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光の絵の具

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「光の絵の具」

知っていますか?
夜明け前の世界が青く染まる時刻から、朝日が顔を出すまでの、ほんの短い間にだけ現れる、小さな絵描きがいるのです。

絵描きは光の絵の具に筆をひたして、
花、木、山、家、ビル、眠っている犬、
早起きの鳥、大きなアゲハチョウから小さなノミまで、
地上の全てのものの輪郭を描き出していきます。
絵描きの筆が触れたものは、うっすらと光を帯びて、
自分自身の光によって朝が訪れたことを知るのです。

それはほんの短い時間ですから、
絵描きの筆さばきは、目にもとまらぬ早さです。
運よく私たちが青い時間に目覚めたとしても、
その姿を見ることは決してできません。

絵描きは太陽の子どもでしょうか。
それとも光の妖精でしょうか。
もしくは陽光の見えない指先でしょうか。
あなたがまぶたに温かいものを感じて、
くすぐったいような気分で目覚める時、
あなたの睫毛に絵描きの筆が触れたのかもしれません。


やがて、なにもかもがその輪郭を表して、
世界全体がまぶしく輝き出す頃、
絵描きたちは彼らのお母さんである太陽の光に溶けて、
音も立てずに消えていくのです。

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額縁サイズ:訳220mm×275mm
使用画材:水彩・アクリルガッシュ
¥27,000+tax

−個展詳細−
個展「筆が編むレース」
2021/8/25(水)〜9/5(日)
at ranbu Space A → http://blog.ranbu-hp.com
12:30-19:30 火曜日定休

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