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歩んだ道、歩まなかった道

夢に移入しすぎて、起きた時に「あれ?ここどこ?」となることがある。

まるでさっきまで全く違う人生を歩んでいたのに、それが全部夢でこっちが本当だと気づくように。いやまあ実際そうなんだけど。

夢の中では夢の中の設定に微塵の疑問も感じず生きていることが不思議だなと思った。

たとえば今さっき私はマンションの一室で寝ていて、でも元々借りているアパートがあって、あまりに長いことそこに帰っていないものだから住所を忘れてしまい思い出そうと奮闘していた。

武蔵野市だっけ?三鷹市だっけ?小平市だっけ?結果、以前三鷹で住んでいたマンションから南にまっすぐ歩いたところにあるアパートだった。そこは私が夢の中でよく住んでいるアパートで、二棟並んで立っている手前の一階の部屋。8畳ほどの長方形のワンルーム、リビングに小さなキッチン、奥にお風呂とトイレ、それだけ。布団は敷きっぱなし、「換気しよう」とすべての窓を開けていた。

どちらかの部屋、解約しようかな。
もうすっかり向こうに住んじゃってるし。

そんなところで目が覚めた。
今自分がどこにいるかわからなかった。
マンションのほう?いや、違う。ここは木更津の里山の、築60年の古い民家だ。子どもと夫がスースー寝息を立てている。

木更津に帰らず都内に住み続けた道
結婚しなかった道
子どもを産まなかった道
数々の道がある中で、その都度選択のタイミングはあったものの、押し流されるようにやむを得ず泣く泣く歩んだこともあった。計画や予測は意味をなさず、変化は強引で、すべてを覆してしまうこともある。

どの道が良い、悪いなんてなくて、皆それぞれ自分で決断したり振り回されたりしながらも、後々振り返って「想像していたものとは違ったけど、こんな人生もなかなか悪くなかった」そんな風に思えたらいいな。

何を呑気なことを!
と感じてしまうのは、平穏でない証だな。

今、刻々と大きく変化する世界の様子に、これはもしかするとウイルスを甘く見ていたかもしれないと考えを新たに情報収集しています。どうか、自分も周りも誰の命も奪われず、収束を迎えられますように。医療の現場、最前線にいる方々に最大の敬意を。
ありがとうございます。

愛を込めて。

松本佳奈

※追伸
新アルバムのクラウドファンディング、始めました。4月末まで。開始1日めにして沢山の方が参加してくださり、嬉しい!ありがとうございます。コツコツ作ります。

□軽やかなエッセイを綴るようにCDをつくる。松本佳奈 6thAlbum『私の日常』制作プロジェクト

https://motion-gallery.net/projects/matsumotokana_6th

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