ネトゲ戦記から考える暇空茜さんの戦略について【買おう、ネトゲ戦記。やろう合気道】

元ゲームクリエイターで所属してた会社と訴訟して6億ゲットした暇空茜さん。

その顛末を記したメチャクチャおもろいnote『シン・ネトゲ戦記』を公開していたのだが、出版が決まったという事でnoteの方は削除されてしまっている。

現在は公金の問題追及をXやYoutube、noteといったSNSで追及している彼がどういう発想で戦っているのかは『ネトゲ戦記』を読むと見えてくると思う。

暇空氏は「ゲーム感覚」で問題追及をやっていると批判されがちだけれど、それはある面では正しい。
けれども、彼がどういう「ゲーム感覚」を持っているかは、その背景を知っていないと理解できない

それを知る意味でネトゲ戦記はかなり重要な情報になる、ということでとりあえずnoteの方のネトゲ戦記を読んだことがあるので、そこから見えてくる暇空氏の「ゲーム感覚」を解説してみる。

クラファンでゲームをつくる

公金問題の追及は基本的に訴訟という形で行われている。裁判というのはその性質上、内容が複雑になればなるほど長期化してしまう。

住民訴訟や国家賠償請求訴訟は1年や2年で終わるようなものではない。

そして、ほとんどの人はそんなに長い間、動向をウォッチしてくれないだろう。

そこで暇空氏は訴訟されて記者会見を開かれ話題になっているタイミングを狙ってカンパを募り資金を集めた。
その資金で何をしたかというと、SNSを利用した「ソシャゲ」を運営できるようにしたというのが自分の見立てだ。

クラウドファンディングで資金を集めてゲームをつくるように、彼はカンパで資金を集めてある種のゲーム的な仕組みをSNS上に構築した。
ゲーム感覚で問題追及をはじめたというよりは、問題追及をゲームへと再構築してみせたわけだ。

ソシャゲなんかはユーザーを飽きさせずに維持する工夫が必要とされており、それは長い裁判とクロスさせることで相乗効果を生む。

ソシャゲ的戦略

暇空氏のアカウントが行っている活動を一種のソシャゲのようなものとして見ると彼の戦略の一端がわかりやすくなる。

有名アカウントからの誹謗中傷に対する訴訟、レスバトル、そして訴状の公開や解説、特定の人へのプロファイリング、タレコミの公開、公金事業の精査などはサブイベントやサブシナリオだ。

長期的なメインシナリオである住民訴訟・国家賠償請求訴訟をやっていく中で、フォロワーを飽きさせない工夫として機能する。

こうしたサブ的なイベントを多数用意することで、フォロワ―の注目を維持したまま長期間を戦えるような運営ができるというわけだ。

対話罪は垢バン

ゲームにおいて重大なルール違反をしたプレイヤーはアカウントがBANされる。いわゆる垢バンがあるように暇空氏はXのブロック機能を垢バンのように活用している。

対話罪といって特定アカウントのフォロワーや、そのアカウントと対話を行った者をブロックするという垢バンのルールを敷くことで自身のフォロワーの行動を制限し、さらに敵対的な発信者の発言力を削いでいく。

冨樫義博『HUNTER×HUNTER』33巻より

こうしたコントロール方法はまさにゲーム的で、公金問題追及ゲームそのものを崩壊させるような行為を制限したり、認知することが可能になっている。

プレイ時間の奪い合い

ソシャゲをはじめゲームは結局は各社が競争してユーザーの時間を奪い合う
どれだけ自分のゲームを長く遊んでもらえるかが重要であり、そのために日々イベントやログインボーナスの配布などを行っているわけだ。

暇空氏に反対する側の勢力というのは、バラバラの複数のアカウントや団体であり、ソシャゲでいえばそれぞれが別々のゲームを運営していることになる。

各アカウントを「ソシャゲ」のようなユーザーの時間を消費させるものとして見た時に、現状では暇空茜アカウントの一強状態であり、アカウントをひとつのゲームのように動かしている効果が発揮されている。

何が起きているのか?

つまり今SNS上で何が起きているかというと暇空氏による「領域展開」が成されているというわけだ。

芥見下々『呪術廻戦』11巻より

彼はこれまでに培ってきたゲームのプレイヤー・クリエイター・6億円裁判などの経験を使って自らのアカウントを「ソシャゲ」へと変貌させている
一般的な感覚で行くと、『暇空茜』というのは単なるXというアプリ上のひとつのアカウントだ。

だが、そこに展開されているのは彼の領域であるゲームであり、何も知らずに踏み込んでしまえば、知らぬ間にゲームの要素として組み込まれてしまう。

だからこそ多数の団体や個人がSNSでは暇空氏ひとりを相手に攻めあぐねているというのが現状だ。

買おう、ネトゲ戦記

そんなわけで、2月21日発売予定の『ネトゲ戦記』では彼がどうやってゲームという架空世界と裁判という現実世界を融合させるに至ったかが垣間見えるものになっていると思う。

暇空茜をウォッチしている人にとってはより解像度が深まることは間違いない。

noteに公開されてたやつだけでも読み物としては抜群に面白かったが、書籍版ではゲームに詳しくない人向けの注釈や、追加のエピソードもあるらしいので、内容的にはさらに充実している。おススメ。

やろう合気道

ここまで読んでくれた人のために、特別に合気道の研鑽を積んだこの私が暇空さんへの対処方法を考察してみよう。

彼は高い知能を誇り、波乱万丈な人生を送ったことで裁判など通常なら経験することのできない知識を武器としている。

そんな非凡な人に我々のような凡人が打ち勝つには一人では無理だろう。

友達をたくさんつくり、仲間を増やし、恋人をつくって結婚するなどして、友人や家族に囲まれながら暮らす。

そうすれば彼のような非凡な人がやることを「すげぇ~」と言いながら眺めることができるようになる。それでよくない?

暇空茜というソシャゲでバチバチ対決してる人を見るとそんな風に思ってしまう……。

平凡な生活の趣味にはわりと誰でもできる合気道がおススメですよ。

マツリの合気道はワシが育てたって言いたくない?