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DVD市場での幕開け2

  映画も、セル市場向けに、ゴタールの旧作や、ヤン·シュバンクマイエルなどのアートアニメが、外資系CDショップや青山ブックセンターなどで売れはじめた。
 塩漬け作品のMG(ミニマムギャランティ)の償却も進んで、部門の損益も改善されてきたので、レンタル市場は完全に撤退せず、自分で全国のレンタル卸チェーンの会議を回って、アジア映画やビデオストレート作品など細々と続けていた。3人しかいないセクションなので、自分は宣伝を含めたマーケティングで動いて回るようになったのだ。ヒット作品がない弱小ビデオメーカーなのに、各地で本当にお世話になった。特に、熊本のTさん!ありがとうございました。

 そんな中、ダリオ·アルジェント監督の『SLEEPLESS』は高値で押さえていた会社が経営悪化で手放したらしいと聞いた。2年前と同じカンヌで、マーケット試写をやっている。ダメ元で、役員会に掛けなくていい金額で、オファーしたら、やれることになった。
 部下のOくんは、だったら劇場配給もウチでやりましょうと言ってくれて、新宿武蔵野館などで上映した。レコード会社のPLでは評価されにくかったけど、結果として、十分黒字だったのではないか。契約書にはゴブリンのサントラも付いていたけど、社内の洋楽のセクションに訊いたら、輸入盤で手に入れるから難しいとの返事だったので出さなかったけど、後で超マニアックにやればよかったと後悔した。

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