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2021年最大のありがとう ウーバー配達員を続ける理由が見つかりました

これから書くことが
どれだけの人にうまく伝わるか分かりません。

でも、少なくとも僕にとっては
とても嬉しく、心を揺さぶられた出来事でした。

僕は去年12月からウーバー配達員をやっています。

昨日の夜9時近く
僕は南千住4丁目のあたりで、やりきれない思いを抱え
雨の中に佇んでいました。

ウーバー配達をしていると、よくあることです。

南千住4丁目は、東京のスラム・南千住の中で唯一のお金持ちエリア、
巨大なタワマンがいくつも建っています。
そんなお客さんからの注文でした。
梅島から南千住へ、
小雨が舞う中、5.3キロの道のりを走りました。
結構タイヘンだったんですよ。

でも・・・
こちらを一度も見ることもなく、
ありがとうの一言もなく、
扉は冷たく閉められました。

よくあること
よくあること
よくあること

そう言い聞かせましたが、何度味わっても慣れないものです。

すっかり心が折れてしまい帰宅にすることにしました。

1件だけあったチップ

帰りながら
何とはなしに、
ウーバーのアプリで、今日の売り上げページを見ていました。
そこで気づいたんです。

チップ  ¥386

お、チップをくれた人がいたんだ。
正直、珍しいと思いました。
最近、世間はますます不景気です。
以前と比べてチップをくれる人は減りました。
1日中、走ってゼロという日も珍しくありません。

どの注文だったんだろう?
リザルトを調べてみました。

19時前に西新井で受けたラーメンの注文でした。
走行距離は1.6キロ、
そんなに長い距離じゃありません。

どんなお客さんだったっけ・・・

ちょっと考えて思い出しました。
思い出した途端、
さっきまで冷え切っていた心がポカポカと温かくなりました。

そのマンションはちょっと分かりづらい場所にあって
「追記情報欲しいなあ・・・」とブツブツいいながら
ラーメンを持って階段を上りました。

インターフォンを押すとちょっと間があり、
扉が開きました。

30代ぐらいの男性が立っていました。
「ありがとうございます」と言いながら右手を前に。
その動きに少し不自然なものを感じました。
そこで僕は初めて目線を上げて彼の顔を見たんです。

あ。

この人、目が不自由なんだ。

ようやく気付き、
彼の右手首にひっかけるようにラーメンを渡しました。

障がい者の方に配達をしたのは2度目です。
一度目は車いすの女性で、
玄関の三和土の椅子の上に置いて下さいと言われました。

でも、目が不自由な人に届けたのは初めてでした。

障がい者にとってのコロナ禍

僕ら健常者でも参ってます。
障がい者の方はもっと大変だろうなと思います。

雇用だって減っているでしょう。
テレビはずーっとネガティブキャンペーン、
正しい情報を手に入れるのも大変ですよね。
このご時世、外食だってしづらいです。

それでも
束の間の贅沢、美味しいラーメンを家で食べたい。
そう思ってウーバーを使ってくれたのでしょう。

ウーバーは決して安くはありません。
この配達の配送料は400円近くかかっています。

それなのに、386円って。
配送料と同じぐらいのチップをくれたんです。

1.6キロしか走ってないのに
場所が分かりづらいとかブツクサ言っていたのに
決していいサービスを提供できたワケじゃないのに

それでもチップをくれたということは、
多少なりとも僕の配達に感謝してくれたんだろうか。

ラーメンが美味しかったんだろうか。

そう思ったら
嬉しいやら、情けないやら、
色んな感情がないまぜになって、
帰り道、自転車をこぎながら涙が滲みました。

ありがとう。

ありがとう。

あなたのおかげで明日からも配達頑張れます。

あなたのようなお客さんがいる限り
ウーバーやります。

最後にもう一度。

ありがとう。


読んで頂き ありがとうございます!




これでまた、栄養(本やマンガ)摂れます!