【集客施策編】国内最大級のハイクラス転職サイト「ビズリーチ」について調べる
前回は基本的なことを調べたので、集客について調べてみます。
一応サービスのビジネスモデルの大枠などはまとめましたので、良ければどうぞ。
組織的な繋がりについて(前提)
基本的には、集客をフェーズ分け→組織ごとに担当する考え方で運用しているそうです。ただし、顧客対応などは単純に縦割りできないので、Salesforceなどのツールを利用して情報共有など、横のつながりも仕組み化されています。
またビズリーチ を調べていく中で「デジタルマーケティング」「インハウス」というキーワードがよく出てきます。特に「日本最強のデジタルマーケティング集団を作っていきます。」という意思を社外にも発信しており、機動力強くPDCAを回すために、インハウスを意識していると感じました。
また数々のiTツールを導入し、部署同士の連携・効率化を進めています。代表的なものとして2011年頃からSalesforceを導入しています。詳細は下記にありますが、現在ではMAなどにも利用されているようです。
集客について
ビズリーチは一種のマッチング事業なので、リクルートのリボン図のイメージがわかりやすいと思います。今回は「集める」の部分を調べたいと思います(「動かす」「結ぶ」の部分は、別途書きます)
ちなみにですが、リボン図では単純に「カスタマー、クライアント」が注目されがちですが、プラットフォーム自体の認知度・信頼度も大事だと思います。これらの有無を考えると、あった方が利用者のハードルは間違いなく下がると考えられます。
これからはプラットフォーム自体のPR・各セグメント向け集客施策についてみていきます(指標などは次回以降予定)
ビズリーチのPR事例(サービス認知向上)
ビズリーチでは、こちらの記事であるように「新しいムーブメントや文化を創り出す」「事業を加速させる」などの企画がありますので、紹介していきます。
事業自体が新しい市場を作るタイプの性質なので、そもそもの認知を広げていくところから必要になってきます。
またこうした実績を元に文部科学省への提案もおこなっています。過去事例の中に経済産業省の「空飛ぶクルマ」プロジェクトなども掲載されており、成功事例を作り、横展開していく勝ちパターンがありそうです(定番)
転職希望者向けマーケティングについて
ビズリーチでは、サービス特性上非公開求人が多く、特にユーザー側ではSEOが期待しにくいという集客的に難しいポイントがあります。そのため、他サービスと比べると広告・PRなどがより重要になります。
サービス初期(2011〜2012年頃)
多数の媒体を使っていましたが、特にFacebookのページポスト広告が効いたようです。またインハウスで高速PDCAを回し、カスタマー側の新規獲得をしていたそうです。
こちらの記事によると、特に「年代、在籍企業、大学」などをセグメント設定で重要視し、各セグメントによってクリエイティブを細かく分けて、テストしていたようです(記事だと、半年で約200パターン)
サービス中期(2015年頃)
潜在顧客層へのアプローチで、Yahoo! DMP・Yahoo!プレミアムDSPを活用した事例が公開されています。記事にも記載ありますが、既存手法で獲得した会員に比べてスカウトメールの受信率は1.4倍、一人当たりの受信数は2.4倍になり、非常に効果があったようです。
ポイントと思われるところ
もう一つが「BizHint」という会員制オウンドメディアです。求人企業側の施策でもあるのですが、会員・案件獲得コストを抑えたいという背景もあるようです。
(出典:370億通の配信データが明らかにする、最新メール活用法)
あくまで「ビズリーチの集客のためのオウンドメディアではない」とのことですが、ある程度は活用しているのではないでしょうか。
その他事例
(その1)ビズリーチ創業10周年プロジェクト
こちらの企画ですが、下記のように狙っていたTwitter以外にも転職希望者と接点がありそうな媒体に取り上げられ、認知・新規ユーザー獲得などに効果があった可能性があります。
(その2)女性経営幹部募集の事例( PR)
(出典:ビズリーチのプレスリリースより)
求人企業向けマーケティングについて
前提として、企業の採用方法が以前のように転職サイト経由だけでなく、多様になってきていることがある。
その上で、求人企業向けで一番注力していそうなTVCMから見ていきます。
2016年2月〜現在まで「即戦力採用」「ビズリーチ 」のキーワードを強く訴求しているシリーズです。
CM開始時は下記のような課題感があったようです
ちなみにサービス初期は、元々ダイレクトリクルーティングの文化に馴染みのある外資系企業が多く、日系企業での利用が進まない課題があったそうです。
特に人事担当者に理解してもらえないケースや稟議でうまく決済が降りないケースがあり、正面からアプローチできない決裁者への認知アップを狙った施策だったそうです。
ただし、営業やセミナー、PRといった認知の基盤となるアクションをまだ打てていなかったエリアについては、ほとんど効果が見られなかったそうですので、TVCMでも効く条件があると考えられます。
またTVCM出稿にあたり、2018年にマーケティング部の方が「設計」「体制」「生産性」の重要性について話しています。
個人的に効果計測・クリエイティブ、下記のような体制分けのあたりが参考になったので、もしよかったら記事を読んでみてください
また求人企業向けに2014年よりダイレクト・リクルーティングのアワードを開催しています。記事を見る限りですが、取り組みや成果共有がされ、ナレッジシェア・文化の定着などを促進しています。
定番の事例、ホワイトペーパー、セミナーなどももちろんやっているようです。所感ですが、事例の検索軸(特に課題)の部分に勝ちパターンの方程式がある感を伺えます。
ちょっとした点ですが、ダウンロード前に所属企業情報などの入力が必要なのですが、メール署名で設置できるのはダウンロード率改善に地味につながっていそうです。またビズリーチ経由だけでなく、BizHint経由でも取得できます。
セミナーについても、東洋経済ONLINEさん、Forbesjapanさんにも出稿されていました。またコロナ影響もあり、現在はオンラインセミナーで対応されているようです。
ヘッドハンター向けマーケティングについて
こちらはあまりネット上に情報がありませんでしたが、求人企業向けと同じく、「ヘッドハンター・オブ・ザ・イヤー」を主催しているようです。
こちらは転職支援の実績を元に表彰されるもので、総合MVP・各業界MVP・会員満足度などの軸で選ばれます。想像にはなりますが、こうした実績による評価だと、受賞したヘッドハンターに求人を依頼する企業などがあり得るの可能性もあります。
ちなみに受賞したヘッドハンターはサイト上で実績が可視化されるので、転職希望者からの信頼を得やすくなり、サービスを利用する動機になりそうです。
また企業向けのTVCMもヘッドハンターへの集客効果があると思われます。
(理由その1)TVCMをヘッドハンターも見ている
(理由その2)基本は成功報酬型なので、転職希望者の繋がりを持ちたい(人材との接点を持ちたい)
まとめ:観察して感じたこと
今回調べてみて感じたことをまとめてみます。
(1)マーケティングプラン、実行組織、共有・連携の仕組みが必要
(2)初期プレーヤーの優位性
(3)パワーバランスによるビジネスモデルの変化
(出典:プレスリリースより)
(4)ビズリーチならではの営業方法(求人企業側)
(5)ダイレクト・リクルーティングの文化を広め続ける
※ビズリーチは2009年からダイレクト・リクルーティングサービスを提供していますので、市場開拓の時間のかかることが良くわかります。
-----------------
お読みいただき、ありがとうございました。
自分なりに調べてみましたが、もし何かの参考になりましたら、幸いです!
最近人材サービスに興味があるので、興味のある方はフォローいただけますとありがたいです!
(終)
いただいたサポートは、noteでいいなって感じた記事のサポートに使います🎉🎉🎉