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個展「暗喩」のこと①詩の序文について。

個展「暗喩」がはじまりました。
詳細は最後に記載しますが、始まってから一週間と少し、既に胸がいっぱいになっています。ご覧いただいた方から、とても心のこもった感想や、絵から連想された大切な思い出を教えてもらったり。その深度がぐんと深い気がしています。

この個展はわたしにとって非常に大切な「読点」になると思います。
お魚みたいな女の子の絵。この子みたいに、深く内側に潜っていくことができた製作期間でした。
今回は本やポストカードは作っていません。「展示を作る」ということに注力した個展です。遠方の方や、お出かけの難しい方にとっては申し訳ない気持ちもありますが、今後SNSやnoteで少しでも雰囲気を感じていただけるようにしたいと思っています。

さて今回の個展では入り口に詩を飾っています。
その詩をここに載せようと思ったのは、私自身が誰かの展示を見に行った時に、そこに書かれた長い文章をその場で読み解く集中力を持てないからです。会場の空気や他のお客さん、在廊中の作家さんなどに、気持ちが半分くらい持って行かれてしまいます。
なので既にお越しくださって落ち着いて読み返したい方や、読んでから見たい方もいるかもしれないと、ふと思った次第です。



暗喩 

本を作ることを 何に喩えよう。
はじまりは 水の中。
かすかな兆しを信じて 潜ったり ただ浮かんだりして
偶然のような顔をして 流れこんでくる なにか。

みちゆきは 石積み。
ひとつ ひとつ 積み上げる 収める 敷き詰める。
静かに 孤独に ときに ふたり こころ 合わせて。

おわりには 狼煙を上げる。
遠くに暮らす 知らないあなたに 世界の片隅で 合図を送ろう。
もうひとりの あなたが 「ここにいる」と。

本は世界で 世界は暗喩で
なにもかも 別のなにかに 喩えられ 顕現する。
本を作ることは わたしが 生きることの 暗喩。

さあ 何に喩えようか。

個展ー暗喩ー
2023年9月16日(土)〜10月16日(月)
14時〜20時 定休:火・水
at えほんやるすばんばんするかいしゃ

今後の在廊予定(今のところ)
・28日(木)15時〜
・30日(土)終日
・10月6日(金)16時くらい〜
・10月15日(日)終日
・10月16日(月・最終日)終日


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