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2022年1月〜4月まとめ

 何だか最近、文章を書く量が減ってしまった気がする。別にサボっているわけではないのだが、商業用の原稿というのは何回も書き直して世に出すため、形になって発信できる文章というのは、トータルで見ると結構少ないのだ。Twitterなんかも、もう少し小説家っぽいことを呟いたら?とよく言われるのだが、これがなかなか呟くことがない。あんまり自作の話をするのもネタバレになりかねないし、そもそも読み手からしても鬱陶しいだろう。必然、ちいかわの話をし続けることになる。(それはそれで鬱陶しいだろと言われればその通りだが……)。
 なのでまぁ、日記くらいは定期的に書いてみるか、という気持ちになってきた。さすがに毎日書くのは大変なので、一ヶ月〜数ヶ月単位を目処に書いていきたい。最近はどんどん記憶が保たなくなってきているので、こうでもしないと自分の人生が虚無に感じられてしまうのだ。

1月

 年明け早々、沖縄(宮古島)に行く。特に理由はなく、暖かいところに行きたかった。

来間島から見た景色。仲良し老夫婦が展望台にいてほっこりした。

 2泊3日で、1日目はソーキそばを食べた後で海底公園に行ったりして、早めに宿に。今回泊まったのは「ラサ・コスミカ」という小さな宿。ポリシーの強そうなオーナーがこだわり抜いているだけあって、外見・内装ともにかなりお洒落で異国情緒に溢れており、非常に良かった。それはそれとして、ホールに並んでいた貸し出し本のラインナップもなかなかパンチが効いていて、これも良かった。(オカルトや新興宗教系の本が充実していた)。

宿、外見。唯一の欠点は全然駐車場がないことか。
まったりした椅子


だいあぱんもにっこり


 2日目はダイビング、3日目はシュノーケリングからの洞窟探検。基本的に、宮古島は海で遊ぶ意外の選択肢がないので海で遊んだ。ダイビングは前にバリ島で一度だけやったことがあったが、その時はまったく説明のないままテキトーなノリで海に落とされたので普通に怖かった。しかし今回はそう言うことはなく、ちゃんと呼吸のやり方から教えてもらえた。ありがたい。
 ちなみに夜は星を見ながらひたすらゲラ直しをしていた。

 さて、正月休みが終わってからは、ずっと忙しかった。月末に厄介な案件があり、それの対応にずっと追われていたのと、家族の体調が悪くなってしまって色々大変だったりした。あと、2月発売の『紙魚の手帖 vol.3』の校了があったので、それでちょっとバタバタしたりもした。ごめん嘘。全然「ちょっと」ではありませんでした。激ヤバでした。

2月

 ずっと忙しかった。なぜ忙しかったのかよく覚えてないくらいには忙しかった。毎日23時くらいに帰宅していた気がする。さすがに原稿を書く余裕はなかったので、次作のための資料をちょこちょこ読んだりしていた……と思ったが、よく考えると百合文芸に出す短編は書いた。えらい。
 受賞第一作である「影たちのいたところ」が掲載された『紙魚の手帖 vol.3』が発売される……のと同時に銀山温泉に行った。前からずっと行ってみたかったので良かった。(ものすごく遠かったが)。思ったよりもこじんまりした温泉地だったので、基本的には一泊するくらいで良いかもしれない。温泉地の入口付近に小さな休憩スペースがあり、そこにポツンと座ってドトールのコーヒー自販機で買ったカップコーヒーを啜ったりすると、旅感が出て良い。

温泉街の様子。橋の上から撮るのが吉。
みんな大好き隈研吾建築
これが部屋の入り口。忍者屋敷か?
リミナルスペース

 それ以外には友人と盆栽を見に行ったり、伊豆ヶ岳に登ったりしていた。あと、トロピカル〜ジュ・プリキュア!の感謝祭イベントにも行った。(着ぐるみショーが良かった)。総じて、忙しいながらもまぁまぁ充実した日々だったと言える。この時までは……。

3月

 記憶がない。仕事がめちゃくちゃになり、死ぬほど働いていた。家に帰るのを諦めて会社の近くのカプセルホテルに泊まったことも何度かあった。(タクシーで帰るより泊まっちゃった方が安いのだ)。


会社の近くのカプセルホテル。すごく寒い。

 朝の5時まで働いて会社の地下で仮眠を取ってまた働いたりしていた。狂うかと思ったが、ぎりぎり狂わずに済んだ。終電の中で疲れた体に鞭打って読む『タコピーの原罪』だけが楽しみだったが、最終回がかなり微妙な出来だったので、唯一の楽しみすら消えてしまった。信じられるのはちいかわだけ。疲れとストレスで体調が限界になり、タクシーに乗ると反射的に吐き気を催すようになった。(特にエンドレスで流れるビズリーチとビーダッシュのCMが無理)。
 しかし、そんな暗黒の日々でも一つだけめでたいことがあった。


今夜は十六夜だね……。

 そう、「魔法つかいプリキュア」放送終了から5年後の十六夜、朝日奈みらいと十六夜リコの再会記念日である。(「魔法つかいプリキュア!」の第49話では、主人公の2人が離れ離れになってしまい、5年後の春、十六夜の夜に再会するという展開がある。現実世界の時間で計算すると、2022年の3月20日がその日にあたるのだ)(諸説あり)。
 当日はあいにく天気が悪く、到底月などは見えそうになかったのだが、オタクの執念が低気圧を上回ったようで、日付が変わるころになって奇跡的に雲が切れ、十六夜の月を見ることができた。感無量とはこのことだが、公園の水たまりに映った月を見ていると、無性に物悲しい気持ちになったのも、また事実だ。ぼくたちはついに、「魔法つかいプリキュア」を追い越してしまった。
 どんなに面白くてもアニメは終わる。そして人生は続くのだ。

4月

 少しだけ仕事の状況がマシになった気がしたが、特にそんなことはなかった。相変わらず終電で帰る日々が続いた。(しかし、流石に泊まり込むことは無くなった)。とにかく、ひたすら仕事が忙しく、精神的にも肉体的にも限界を迎え……人生で初めて髪を染めた。理由はよくわからないが、無性に染めてみたくなったのだ。意外と周囲からは好評だったが、「港区あたりで女の子にお金ばら撒いて飲み会開いてそう」という心無い意見も寄せられた。何より、鏡を見るたびに「茶髪の男ってチャラチャラしてるよな」という自分の内なる偏見と向き合わざるを得ないのがつらい。

 色々限界だったとはいえ、休日は結構遊んでいた。会社の後輩と群馬の赤久縄に釣りに行ったり、棒の峰に登ったりした。(カモシカを見た)。4月の後半には代官山の蔦屋書店でSFカーニバルが開催され、いそいそとサイン会に並んだりした。みんな自分のサインを持っていてすごかった。サインとか、どうやって考えればいいのか全然思い付かないです……

群馬が誇る秘境的管理釣り場。赤久縄。お蕎麦が美味しい。ちなみにこの日はめちゃくちゃ寒かった。
中銀カプセルタワービル。解体前の最後の見納めに立ちよった。
すでに足場が組まれていた。
棒の峰で見たカモシカ。意外とデカくて怖い。
数年ぶりに見た魔法つかいプリキュアの着ぐるみショー。ありがとう海老名。


【書いたもの】

1〜4月の間に書いたものリスト。
一応、小説家やらしてもらってますんで……。

『影たちのいたところ』(「紙魚の手帖Vol.3」収録)

 創元SF短編小説受賞第一作。商業作品としては二作目の短編。EUを離脱した近未来のイタリアを舞台に、影を九つ持った少年たちが冒険するジュブナイル風の幻想小説となっております。受賞後の打ち合わせで、担当さんと「まずは短編集を出すことを目標に、ある程度統一性を持って書いていきましょう!」という会話をしたはずなのだが、気づいたら一ミリも関係ない話が出来上がっていた。どうしよう。
 SFを書く時には非SFの児童文学をこっそり下敷きにしていることが多いのだが(前作の「射手座の香る夏」はウェストールの「最後の遠乗り」がモデル)、今作の原型になっているのは『ムーミンパパの思い出』。あの作品のラストがとても好きなので、今回の作品もそんな感じの終わりにしたいと思って書いた。しかし、幻想小説はリアリティラインの調整がかなり難しく、最後の最後まで書き直しまくることになった。反省!

『 振り返らない少女たち』(第4回百合文芸小説コンテスト応募作)

 あまり公募系には応募しないつもりだったのだが、ちょうど紙魚の発売からしばらく時間ができたのと、百合書きたいなと思ったので書くことにした。Googleストリートビュー的なサービスを題材にした、割とこじんまりした短編。書いてる間は微妙かな?と思っていたが、最後の一文が気に入ったので、総じてそこそこ良い作品になったと思う。一応最終候補に残してもらっているが、どうなることやら。

『魔法つかいをさがして』

 3月20日の再会記念日あわせで書いた、魔法つかいプリキュアの二次創作短編。まほプリの二次創作は3年ほど前に300pくらいある同人誌を出してかなり書き切った感があり、さすがにもう書かなくていいかな、と思っていたのだが、しかし再会記念の十六夜は歴史上一回しかないので、ここで何も書かないのは勿体ない!と思い、書いた。満足しました。2人とも元気でな……。

 忙しい忙しいと言いながら、実は三作も書いていた。偉い。
 なお、三作目も書き始めてはいるのだが、なかなか難航している。やっぱり平日が全て仕事で潰れるのはキツいっす。終電で帰ってきて飯食って風呂入って夜中の3時くらいまで書く生活、限界っす……。
 ただ、ようやく仕事が落ち着き始めたので、そろそろ本腰入れてがんばります。

 では、そんなところで。

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