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20240305 版画心理学

 昨日、自分は版画が好きかもと書き、絵画と性格に関する研究を引用してNOTEを書きました。そして今日、「もっと狭く版画に関する心理学的研究はあるのかな?」と思って「版画 心理」でCiNii検索してみました。
 そして出てきたのが「教育と版画家への道」というタイトルのもので、心理とあまり関係のなさそうなタイトルだなあと思って掲載紙をみると『教育心理学年報』!
 教育心理学年報は教育心理学会が出しているその年1年の研究動向などをまとめた年報で、そこに版画関係の論文が載っているとはどういう内容だろう???と最初全く想像がつかなかったのですが、琉球大学で行われた日本教育心理学会第54回総会で招待講演をされた版画家の松原直子氏が版画家としての活動歴を他者からの学びなどを中心に振り返りながら話された内容をまとめたものでした。

松原直子 2013 教育と版画家への道. 教育心理学年報, 52, 184 – 192.

 松原直子先生について存じ上げてなかったのでwikipediaで調べてみると「恩師である宗像志功の影響下にある」と書かれていてそうなのか~と思ってから文章を読み始めます。 
 現在の京都市立芸術大学でオーストリア人の上野リチ先生に学んだ後、1961年からカーネギーメロン大学、ロンドンのThe Royal College of Artなどで学んで…という経歴から推測するとすごく西洋的な版画を学ばれたのかなあ?と思ったのですが、棟方志功氏との出会いも1958年だったようなので、上野リチ先生と棟方志功氏の両方から同時に学ばれたという感じなのかなあと。
 このあたり、両者からの影響や海外体験の影響など作品を通じてわかればいいなあと思ったのですが論文には作品が全く載っていなくて残念、と思っていたら独立行政法人国立美術館に所蔵されている作品がネットでみられました。

 一番古い作品が1961年ですでに棟方志功氏にあった後のものですが、確かに影響は受けているけど海外の影響もやはりあって独自だな~素敵だな~と思いました。『フロレンスの印象』と『Impression of Siena』がなんとなく好きです。

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