eスポーツ大会を開催するということ

先日、熊本県で開催を予定していたeスポーツ大会が何かしらのクレームによって中止になったということがありました。
主催者の方のSNSの投稿からすると、IPを保有するメーカーからクレームがあったと容易に推測できます。

ことの経緯をTwitterなどから推測するに

主催者:
某有名IPゲームの大会をやります!!しかも賞金付きで!!
ちなみに個人主催です。

メーカー:
ん!!賞金付き大会!?
個人主催!?
この大会についてなんか聞いてる?
あ!?
この主催の人、会社経営者だ。
ってことは、個人主催は隠れ蓑で会社の宣伝とかに使うのかもしれない。
ちょっとこれはまずいなー。
問い合わせしてみよう。

主催者:
●●から連絡来たー!!
え!?賞金付き大会、ダメなの!?
え、大会もダメなの!?
営利目的じゃないし、いいじゃん!
返答しとこう。

メーカー:
んー、まあ返答がきたから改めて検討してみるか。
ん!?個人主催と謳っていても、この賞金ってどこから出てくるの?
個人、会社?
あやしいな・・・。
こういう前例を作ると他も出てくるし、今公式にやっているところからもクレームがくるかも。
ここは中止を要請しとこう。

主催者:
え!許諾とらなきゃ、大会やっちゃダメなの??
賞金付き大会もやっちゃダメなの?
じゃあ、許諾ください!

メーカー:
じゃあ、契約しましょうか。
ただし時間かかるから、今回の大会には間に合いません。

主催者:
えー!!マジ●●さん、勘弁して・・・。
どうしよう・・・。
・・・。
・・・・。
・・・・・。
メーカーを敵に回したら、もう大会できない。
今回はあきらめよう。(恨み節)

という感じではなかったでしょうか。
※上記はフィクションです。あくまで空想で書いたものです。
フィクションです。
ですので、事実とは異なります可能性は大いにありますので、本件についての何かしらの問い合わせをいただいても、お答えいたしません。

さて、eスポーツ大会を開催するにあたり、賞金問題も重要ですが、ゲームメーカーのIPを使うことが前提です。
いうまでもなく、IPの権利者はゲームメーカーですので、ゲームメーカーの意に沿わないIPの使用は、認められないわけです。

今回はゲームメーカーの意に沿わなかったのでしょうか。
大会を開催するということは、メーカー側にとっては本来嬉しいことです。
ゲームファン同士の交流が活性化すれば、IPとの結びつきが強くなり、ゲームソフトの販売促進やIPを使用したグッズの売り上げにつながる可能性があります。
ですので、”本来であれば歓迎”すべきことです。

では今回の場合、何が問題だったのでしょうか。

このIPを持つゲームメーカーは、公式サイト内で明確に「禁止」を打ち出しています。
ただ、事前に連絡を入れれば、何かしらの回答をしてくれるとも書いてます。
つまり、状況が揃えば大会開催の許諾される可能性もあるよということですね。

今回の問題点は、主催者がこのゲームメーカーの規定を知らずに大会を企画したことです。
よくよく調べれば、大会を開催するにあたり、独自のガイドラインを設けているメーカーもあります。
しかも告知や賞品の提供までしてくるということまで。
昨年から大会ガイドラインを打ち出すゲームメーカーも多くなってきているので、大会開催を予定している皆さんは、一度ゲームメーカーの公式サイトを確認するか、ゲームメーカーに直接問い合わせを入れるようにしてみてください。

ゲームIPはいくら商品を自費購入しても、物としての保有する権利はあるものの、著作権はゲームメーカーに帰属します。
ゲームを購入するということは、ゲームメーカーのIPをお金を払って使っている、借りているに過ぎないわけです。
ゲームメーカーにとってIPは命です。
それを無断で使用されることは、IPが潰してしまう行為だと私は思います。
少し過激な書き方をしてしまいましたが、ゲームメーカー側も基本的には性善説でものごとをとらえてくれます。
大会を企画している方、法人の皆さまは、ぜひそのことを覚えておいていただきたいと思います。


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