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もかと歩いた旧線路跡

今の家に越してきて漸く落ち着いたかな
というある日、ハイキングコースになっ
ているという旧線路跡を一駅分程歩い
てみることにした。暑くなるのも人が増えるのも好きな方ではないので、少し早起きして、私の分は顔ぐらいの大きさ、もかの分はぶどう粒程の大きさの
を3つ、おむすびを作り、それぞれのリュックに詰めた。そう、もかは私のよ
り良いOUTDOORのリュックだった。
あんまり可愛くて、ペットショップで
買ってしまったのだった。またこれが
似合うもかは本当に可愛かった。

さて、出発!となった。何とまぁ、既
にハイカーはそこそこの人数が私たちの
前を歩いていた。右側は山と川、ひた
すら廃線跡を歩いて行った。良いお天
気で、汗もうっすらかいた。もかはまだ
若く、歩くのが大好きだったから、河原の石の多い道をてくてくと歩いた。
トンネル跡は薄暗く寒かった。もかは
少し怖かったのか、歩みが少し遅くな
った。だいぶん歩いていたので、持って
きていた布のキャリーに入れて私がてぼてぼと歩いた。日差しが眩しかっ
た。もかは、楽ちんして周りをキョロキ
ョロして面白そうだった。通り過ぎる人
たちに「可愛いねー」「頑張るねー」
と言ってもらい、とても嬉しそうで、私
も嬉しかった。
2時間は歩いただろうか、ゴールして、
お昼ご飯にした。腰掛けられる大きな
石を見つけて、もかを下ろした。もかのリュックからお弁当を出し、私も自
分のリュックから出した。もかから。
ちょうどいいサイズのおにぎりを、美
味しそうに頬張るもか。そして、顔サイ
ズのおにぎりにかぶりつく私。
気持ちよかった。お水も忘れず飲んで、
一息ついて。来て良かったと思った。

大好きなもかはもういない。去年の11月24日に天使は本当の天使になった。
小さいもかがいなくなった。

1年経つのにまださみしい。愛おしい。
会いたい。でも、私は悪人だからもう
二度と会えないだろう。

さみしい。
さみしい。
もっと大切にしたかった。

ごめんよ。
ごめんね。

ずっと心の中も声を出しても呟いてる。
ずっと。

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