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Is Anybody Listening / OUSEY-MANN

HeartlandのVo.クリス・ウーズィと
MSG,Lioheartなどで活動しているGt&Keyスティーヴ・マンによる新ユニットのデビュー盤。

この盤、なかなかにクセ物にして実に味わい深い作品だ。
#1 の導入部こそモダン・ハードロック的な展開を予感させるが、その#1もAメロ以降・・そしてその後アルバム中盤を越えても心の琴線に触れてくるのは"どこかMSGぽい〜"という本家を知るが故の安心感と、しかしパクリフレーズやオマージュで安っぽさを醸し出す訳でもない良質な楽曲群だ。

絶妙にMSGのアルバムに入っていそうな楽曲といえばそれもそのはずで、スティーヴはロビン・マッコリー期のMSGに在籍していただけでなく、Michael Schenker Fest以降現在までの直近でマイケルのバンドメンバーであるし、プレイだけでなくソングライティングにも関与しているので、ある種直近のMSGソングスのテイストを知り尽くしている1人と言えよう。

そんなMSGライクな楽曲に合わせられたVo.クリス・ウーズィがこれまたマイケルがあまり選ばない"クセが少ない"タイプで、
しかし歴代MSGシンガーではスティーヴが在籍していた期のロビン・マッコリーが一番近いという、絶妙なラインを狙ったかのような組み合わせだ。

少しブルージーだが素直なクリスの歌唱はすんなり楽曲の良さに馴染み非常に聴きやすく飽きにくい印象を受けた。

アルバム後半の#12あたりはシンセが主導していくMSGぽくない曲、ラストの#13はハモンド➕豪快なシェンカー Likeなギターのヴァースと爽やかライトなサビのコントラストが映えるオリジナリティ溢れるナンバーで締めるなど、MSG的な空気感で終わらせないラスト2曲の配置に心憎さとバンドの気概を感じた。

そういう意味での冒頭に書いたクセ物にして味わい深い作品ということで、現行MSGの雰囲気が好きなリスナーや一般的なハードロック、メロハーファンにも訴求力のある好盤だ。

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