雨が降ると濡れる

雨が染み込んでくる

その形を保てなくなる

だんだんとけていくそいつ

せっかくの力作

また作ればいいやという安易な思いもおきぬほどに

崩れたあとも流されていく

そいつは広くなった

雨で

雨の中でたちつくす

雨の中のそいつは別れを悲しんでいたのかな

雨あがり沈んだ気持ちで帰路につく

日があたる木に小さいそいつはいた

駆け寄ったが小さく軽すぎて風にとばされていった

落胆し下を向く

地面にも小さいそいつがいた

そいつはいなくなったわけではなかった

雨で心に刻まれた

いなくなることで完成するそいつの生き様

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