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#成田、郡上、そして殿のもとへ

奄美から東京へ行く際、これまではJALばかりを使っていたのだが先日初めて格安航空のピーチを使ってみた。しかしこのピーチ、奄美を発つ時は朝10時20分発なので問題は無いが、成田からの復路が朝7時発なので東京に宿泊したのでは搭乗に間に合わない。なので今回は最初からホテルを成田に取って東京との往復に大荷物を持たなくても良いようにした。これが正解で京成成田駅周辺は自然豊かで閑静であり、夜の食事場所も駅周辺にコンパクトにまとまっていて、大変過ごしやすかった。なので東京-奄美を頻繁に往復する人の中には成田に住居を構えてしまう人も多いと言う。実際私もこの街に住みたいと思ってしまった。
 
住んでみたいと思う土地は他にもあって、30年ほど前に営業で走り回った岐阜県なども素晴らしい。一口に岐阜県と言っても大垣や関ヶ原などの西濃、郡上八幡や関、美濃などの中濃、恵那や中津川などの東濃、そして高山や合掌造りの白川村などの飛騨地方がある。岐阜市周辺は岐阜地方と呼ばれる。
 
西濃といえば稲穂の揺れるイメージが浮かぶ。東濃は渓谷と青々とした山容、中濃から飛騨にかけては島崎藤村が『夜明け前』の冒頭で描き出した木曽路を思わせる。どの地域もそれぞれ魅力に溢れているが、住んでみるなら郡上あたりが私の好みだ。
 
東濃地方は私が愛知県に住んでいた15年以上前にロードバイクで走り回った。週末になると早朝ライドと称して春日井~土岐~御嵩~可児~犬山~小牧~春日井の80kmコースを3時間ほどかけて走った。2ヶ月に一度くらい、当時住んでいた愛知県春日井市から瀬戸市の国道363号へ抜けてそのまま中津川を経て下呂、七宗町を抜けて春日井へ戻った。200km以上のコースを8時間ほどで駆け抜けた。山道を自転車で駆け抜けていると脳内麻薬と言われるエンドルフィンが放出され、あらぬ事を考えたりする。私の場合は、前世で同じ道を刀の柄を握りしめて駆け抜けていたという妄想に駆られた。そのせいか東濃は私にとって落ち着ける場所ではない。事が起これば押っ取り刀で主君のもとへ駆け付けなければいけない気分になる。
 
いつか成田や郡上で暮らす時が来るのだろうか。今はまだわからない。

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