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fmcsadminでClaris FileMaker Serverを遠隔管理する

こんにちは、エミックの松尾です。以前の記事でLinux版Claris FileMaker Serverの開発者プレビュー版について紹介したことがありましたが、数日前に開発者プレビュー版が更新され、FileMaker Server for Linux Developer Preview 2が登場したことが案内されていました。Claris FileMaker Server 19を利用できるライセンスを購入済みのユーザーは、ソフトウェアダウンロード(ESD)ページで入手できるようになっています。Developer Preview 2が開発者プレビュー版としては最終版であり、2ヶ月以内に製品版が登場する予定であるとのことです。さて、今回の記事では、macOSにおいてfmcsadminを使いClaris FileMaker Serverを遠隔管理する方法について記しています。

Claris FileMaker Admin APIを利用するfmcsadmin

Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装したコマンドラインツールであるfmcsadminをGitHubで公開しています。fmcsadminの概要やmacOSにおけるインストール手順については以前の記事をご参照ください。

今回の記事では、fmcsadmin 1.1.0をmacOSにインストールしている前提でfmcsadminによるリモート管理について説明していきます。

macOSの場合はターミナルアプリケーションを利用

macOS版のfmcsadmin 1.1.0を使用するには、Appleからセキュリティアップデートが提供されているmacOS High Sierra 10.13.6以降をシステム条件としています(2020年7月現在)。また、管理対象のClaris FileMaker Serverはバージョン18もしくはバージョン19が必要です。

コマンドラインツールであるfmcsadminを使うには、macOSの場合にはターミナルアプリケーションを、Windowsの場合にはコマンドプロンプトやPowerShellを通常利用します。

macOSではターミナルアプリケーションは「ユーティリティ」フォルダ内にあります。ユーティリティフォルダを開くには、Finderの[移動]メニューをクリックして、[ユーティリティ]を選択します。

Finderでメニューバーから[移動]>[ユーティリティ]を選択

ユーティリティフォルダ内にある「ターミナル」を起動します。

ユーティリティフォルダ内にあるターミナルアプリケーションを起動

fmcsadminがインストールされている状態であれば、ターミナルアプリケーションのウインドウ上で「fmcsadmin」と入力した後、returnキーを押すと、fmcsadminコマンドに関する説明が英語で表示されるはずです。

ターミナルで「fmcsadmin」と入力した後にreturnキーを押すとfmcsadminコマンドの使い方に関する説明が英語で表示される

--fqdnオプションでリモート管理対象サーバーを指定

fmcsadminのリモート管理機能は「--fqdn」オプションを使って対象サーバーを指定することで利用可能です。対象サーバーは、IPアドレスではなく完全修飾ドメイン名(FQDN)で指定する必要があります。

さらに、リモート管理機能を利用するにはサーバー側でSSLサーバー証明書が適切にインストールされていて、Claris FileMaker Admin APIを利用できる状態になっている必要があります。サーバー側でClaris FileMaker Admin APIに接続できるIPアドレスが制限されている場合には接続できません。

例えば、fmcsadminコマンドを使ってリモートにあるClaris FileMaker Server上でホストされているデータベースの一覧を確認するコマンドを実行する場合には、ターミナルで次のように入力してreturnキーを押します。

fmcsadmin --fqdn example.jp -u USERNAME -p PASSWORD list files

「example.jp」は実際に使用しているSSL/TLSで接続可能なサーバー名に、「USERNAME」はClaris FileMaker Server Admin Consoleのユーザ名に、「PASSWORD」はClaris FileMaker Server Admin Consoleのパスワードに置き換えてください。

「-u」オプションや「--username」オプションでAdmin Consoleのユーザ名を、「-p」オプションや「--password」オプションでAdmin Consoleのパスワードを指定することができます。

正常に実行されると「filemac:/Macintosh HD/Library/FileMaker Server/Data/Databases/FMServer_Sample.fmp12」といったような文字列が表示されて、データベースの一覧を確認できます。

データベースの一覧を表示する「list files」の代わりに、「close FMServer_Sample」と入力してコマンドを実行すると、FMServer_Sampleデータベースを閉じることができます。

fmcsadmin --fqdn example.jp -u USERNAME close FMServer_Sample

上の例のように「-p」オプションを指定しない場合には、パスワードの入力が求められます。Admin Consoleのパスワードを入力すると、コマンドが実行されます。

データベースファイルを開くときには「open」コマンドを利用します。

fmcsadmin --fqdn example.jp -u USERNAME open FMServer_Sample

このように--fqdnオプションを使うことで、fmcsadminコマンドを使ってClaris FileMaker Serverを遠隔管理することができます。fmcsadminは、オープンソースソフトウェアとしてGitHubで公開しており、無料でご利用いただくことが可能です。データベースの開閉だけでもとても便利だと思いますので、よろしければ是非お試しください。

GitHubからfmcsadminをダウンロード可能

まとめ

macOSにおいてfmcsadminを使いClaris FileMaker Serverを遠隔管理する方法について解説しました。Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装したコマンドラインツールであるfmcsadminの--fqdnオプションを使えば、Claris FileMaker Serverを遠隔管理することができます。fmcsadminは、FileMaker Cloud for AWS 1.18にも対応しています。2020年7月現在、FileMaker Cloud for AWS 1.18上で利用できるLinux版を用意しているほか、macOSやWindows上でFileMaker Cloud for AWS 1.18、FileMaker Server 18およびClaris FileMaker Server 19をリモートで管理することもできます。

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