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Claris FileMaker Server 19.3に対応したfmcsadmin 1.3.0を公開しました

こんにちは、エミックの松尾です。Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装したコマンドラインツールであるfmcsadminをGitHubで公開していますが、Claris FileMaker Server 19.3.2に対応したfmcsadmin 1.3.0を先日公開しました。今回の記事では、fmcsadmin 1.3.0の新機能と変更点について記しています。

fmcsadminの概要

fmcsadminはサーバー管理者向けのコマンドラインツールです。コマンドラインインターフェース(CLI)でFileMaker Admin APIを操作し、FileMaker Serverに付属するfmsadminコマンドと同様の使い勝手を実現します。

当初はFileMaker Cloud for AWSでfmsadminコマンドを使用できない問題を解決するために開発しましたが、現在では標準のfmsadminコマンドにはない機能としてリモート管理機能を備えている点が特色となっています。

fmcsadminは、オープンソースソフトウェアとしてGitHubで公開しており、無料でご利用いただくことが可能です。ライセンスはMITライセンスです。

GitHubからfmcsadminをダウンロード可能

fmcsadmin 1.3.0の新機能

今年6月にFileMaker Server 19.3.1、および7月にFileMaker Server 19.3.2の提供が開始されましたが、それぞれのバージョンではFileMaker Admin APIの機能が拡張されました。FileMaker Server 19.3.1および19.3.2でAdmin APIの機能が拡張されたことを受けて、今回fmcsadminを更新した次第です。

fmcsadmin 1.3.0では、Appleシリコン搭載Mac、Ubuntu 18.04 LTSおよびFileMaker Server 19.3.2に対応し、FileMaker Server 19.3.1以降を利用している場合にデータベースファイルを取り除くremoveコマンドを新たに利用できるようにしました。また、FileMaker Server 19.3.2以降を利用している場合に、Claris FileMaker Data APIでオブジェクトデータを要求する際に利用するストリーミングURLのセキュリティ設定を確認および変更できるようになっています。

データベースファイルを取り除くにはremoveコマンドを使います。使い方はfmsadminコマンドと同様で、使用例は次の通りです。

fmcsadmin remove TestDB

ストリーミングURLのセキュリティ設定を確認する場合にはgetコマンドを使います。使用例は次の通りです。

fmcsadmin get serverprefs AuthenticatedStream

ストリーミングURLのセキュリティ設定を変更する場合にはsetコマンドを使います。AuthenticatedStream引数を2に設定すると、ストリーミングURLのセキュリティ設定を無効にします。使い方はfmsadminコマンドと同様で、使用例は次の通りです。

fmcsadmin set serverprefs AuthenticatedStream=2

AuthenticatedStream引数を1に設定すると、ストリーミングURLのセキュリティ設定が再度有効になります。

fmcsadmin set serverprefs AuthenticatedStream=1

ユニバーサルバイナリとしてAppleシリコン搭載Macに対応

macOS版のFileMaker Server 19.3.1ではユニバーサルバイナリとしてAppleシリコン搭載Macに対応するようになっています。これにあわせてfmcsadminもユニバーサルバイナリとしてAppleシリコン搭載Macに対応しました。

fmcsadmin 1.2.0以前ではAppleシリコン搭載Mac上ではRosetta 2経由で動作していましたが、バージョン1.3.0ではユニバーサルバイナリとしてRosetta 2を必要とせずにAppleシリコン搭載Mac上で動作するようになっています。

Ubuntu 18.04 LTSに対応

CentOS Projectの開発方針変更を受けて、バージョン19.3.1のFileMaker Serverではサポート対象となるLinuxディストリビューションがCentOS LinuxからUbuntuに変更されました。

Linux版のFileMaker Server 19.3ではUbuntu 18.04 LTSに対応していることから、fmcsadminもUbuntu 18.04 LTSに正式に対応することにしました。Ubuntu 18.04 LTSのServer版とDesktop版の両方に対応しています。

FileMaker Cloud for AWSを利用できるのは実質年内まで

昨年Claris FileMaker 19が発売された際に、Claris純正のクラウドサービスであるClaris FileMaker Cloud 2が日本でも正式に利用できるようになりました。これを受けて、FileMaker Cloud for AWSは今後Claris FileMaker Cloudに置き換えられる予定になっています。

AWS MarketplaceにおけるFileMaker Cloud for AWSの販売はすでに終了しており、サポートは2022年1月4日に終了する予定となっています。2022年1月4日を過ぎるとFileMaker Cloud for AWSにアクセスできなくなる予定となっているので、ご注意ください。

FileMaker Cloud for AWSをご利用中の場合、年末年始休業日を考慮すると、今年中に移行を行う必要があります。現在FileMaker Cloud for AWSを利用している場合には、この機会に弊社が提供しているホスティングサービスであるFMプランへの移行をご検討ください。

まとめ

fmcsadmin 1.3.0の新機能と変更点について解説しました。Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装されているfmcsadminは、FileMaker Cloud for AWSでfmsadminコマンドを使用できない問題を解決するために開発したオープンソースソフトウェアです。バージョン1.3.0では、Appleシリコン搭載Mac、Ubuntu 18.04 LTSおよびClaris FileMaker Server 19.3.2に対応し、データベースファイルを取り除くremoveコマンドを新たに利用できるようにしました。また、Claris FileMaker Data APIでオブジェクトデータを要求する際に利用するストリーミングURLのセキュリティ設定を確認および変更できるようになっています。fmcsadminは、リモート管理にも対応していて、Linux、macOSおよびWindowsでご利用いただくことができます。

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