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Claris FileMaker Server 19に対応したfmcsadmin 1.1.0を公開しました

こんにちは、エミックの松尾です。Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装したコマンドラインツールであるfmcsadminをGitHubで公開していますが、Claris FileMaker Server 19およびmacOS Catalina 10.15に対応したfmcsadmin 1.1.0を先日公開しました。今回の記事では、fmcsadmin 1.1.0の新機能と変更点について記しています。

fmcsadminの概要

Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装されているfmcsadminは、FileMaker Cloud for AWSでfmsadminコマンドを使用できない問題を解決するために開発したツールです。コマンドラインインターフェース(CLI)用のツールであり、Claris FileMaker Serverに付属するfmsadminコマンドと同様の使い勝手を実現します。

fmcsadminは、オープンソースソフトウェアとしてGitHubで公開しており、無料でご利用いただくことが可能です。ライセンスはベータ版ではApache License, Version 2.0でしたが、バージョン1.0.0以降ではMITライセンスに変更しています。

GitHubからfmcsadminをダウンロード可能

リモート管理にも対応しているfmcsadmin

マルチプラットフォームに対応しているfmcsadminは、Linux、macOSおよびWindowsで利用できます。FileMaker Cloud for AWS上で利用できるLinux版を用意しているほか、macOSやWindows上でFileMaker Cloud for AWS 1.18、FileMaker Server 18およびClaris FileMaker Server 19をリモートで管理することもできます(2020年6月現在)。

リモート管理機能は--fqdnオプションを使って対象サーバーを指定することで利用可能です。ただし、リモート管理機能を利用するにはサーバー側でSSLサーバー証明書が適切にインストールされている必要があります。

fmcsadmin 1.1.0の新機能

今週公開したfmcsadmin 1.1.0では、Claris FileMaker Server 19を利用している場合に、暗号化されているデータベースファイルを開く際に自動的に開かれるようにするための暗号化パスワードを保存する機能に対応しています。

Claris FileMaker Server 19のClaris FileMaker Admin APIが暗号化パスワードの保存に新たに対応したことを受けて、fmsadminコマンドのopenコマンドで利用できる--savekeyオプションと同等の機能を実装した次第です。

Appleの公証に対応したmacOS版のインストーラーを用意

fmcsadmin 1.1.0では、macOS版のインストーラーを新たに用意しました。Appleの公証に対応し、正式にmacOS Catalina 10.15に対応しました。

macOS版のfmcsadmin 1.1.0をインストールする場合には、ダウンロードページに置いてある「fmcsadmin-1.1.0-macos.dmg」という名称のファイルをダウンロードします。

macOSを使用している場合にはfmcsadmin-1.1.0-macos.dmgをダウンロード。

ダウンロードしたディスクイメージファイルを開き、そのファイルに含まれる「fmcsadmin-1.1.0.pkg」をダブルクリックします。

ディスクイメージファイルに含まれるfmcsadmin-1.1.0.pkgをダブルクリック

インストーラアプリケーションが起動します。[続ける]をクリックします。

fmcsadmin 1.1.0インストーラの画面

ライセンスの内容を確認し、[続ける]をクリックします。

ライセンスの内容を確認して[続ける]をクリック

[同意する]をクリックすると、インストール処理が続行されます。

[同意する]をクリックしてインストール処理を続行

[インストール]をクリックします。

[インストール]をクリック

管理者の名前とパスワードを入力して、[ソフトウェアをインストール]をクリックすると、/usr/local/bin/以下にfmcsadminコマンドがインストールされます。

管理者の名前とパスワードを入力して[ソフトウェアをインストール]をクリック

[閉じる]をクリックすれば、インストール作業は完了です。

インストール作業が完了した後[閉じる]をクリック

最後にインストーラをゴミ箱に入れるかどうか確認のメッセージが表示される場合があります。必要に応じて[残す]もしくは[ゴミ箱に入れる]を選択してください。これでインストール作業は完了です。

最後にゴミ箱に入れるかどうかの確認メッセージが表示される

FileMaker Cloud for AWSは1.18が最終バージョン

Claris FileMaker 19の発売と同時に、Claris純正のクラウドサービスであるClaris FileMaker Cloud 2が日本でも正式に利用できるようになりました。これを受けて、FileMaker Cloud for AWSは今後Claris FileMaker Cloudに置き換えられる予定になっています。

FileMaker Cloud for AWS 1.18はFileMaker Cloud for AWSの最終バージョンとなることも発表されており、FileMaker Cloud for AWS 1.19はリリースされない見通しです。

さらに、AWS MarketplaceにおけるFileMaker Cloud for AWSの販売が2021年1月4日で終了、およびFileMaker Cloud for AWSのサポートが2022年1月1日に終了する予定になっていることから、現在FileMaker Cloud for AWSを利用している場合にはClaris FileMaker Cloudへの移行もしくはClaris FileMaker Serverへの移行を検討する必要がある状況になっています。

まとめ

fmcsadmin 1.1.0の新機能と変更点について解説しました。Claris FileMaker Admin APIを用いてGo言語で実装されているfmcsadminは、FileMaker Cloud for AWSでfmsadminコマンドを使用できない問題を解決するために誕生したオープンソースソフトウェアです。バージョン1.1.0では、Claris FileMaker Server 19を利用している場合にopenコマンドの--savekeyオプションを使って暗号化パスワードを保存できるようになっています。また、macOS版についてはインストーラーを新たに用意することで正式にmacOS Catalina 10.15に対応しました。fmcsadminは、リモート管理にも対応していて、Linux、macOSおよびWindowsでご利用いただくことができます。

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