエーションは、親の仇レベルで憎まれるか、もしくは通り魔に襲われるかくらいだ。

用意周到に狙われてしまっているうえで、それを止めようとすることはかなり難しい。

力道山だって刺されたし、宮本武蔵だって戦場では足に投石を受けた。

逆に殺気を放てるか?

今度は逆の視点で考えてみよう。

逆にどうすりゃ「殺気」とかいうものを出せるのか?という話だ。

岩明均『寄生獣』より
こんなことできるかな?

例えば中村天風はニワトリを金縛りにかけるというパフォーマンスをしていたというし、昔の人はネズミをにらんで動けなくしたとか、そういった話がある。

自分でも犬くらいなら多少はひるませたりすることができるけれど、それが殺気なのかと言われればそんなこたぁない。

別に殺そうとしているわけじゃないからだ。

それに相手の視界にちゃんと入っていないといけない。相手が見ているからこそ反応を引き出せるのであって、いくら後ろから何の音もなくやっても意味はない。

まとめ

マンガにおいて殺気と言われているものは、たぶん現実では存在しない。

殺気は放てないし、感じられない。せいぜい狙われているとわかっている時に聞こえる音だとか、視線が気になるくらいじゃなかろうか?

そんな風に思ってる。

殺気を感じるのは、だいたいのせいだと思うよ。

マツリの合気道はワシが育てたって言いたくない?