インターネット・コミュニケーション論no.13
関西大学社会学部「インターネット・コミュニケーション論」の第13回の授業内容です。(約9,500字)
今回のテーマは「旅する」です。旅行、観光は都市のメディア環境から切り離された活動と思うかもしれませんが、鉄道や飛行機など移動、ガイドブック、観光という行為もまたメディアと密接に関わっているものです。また2000年代以降のインターネット、モバイルメディア、ソーシャルメディアは旅行や観光のあり方にも大きく影響しました。こうした「旅する」についてメディア・コミュニケーションの視点から考えてみたいと思います。
マス・ツーリズムの展開
産業革命を受けて19世紀の後半にはヨーロッパを中心に鉄道網が整備されていきます。そのなかでトーマス・クック社はパッケージ・ツアーを開発し、多くの人々が観光することを可能にしました。そうしたなかで観光はひとつの産業として成長していきます。
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