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自分の中の嫉妬が、他人の嫉妬を引き寄せる

こんにちは、松本佳奈です。
未消化の課題についての記事がたくさん反響あり、やっぱり文章におこすのは大事だな。そして幼少期の家族との関わりって長く長く影響するんだなと、いただいた感想を読んでしみじみです。

さて今日は、お金の問題と共にもう一つ私が抱える根深い課題。それは「嫉妬」についてです。

思い起こせば小学校の時。好きな人ができると必ず強烈なライバルが現れて、「あんた、◯◯くんのこと好きらしいけど、◯◯くんはあんたのことなんか全然好きじゃないから!」と釘を刺されたり

親友と同じ人を好きになって「私が先に好きだったのにひどい。絶交!」と激怒されクラスで村八分になったり

やはり同じ人を好きになった女の子に校門で待ち伏せされ、花壇に植わっていた花を引っこ抜いて投げつけられたりした。

高校生になると「もう恋愛が元で友達に嫌われるのがいやだ」と思い、気付けば好きな人と友達の間を取り持っていた。二人が仲良さそうに下校したり目の前でキスするのを見て「はぁ…私は何をしているんだ…」と思うと同時に、思えば少しホッとしていた。

好きな人がいて、でもその好きな人は別の人と付き合っている。そのことに安心する。

それからも、好きになる人には必ずと言っていいほど彼女や関係の切れない女性がいた。どうしようもない浮気性な人やキャバクラ通いをやめられない人とも付き合った。想像を絶する浮気、ドラマのような浮気。そしてそこに関わる女性からの攻撃。

私は疲れていた。離婚まで経験し、もう出家しようと半ば本気で考えていた。内観する中で考えたのは、「何かおかしい」ということ。「登場人物は変われど、こんなに同じパターンを繰り返すのはおかしい」「私の中に原因があるんじゃないのか」「私が嫉妬を引き寄せているんじゃないのか」と。

31歳のとき、父が腸閉塞で突然亡くなった。生まれてからすぐに両親離婚したため、一緒に過ごした記憶のない父だった。20歳を越えて、音楽事務所の詐欺に遭ったり心ボロボロだったとき、母に連絡先を聞き初めて自分から父に会いに行った。それから10年ほど、年に一度くらいは話をする機会があった。
父には新しい家族があり、幼い娘さんもいた。私はどうしても父のことを「お父さん」とは呼べなかったし、敬語で微妙な距離感を持ったままだった。そこに横たわっていた気持ちはなんだろう。

わたしは選ばれなかった側の人間だ

言葉にするとそんな感じなのか。別に父が私を選ばれなかったわけではないし、親の離婚原因に関して詳しくは聞いていない。だけど私の根底には「私はこの人の中で一番ではない」「私は選ばれていない」という感覚が確かにあった。じゃあ元気でと手を振って今の家族の元に帰っていく父を見て、あの人は私のお父さんではないのだと思った。その気持ちを言い表すのはちょっと難しい。

「ご家族で召し上がって下さい」とシュークリームの詰め合わせを渡すことは、好きな人と友達を取り持つ気持ちに近かった。

父が亡くなってから、私は誤魔化せない課題にぶつかる。

「お父さんに甘えたい」

私は甘えたかった。それに尽きると思う。
でももう父はいない。この未消化の気持ちを抱えたまま生きていくのだと思った。

その時、過去の恋愛たちの謎がするすると解けていった。

私の根底には絶対に開かない蓋をした大きな「嫉妬」と「恐怖」があり、それが他人からの嫉妬と恐怖を引き寄せていたのだと。

それは、好きな人が自分より大切な人のところへ帰っていく嫉妬と恐怖だった。

「お父さん行かないで」
なんて言っても何も意味がないことはわかっているし、たまに会うから良い関係を保てるのであって、毎日一緒に暮らすのは全く別のこと。感傷に浸って、ばかみたいだな。悲劇のヒロインぶるのもいい加減にしろよ。

「あきらめるしかない」
そんな声が聞こえる。
だってあきらめる以外に道がない。

泣いたって叫んだってどうにもならないことはある。

そうやって静かに静かになにかをしみじみとあきらめるとき、周りを見渡せば、何かを諦めざるを得なかった人たちが見えてくる。どうにもならないこと、叶わないことも含めて、完璧に世界はできている。あきらめたからこそ気付き、他人を理解し、優しくなれることもある。新しい物事との出会いがある。

気持ちが向かない間は休めばいい
無理に前に進まなくていい
悲しかったな、悔しかったな、ほしかったな
その叶わなかった気持ちを正面から見つめて味わい尽くしたとき、自然と「もういいか」と思えるタイミングが必ず来ると確信している。

私は泣きたかったし、叫びたかった。
「いやだ、行かないで!」と思い切り駄々をこねたかった。そんなこと絶対にできないと思っているからこそ、好きな人の彼女たちから泣き叫ばれたり、激怒されたりしてきたのだ。彼女たちの姿は、私がなりたい理想の姿だったのだ。

それがこの数年で私が感じたこと
そして今も消化中の出来事です。

書くことで心の整理を。
そして風を通します。
ここまで読んでくれてありがとう。

愛を込めて。

松本佳奈

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