ザ・ヒストリー・オブ・シカゴを観て
録画していたChicagoのドキュメント作品鑑賞
なかなか興味深くもあり、あまり知りたくなかった部分もあり、50年続くバンドの美談のサクセス・ストーリーではなく、生々しく赤裸々に語られるリアル・ストーリーでした。(ただし、今残っているメンバー主観での)
自分は中・高校生の頃にTOTOからAORの派生でシカゴを知ったため、いわずもがなデビッド・フォスター・プロデュース期の「素直になれなくて」「スティル・ラヴ・ミー」などが自分の中での"シカゴ"でしたし、CDを持っているのも「シカゴ16」以降でした。
いわゆる"ブラス・ロック期"のChicagoは
「サタデー・イン・ザ・パーク」などベスト盤程度の曲しか聴いていなかったので、本作でオリジナル・メンバーによって分厚く語られる初期の活動の様子や出来事は逆に新鮮でしたし、自分の中での"シカゴ"だったD・フォスター期が黄金期の一時代ではあるものの、カンフル剤にして副作用も強い劇薬、バンドに不協和音をもたらした異質な時代であったことも分かる内容は、これまでの見方が覆るほどショッキングな内容でした。
先にも書きましたが、ロバート・ラムやジェームズ・バンコウらオリジナルメンバーかつ、現メンバーのインタビューが中心なので、辞めたり解雇されたメンバーの話はどうしても一方的になっているとは思います。
ただ、ピーター・セテラはVTRを使うことには同意したようですが、インタビューは古いテレビのインタビューの流用1回のみでの出演。
ビル・チャンプリンに至ってはインタビューを拒否したことや理由が重々しくテロップのみで語られ、恐らく過去のインタビュー映像の使用も拒否したため、ビル単独の映像は無し。
これらChicagoの歴史に欠くことができない、メインボーカル2人が制作に協力しなかった事が、バンドの歴史の紆余曲折を浮かび上がらせているようで、メンバーが随所で語る「良い事も悪い事もあった」が大袈裟でも何でもなく、リアリティを持って伝わる内容になっていました。
また、全く別の部分で興味深かったのは、若くして銃の暴発事故で亡くなったオリジナルメンバーのギタリスト、テリー・キャス。
初期のChicagoがジミ・ヘンドリックスとツアーを重ねていたことや、そこでのジミとメンバーの交流。そしてメンバーがテリー・キャスの才能とジミを重ね、認めていたために、彼の死後に難航した後任人事の話は非常に興味深かったです。
改めて初期作をアルバム単位で聴き、改めてChicagoの歴史を音源で振り返りたいと思います。
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