見出し画像

Claris FileMaker Server 19.5に対応したfmcsadmin 2.0.0を公開しました

こんにちは、エミックの松尾です。Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装したコマンドラインツールであるfmcsadminをGitHubで公開していますが、Claris FileMaker Server 19.5.1に対応したfmcsadmin 2.0.0を先月下旬に公開しました。今回の記事では、fmcsadmin 2.0.0の新機能と変更点について記しています。

fmcsadminの概要

fmcsadminはClaris FileMaker Server管理者向けのコマンドラインツールです。当初はFileMaker Cloud for AWSでfmsadminコマンドを使用できない問題を解決するために開発しましたが、現在ではFileMaker Serverに付属する純正のfmsadminコマンドにはない機能としてリモート管理機能を備えている点が特色となっています。

fmcsadminは、オープンソースソフトウェアとしてGitHubで公開しており、無料でご利用いただくことが可能です。ライセンスはバージョン1.0.0以降ではMITライセンスでしたが、バージョン2.0.0ではApache License, Version 2.0に変更しました。

fmcsadmin 2.0.0の新機能

今年6月にFileMaker Server 19.5.1の提供が開始されましたが、当該バージョンのFileMaker ServerではFileMaker Admin APIの機能が一部拡張されていました。FileMaker Server 19.5.1でAdmin APIの機能が拡張されたことを受けて、約10ヶ月ぶりにfmcsadminを更新した次第です。

fmcsadmin 2.0.0ではFileMaker Server 19.5.1およびUbuntu 20.04 LTSに正式に対応しました。FileMaker Server 19.5.1以降を使用している場合に、実行中のバックアップ処理を中止できるようにしただけでなく、パラレルバックアップの設定を確認および変更できるようにしました。さらに、環境変数(FMS_USERNAMEおよびFMS_PASSWORD)でユーザー名とパスワードを指定できるようにしました。

実行中のバックアップ処理を中止するにはcancelコマンドを使います。使い方はfmsadminコマンドと同様で、使用例は次の通りです。

fmcsadmin -u USERNAME -p PASSWORD cancel backup

FileMaker Server 19.5.1で追加されたパラレルバックアップの設定を確認する場合にはgetコマンドを使います。使用例は次の通りです。

fmcsadmin get serverprefs ParallelBackupEnabled

パラレルバックアップ設定を変更する場合にはsetコマンドを使います。ParallelBackupEnabled引数をtrueに設定すると、パラレルバックアップを有効にします。使い方はfmsadminコマンドと同様で、使用例は次の通りです。

fmcsadmin set serverprefs ParallelBackupEnabled=true

ParallelBackupEnabled引数をfalseに設定すると、パラレルバックアップ設定が再度無効になります。

fmcsadmin set serverprefs ParallelBackupEnabled=false

Ubuntu 20.04 LTSに対応

バージョン19.5.1のFileMaker Server for LinuxではUbuntu 18.04 LTSだけでなくUbuntu 20.04 LTSもサポートされるようになりました。そのため、fmcsadminもUbuntu 20.04 LTSに正式に対応することにしました。Ubuntu 20.04 LTSのServer版とDesktop版の両方に対応しています。

FileMaker Server 19.5に対応したfmcsadmin 2.0.0の動作環境は、Ubuntu Server 18.04 LTS、Ubuntu 18.04 Desktop、Ubuntu Server 20.04 LTS、Ubuntu 20.04 Desktop、CentOS Linux 7、macOS Catalina 10.15.7以降(macOS Monterey 12で動作確認済み)およびWindows 10 Version 21H1以降(Windows 11で動作確認済み)であり、FIleMaker Server 19.1以降に対応しています。

なお、fmcsadmin 2.0.0では、32bitのWindows版の提供をせず、メーカーサポート対象外となっているmacOS Mojave 10.14やCentOS Linux 8等を動作保証対象外としました。同時に、FileMaker Server 18とFileMaker Server 19.0もサポート対象外にしました。

FileMaker Cloudに対応したProバージョンを準備中

2022年7月現在、fmcsadminはClaris FileMaker Cloud 2には未対応ですが、FileMaker Cloud 2に対応したProバージョンを現在準備中です。提供方法については現在検討中ですので、詳しい情報については今しばらくお待ちください。

まとめ

fmcsadmin 2.0.0の新機能と変更点について解説しました。fmcsadminは、Claris FileMaker Server管理者向けのコマンドラインツールです。バージョン2.0.0では、Claris FileMaker Server 19.5.1およびUbuntu 20.04 LTSに対応し、実行中のバックアップ処理を中止できるようにしただけでなく、パラレルバックアップの設定を確認および変更できるようにしました。さらに、環境変数(FMS_USERNAMEおよびFMS_PASSWORD)でユーザー名とパスワードを指定できるようにしました。fmcsadminは、リモート管理にも対応していて、Linux、macOSおよびWindowsでご利用いただくことができます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?