輸入元フィネス試飲会速報

6月10日月曜日に輸入元フィネスさんの試飲会に参加してきました。速報とタイトルをつけつつもう数日経ってしまいましたがワインご購入の参考にして頂けたらと思います。
今回の5月新着ワインはブルゴーニュの2022年物を中心に、少し2021年が混ざった感じで、フィネスさんの試飲会だとブルゴーニュがほとんで新着ワインのお披露目となると同じビンテージが続き、最近では少ないけど酸味が際立った年のビンテージの試飲会は口が疲れてきますが、今回の2022年はどちらかというと甘味の方が際立っているので試飲は楽でした。途中に2021年の軽やかさと酸味があるワインが試飲できたのも口がリフレッシュできてちょうどよかった。
2022年は天候の良さを反映して果実味とボリューム感ありつつも強すぎない感じでバランスが良く、赤は2012年をもう少し濃くしたような、2016年が近い感じ。白はちょっとの甘味、酸は果実味に溶け込んで早くから楽しめる印象でした。

【アラン・マティアス】
シャブリ 2022 白
ブルゴーニュ トネール コート ド グリゼイ 2022 白
シャブリ 1級 ヴォ ド ヴェイ 2021 白
ブルゴーニュ エピヌイユ トラディション 2022 赤
2022年は最近の暑かった年のシャブリの典型みたいな味わいで、ゴールデンデリシャスのような林檎の果実風味に酸がそのボリューム感に溶け込んんでいる、というより控えめで飲みやすく昔の酸っぱいシャブリが懐かしい。
一方1級ヴォ・ド・ヴェイは21年で酸があるので非常に好印象。店頭で一般の方に売るには22年が売りやすいですがソムリエさんは21年が好きそうです。安心してください21年もタプーりあります。


【セラファン】
ジュヴレ シャンベルタン ヴィエーユ ヴィーニュ 2021 赤
「ジュヴレとはこうあるべき」
マツキヤの大好きなセラファンが帰ってきました!
2006年に蔵に伺った時はまだ現役で好々爺然としつつもブラインドではひねったワインをだすようなお茶目なクリスチャン・セラファン、2016年に伺った時はもうラベル貼りのお手伝いだけでちょっと背中が寂しそうでしたが造りに関しては代替わりしていまいました。ジュヴレ・シャンベルタンと言えばセラファンと私の中のお手本のようなワインで大好きな生産者ですが、やはり造り手が代わるとスタイルも変わるもの。近年は少し寂しい思いもありましたが、今回の2021年は往年のセラファンの味わいになったような出来栄えで、濃さは適度ですが複雑で妖艶な香りは素晴らしく、セラファンはやっはりオフビンが上手いと再認識!


【メオ・カミュゼ】
ブルゴーニュ オート コート ド ニュイ クロ サン フィリベール 2022 白
ブルゴーニュ コート ドール エチエンヌ カミュゼ 2022 赤
フィサン 2022 赤
ネゴシアンブランドのF&Sについて、買いブドウの価格が異常な値上がりで、いくつかのキュヴェ(シャンボールのレクラやニュイのペリエールなど)生産を断念したようです。ACブルゴーニュも2022年が最後、スゥドは本当に少なくほぼ幻のようなレベルの入荷本数だとか(マツキヤ割当てなし)
クロサンフィリベールは大体イメージ通りの印象。ややトロピカルな果実の香りに樽熟に由来するスパイシーな風味の調和、やや酸度は低めですぐにでも楽しめる印象。
エチエンヌは複雑な香りの村名以上の風格でこれは是非1本購入頂きたい逸品!フィクサンは直線的な果実の風味の例年通りの味わいの印象。


【エマニュエル・ルジェ】
ブルゴーニュ オー ト コート ド ボーヌ 2022 白
ブルゴーニュ パストゥグラン 2022 赤
今回の新入荷は上位アペレーションは2021年だけど出典は2022年の低位アペラシオンのみ、マツキヤの入荷本数を見ても本当に少ないので、そこは1本でも多く消費者様に楽しんで頂い方がいいでしょう!
白はイメージ通りで果実感が充実して酸度がやや低め、個人的にはそれほど熟成させずに果実味を楽しんで欲しいです、赤は忖度なくパストゥグランでもやはりルジェと行った感じで美味しいです。強すぎない果実味、適度なバランスで強過ぎず酸も綺麗でまとまりがある。


【シュヴィニー・ルソー】
ブルゴーニュ ルージュ 2021 赤
ブルゴーニュ ルージュ 2019 赤
ニュイ サン ジョルジュ 2018 赤
フィネスさん取り扱いの中では比較的新しい生産者。色調は濃い目でも味わいに軽やかさ、ミネラル感を感じる造りが印象的。2019年だと流石に樽感もありますが基本的には高い新樽率を感じさせないエレガントな造りの生産者。飲み頃になってから出荷されるため毎回ビンテージは変わります。


【クリスチャン・ベラン】
コトー ブルギニヨン シャルドネ キュヴェ デ グット 2022 白
ブルゴーニュ シャルドネ スー ラ ヴェル 2022 白
サヴィニー レ ボーヌ 2022 白
ムルソー レ ティエ 2022 白
ショレ レ ボーヌ ポワリエ マルショセ 2022 赤
ボーヌ ロンボワ 2022 赤
もう何年も扱っているのでビンテージを考慮して試飲すると予定通りの味わい。否定的ではなくビンテージに抗わずそのまま投影されたかのような、白は果実風味が豊かでそれに合わせて樽のスパイス感、酸が溶け込んでいるので早飲みできる印象。
赤は2016年を思わせこのあたりのアペレーションでも熟成させても楽しめそう。2019年はもっと果実風味が全面に出ているので個人的には2016年に近いイメージ。ショレはシンプルな味わいでボーヌは濃さ、複雑な香りで中期の熟成にも耐えられそうで中々好印象。


【ギルベール・ジレ】
ブルゴーニュ アリゴテ レ グラン シャン ヴィエーユ ヴィーニュ 2021 白
サヴィニー レ ボーヌ 2021 赤
サヴィニー レ ボーヌ オー プティ リアール ヴィエーユ ヴィーニュ 2021 赤
モレ サン ドニ コルヴェ クルニーユ 2021 赤
サヴィニー レ ボーヌ 1級 レ プイエ 2021 赤
今回の試飲で最も予想外で感動的だったギルベール・ジレ。すでに投機的になりつつある生産者。
日本に輸出する際にどこの輸入元と取引したらいいか綿密に調査し(フィネスのホームページでどこを扱っているかちゃんと確認し、様々な生産者に相談し本人からフィネスに輸入して欲しいと逆オファー、他国の輸入業者でオークションに流したインポーターがいてそこはすぐに切られたとか)
昨年の2020年物から取り扱い開始。
アリゴテはアルコール11%で軽い感じ、2020年の方がいかつい果実感とエネルギッシュな樽感で個人的には2020年の方が記憶に残っています。11年はソフトで軽く、後味のアリゴテにありがちな辛味に似た苦味が印象的。
赤は色調が明るく透明感があり、香りの高さや複雑さがは別格。謳い文句がジャッキー・トルショーに師事となってますが本当にジャッキートルショーみたい!モレはやはり独特の土っっぽさが少し還元的に感じたので、個人的にはすぐに飲むならサヴィニがお勧め、出店されてた赤では特にプティリアールが良かった。特に寝かせなくてもすぐに楽しめ、早くに楽しんで欲しい。マツキヤの本数が少ないけど、個人的にも欲しいと本気で思った。


【ピエール・ギユモ】
ブルゴーニュ オート コート ド ボーヌ ル モン エ フォレ 2022 白
サヴィニー レ ボーヌ ドゥシュ レ ゴヤルド 2022 白
サヴィニー レ ボーヌ ヴィエーユ ヴィーニュ 2022 赤
今回初入荷。シュヴィニールソーの従業員さんから口利きで、ギルベール・ジル同様生産者からの逆オファーだそうです。ブルゴーニュでは日本の輸入業者ではフィネスが一番というのが定評のようで、いや本当凄い事です。ギルベールジレもサヴィニなのでたて続けになってしまうので迷ったらしいですが、価格帯が違うのでいいでしょうと採用になったそうです。
白はちょっとの甘味、果実味がしっかりしていてほんのり樽香は強すぎない。このご時世で安いとまでは行きませんが手に取りやすく使い勝手がよさそうです。


【フォンテーヌ・ガニャール】
シャサーニュ モンラッシェ 2022 白
ブルゴーニュ パストゥグラン 2022 赤
ブルゴーニュ ルージュ 2022 赤
生産者が静岡に来ていただいて2022年の自身に満ちた味わいは伺っていましたが、ずっと減産だった後の豊作で味わいも充実して陽気で快楽的な印象。
豊かな果実感で白は樽感とボリューミーで酸は控えめ。パストゥグランは試飲の並びが丁度ルジェのパストゥグランの後でしたが遜色なく、
価格も一般的なACブルゴーニュからは全然お安いのでこれはお買い得!
そしてマツキヤには48本入荷しましたので何卒よろしくお願いします!
ガメイのスパイス感に丸みのある、酸も心地よくてバランスの良い
ACブルも未だにこの価格に慣れていないことを除けば安定して美味しい
果実味と樽の印象、酸は控えめでリッチな味わい。


【ヴェルニュス】
レニエ 2019 赤
レニエ レ ヴェルジェ 2021 赤
レニエ レ ヴェルジェ 2019 赤
モルゴン グラン クラ 2021 赤
フルーリー ラ ディム 2021 赤
ムーラン ナ ヴァン レ ヴェリラ 2021 赤
エマニュエル・ルジェの息子ギヨーム氏がコンサルタントとして参画しているボージョレの生産者。2021年が収穫量が少ないので2019年のバックビンテージと共に入荷、2021年はやや閉じている印象も還元的な香りはなくミディアムボディ、チャーミングな果実味が印象的。2019年は素晴らしい!今飲んで果実感を楽しんでもいいですが、後10年程度熟成させても面白そうです。


【シャトー・デ・トゥール】
コート デュ ローヌ 2020 赤
2020年は明るめの色調、例の如く余計なものが削ぎ落とされて、果実味だけが残りましたみたいな何とも愛おしい果実味が堪能できます。


【ディディエ・ダグノー】 
VDFヴァンテアン (2021) 白
VDFレ ジャルダン ド バビロン (辛口) 2019 白
すでに情報が届いているかもしれませんが、2021年は収量が75%減となりやむなく全キュヴェをまおtめてブレンドするという限定キュヴェ(ヴァンテアン=フランス語で21、サンセールはブドウの収穫なし)アルコール度12度。もちろん長熟タイプではありませんが、ダグノーファンとしては是非お試しいただきたい所!ジャルダンセックがどことなくSBらしさがあっていい感じなので今年はこちらを楽しんでもいいかもしれません。