FileMaker Server for Linuxが正式版として利用できるようになりました
こんにちは、エミックの松尾です。先月下旬にClaris FileMaker Server 19.1.2が登場しました。FileMaker Server 19.1.2ではCentOS Linux 7 (2003)がついにサポートされ、FileMaker Server for Linuxを正式に利用できるようになっています。これにより、Linux版のFileMaker Serverはバージョン5.5で登場して以来の復活となりました。今回の記事では、2020年10月下旬に正式に登場したFileMaker Server for Linuxについて記しています。
Claris FileMaker ServerとLinuxの歴史について
Linux版のFileMaker Serverに関する歴史については以前記事にまとめたことがあります。詳しくは開発者プレビュー版が登場した時に書いた記事をご参照ください。
Claris FileMaker Server 19.1.2でCentOS Linuxに対応
先月下旬に登場したFileMaker Server 19.1.2ではCentOS Linux 7 (2003)がサポートされ、FileMaker Server for Linuxを正式に利用できるようになっています。
Claris ナレッジベースに掲載されているClaris FileMaker Server 19.1.2 リリースノートにおいて、Linux版の対応OSは「CentOS Linux 7.8」と記載されています。このことから、Red Hat Enterprise Linux 7.8に対応するバージョンであるCentOS Linux 7 (2003)がサポート対象になっていると考えられます。
2020年11月6日現在、CentOS Linuxの最新版はCentOS Linux 8 (2004)ですが、FileMaker Server for Linuxを利用する場合には今のところCentOS Linux 8ではなくCentOS Linux 7を利用すると良いでしょう。
FileMaker Server for Linuxの入手方法
FileMaker Server 19.1.2はアップデータとしてではなくフルインストーラーとして提供されています。Claris FileMaker 19を利用できる、保守が有効なボリュームライセンスを契約中のユーザーは、FileMaker Server for Linuxをダウンロードできるようになっています。
「claris_licensing@」で始まるClarisのメールアドレスから届くメールにライセンス情報を含むダウンロードリンクがありますが、そのリンクをクリックして表示されるページからFileMaker Server for Linuxの製品インストーラーをダウンロードすることができます。
Linux版FileMaker Server 19.1.2の新機能
FileMaker Server for Linuxでは、AD FS(Active Directory Federation Services)とOAuthを利用した外部認証に対応しています。Windows ServerでAD FSサーバーを別途構築する必要がありますが、AD FSによるシングルサインオンで共有データベースにサインインまたはAdmin Consoleにサインインできるように設定することが可能です。
また、FileMaker Server for LinuxではOData APIを使用できるようになっています。ODataはClaris FileMaker Server Admin Consoleの[コネクタ]>[OData]で設定することができます。OData APIのデータ転送量上限についての扱いはClaris FileMaker Data APIと同様であり、FileMaker Data APIと制限を共有するようになっています。
AD FSとOAuthを利用した外部認証およびODataはmacOS版やWindows版のFileMaker Server 19.1.2では利用できないようであり、Linux版でのみサポートされる機能となっています。
Linux版ではカスタムWeb公開機能は非サポート
残念なことに、FileMaker Server for LinuxではカスタムWeb公開機能がサポートされていません。Linux版のFileMaker Server 19.1.2では、XMLを使用したカスタムWeb公開機能およびPHPを使用したカスタムWeb公開機能はどちらも使用できません。
FileMaker Server for Linuxでは、カスタムWeb公開の代わりにClaris FileMaker Data APIまたはOData APIを使用するように案内されている状況です。
FileMaker Server for Linux対応ホスティングサービス
最後に少し宣伝です。エミックでは、FileMaker Server for Linuxが正式に登場したタイミングにあわせて、Claris FileMaker 19に対応したホスティングサービスである“FMプランネクストシリーズ”を発表しました。2020年11月19日からお申し込みの受付を開始します。
新登場のLinux版FileMaker Serverを採用して刷新されたFMプランネクストシリーズは、大容量のストレージを備え、圧倒的なコストパフォーマンスを実現しています。詳細についてはエミックのWebサイトをご覧ください。
まとめ
2020年10月下旬に正式に登場したClaris FileMaker Server for Linuxについて解説しました。Claris FileMaker Server 19.1.2ではCentOS Linux 7 (2003)がサポートされ、FileMaker Server for Linuxを正式に利用できるようになっています。FileMaker Server for Linuxでは、AD FS(Active Directory Federation Services)とOAuthを利用した外部認証、およびOData APIに対応しています。ただし、FileMaker Server for LinuxではカスタムWeb公開機能がサポートされておらず、カスタムWeb公開の代わりにClaris FileMaker Data APIまたはOData APIを使用するように案内されている状況となっています。