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TRANSMISSIONS / STARSET

アメリカのSF・オルタナティブ・メタルバンドの1st(2013)

結構幅広くアンテナを張っているつもりでも、既にある程度の人気やポジションを確立していながら初めて聴くバンドが出てくるものだ。

本国アメリカではこの1stの時点でラウド系チャートを席巻し、初来日がL'Arc〜en〜CielのHydeのサポートアクトだったことから、日本でもかなりの認知度があるらしいこのバンド。

オハイオのDOWNPLAYというバンドのVo.ダスティン・ベイツがSFとメタルの融合を掲げ、コンセプトやバンドの設定も荒唐無稽なSE小説やアニメのような感じに仕立てており、アー写もダスティン以外は宇宙服を来て、バンド名を冠した"スターセット結社"という秘密結社の物語となっているようだ。



これだけ書くと単純にピコピコSEとメタルを融合させた音楽性にチャラめのアッパーさを足したようなバンドに思うかもしれないが、その実は全く逆だ。

メタルがベースにあるか?というと、どちらかと言えば王道メタルのサウンドではなく、生々しさの薄いアメリカのニューメタル、オルタナティブ系のラウドミュージックが基本となっている。そこにSF系のシンフォニックだったりデジタリーだったりのSEを全編に導入していて、ダスティンのVo.の声質も含めて、まさに"エモい"という言葉がぴったりのバンドだ。

アルバムとしては「はやぶさ」のような宇宙船に乗って宇宙空間を旅しているような感覚に浸れる雰囲気で、敵と戦うとか困難に立ち向かうSFではなく、惑星内のさまざまな星に立ち寄りながら展開する宇宙空間旅行というのが自分では一番しっくり来る表現だ。

一部では"シネマティック・ロック"とも呼ばれており、あまりガチガチにダイナミックでアグレッシブなメタルを意識して聴くと肩透かしを食らうので、プログレのコンセプトアルバムを聴くような心構えの方がすんなり入れるだろう。

2ndはDjentの要素が加わり少しアグレッシブな要素も入ってくるらしいので近々届くのを楽しみにしたい。

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