稽古メモ:腕力を使わない合気道についての気づき

合気道を10年以上やってるけど、どうしても力で技をかけちゃうという人と稽古した。

腕を床に押さえつけられた状態から立ち上がる旦那芸みたいな方法なんかを教えてじわじわと別に腕力を使わなくてもいいってことを理解させていく。

それから座り技呼吸法で相手に自分の腕をしっかりと持たせてから自分が腰を浮かせていけば崩していけるというのをやった。

身体でやるのは簡単だけれど、それが距離が離れて腕になっていくと途端にできなくなっていく。

力だけに頼っていると、腕を相手に預けるとか、体を相手に預けるというのができない。

どうしても立ち上がろうとする時に腕に力が入ってしまったり、あるいは腕の力を抜いてしまったりする。相手との接点が変化してしまうわけだ。

この辺に「つながる」ということの最初のヒントで、大事なのは相手に持たれた腕がそれ以上は動かないという状態をつくること。

相手との関係を変えない、変わらないものにする。自分と相手がひとつのつながった物体になっているような状態。

例えば真っすぐ釣り合った橋みたいなのがあったとして、一方の高さがわずかに弧を描くように上がっていけば、当然もう一方は斜めに崩れていく。

こんな感じ

これは逆も然りで沈みこめば上げることができる。

ただこれをやるためにはつながっている部分が変わっていけない。距離は変わらないのに橋の長さが変わってしまえばどちらも崩れないままただ高さが変わっただけになってしまう。

一度決めた距離を変えないことと、その上でまるで橋に足が生えてるみたいに上下左右に変化できれば相手を力ではなく物理的な移動で動かせるようになる。

これが「つながり」と「変化」であり、合気道の「入身イリミ」と「転換テンカン」なのであろうと思う。

マツリの合気道はワシが育てたって言いたくない?