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元舞台スタッフのアラサーオタクがA3!を始めて3日経った話

今日の朝5:00のことだ。私は久々に見覚えのある顔を夢で見て飛び起きた。
10月に別れた元彼の顔である。夢の中で花束やらプレゼントやらを持ち込んで号泣しながら懇願する元彼を私はバッサリ切り捨てて、ピンヒールで颯爽と元彼の元を去っていた。すごい。アラサーOLっぽい。


実際には駅ビルのデニーズにドリンクバーで入り浸り、大号泣しながら別れ話をして、ボロボロのナイキのスニーカーで帰ったのだけど。現実とはなかなか上手くいかないものである。


「全く意識していなかった男の顔が出てくるなんて、こりゃ何かの前兆やで!!」と割とスピリチュアルが好きな私は意気揚々と夢占いを調べた結果、朝っぱらから膝から崩れ落ちることになった。
夢占い曰く、元彼を振る夢は「今の自分自身に自信があることの表れ。今の恋が大きく成功する兆しでしょう!」ということらしい。なんか良さげなこと書いてあるけど、私は今現在、恋などしてないし、できそうな様子もない。ここ最近であった出会いらしい出会いは三日前に始めた「A3!」だけなのだ。(そしてアプリゲームを出会いにカウントしなくてはならないくらい、ひもじい自分の私生活には本当に頭が痛い)

そもそも「A3!」とは何ぞや。というと「イケメン俳優育成ゲーム」と銘打ったアプリゲームのことである。寂れた劇団を再興すべく、春、夏、秋、冬と宝塚形式で4つの組に分かれているイケメン俳優たち総勢24名と寮生活を送りながら、順に劇団公演を打ち、彼らの成長を見届けるストーリーが展開されていく。
この「A3!」自体は先日リリース3周年を迎え、舞台化やアニメ化もされている人気コンテンツである。

私自身、アプリゲームもアニメも幅広く嗜んでいるので、「A3!」自体はリリース当初から知っていた。でも全く手を出す気にはなれなかったのだ。その理由は、私自身が舞台スタッフとして結構しっかり働いていた経験があるからに他ならない。演劇、と呼ばれるものはアプリよりも、アニメよりも、私の身近で息づくものだった時期があったのだ。

「A3!」では劇団の主宰であり、演出家である主人公を「総監督」と称し、イケメン俳優たちも主人公を「カントク」と呼ぶ。ただ一点。この一点のみで私は「A3!」という作品を毛嫌いしていたのだ。だって私、舞台監督やってたんだもの。

演劇における「監督」とは映画などでいう「監督」とはまた違う意味を持つ。映画などにおける監督は「その作品を作る上での監修を行う人」で舞台においては演出家とか、ディレクターとか、そういう表現がされる。
しかし、舞台における監督、つまり舞台監督は「(ざっくりというと)その舞台の進行において、安全性に責任を負う人」である。そこがどうしても納得がいかず、なかなか手が伸びなかった。

そんな私が3日前、このアプリをインストールしてみたきっかけも友人がゴリ押ししていたからと、メインでやっているアプリが暇になってきたので、時間潰しにできるものを探して色々漁っていたからだ。正直、すぐにアンインストールすることになると思っていた。なのに今現在、何をしていても頭から離れないくらいどハマりしている。ストーリーが好みだったから、とか色々理由はあるのだが、一番の理由はある種の運命の出会いがあったからだ。

向坂椋くん、というキャラクターがいる。ピンクの髪に可愛らしいご尊顔の絵に描いたようなよくいる美少年だ。私は彼の将来性とそのポテンシャルにやられてしまったのだ。

(ここから先は本編2章までとイベントストーリー第3公演までしか読んでいない初心者による、過分に妄想を含めた一人語りになりますので、先輩監督の皆様においてはぜひ色々指導いただきたく)

椋くんは夏組に所属している、現在15歳の男の子だ。とても気の弱い性格で、オドオドとしていて頼りない印象を受ける。しかし、誰よりも一生懸命で、「少女漫画の王子様みたいになる」という目標に向かい日々成長を続けている。
ここまではよくいるゆるふわショタだが、椋くんはポテンシャルの塊なのでもちろんこんなもんでは終わらない。

まず、椋くんは元陸上部のエースだ。好きな少女漫画のヒーローが陸上部のエースだったことに憧れを抱き、実際にエースとして期待されるまでにはなったのだが、怪我が原因で退部してしまったという。
この設定を読んだ時から、私は椋くんの腹筋がどうなっているのかが気になって仕事も手につかない状態だ。俊足の陸上部エースのお腹が筋肉質じゃないなんてことがあるのだろうか、いやない。あと、私は陸上をやったことはないし、運動神経は皆無に近いので詳しいことはわからないのだが、「少女漫画に憧れた」だけの少年が中学校の部活でエースが張れるほどになるまでにどれほどの努力と才能が必要なのだろうと考えると、もうなんかそれだけで自分の生活がままならなくなってくる。
しかも椋くん自身の動機はそんな感じなのに、彼の元陸上部仲間たちは全く彼を僻んだり、忌避したりしている様子はない。むしろ陸上を辞め、演劇という新しい道に進んだ彼を応援してくれるのだ。中学生というお年頃に少女漫画をきっかけに入部してくるやつなんて普通は相当イタい子じゃなかろうか。そんなところにも周囲の人間に愛される椋くんのポテンシャルが見て取れる。

そして年若い役者には何より大事な要素だが、彼の両親が最高にいい。
入団オーディションを受けるときには親に相談すらしていなかった彼だが、実際に合格をして入寮をしたいと父親に電話をした時、父親は電話越しに泣いて喜び「彼自身のやりたいようにやらせてください」と劇団に一任してしまうのだ。実はこれができる親と言うのはかなり少ない。

子供が役者になり、仕事をしていくうちに「子供のために」が「自分自身の子供のために」と目的がすり替わってしまう親は決して少なくない。しかし、実際に子供を使う劇団側にしてみれば、必要なのは子供だけであり、親ではないので、子役オーディションと言うのは常に子供の実力と親の扱いやすさが天秤にかけられている。そう考えたときに椋くんのご両親のように息子自身を信用し、全て運営側に一任できてしまう親と言うのはそれだけで息子に仕事が増えてもおかしくないくらい、重要な要素なのだ。それでいて椋くんのご両親は息子を放任しているわけでもないので、彼が出演する公演にはちゃんと観に来る。おそらく全公演全通してる。おにぎりとか焼き菓子とか日持ちする差し入れを息子だけでなく、スタッフにもちゃんとしてくれる。あと多分息子の物販グッズめっちゃ買うから、夏組の物販売上で椋くんはいつも上位に食い込んでる。私はそんなご両親に両手で握手しながら、彼らの全てに感謝を伝えたい。

椋くんのポテンシャルはまだ止まらない。椋くんは現在169cm(絶賛成長期)であるが、彼の従兄弟である十座くん(彼もまた秋組の所属俳優である)は185cmの高身長なのだ。物理的な意味でも伸び代があるなんて前世で何やったらそうなれんの?と聞きたい。これからひょろひょろと身長が伸びて夏組で一番の高身長になったりするのだろうか。もちろんその時には筋肉質なお腹を存分に見せつけて欲しい。

そんなこんなで、私は最愛の推しを見つける前に、将来が楽しみすぎる投資先を見つけてしまったのである。

どうやらリリースから3年でストーリー内では1年時が経った?ようなので、彼が実際に18歳になって、足が長すぎて上手にソファに座れない姿を見たり、急な成長期にパジャマのサイズが合わずツンツルテンになったり、自分のサイズ感が掴めずに頭をぶつけたりする姿が見れる頃に私がいくつになっているのかはわからないけど、私は彼の成長を心から祈っているし、いつかニチアサ俳優とかになって、下北沢の小劇場から大きく羽ばたく俳優になっていただきたい。そして昼の情報番組で少女漫画が好きだとニコニコしている姿を見れる日を願っている。向坂椋の未来に幸あれ。

とりあえず、私は今より詳細な妄想のために猛烈に寮のベットの実寸法と、椋くんの両親の身長、体重のデータが欲しい。あと、「#向坂椋18歳」とかそう言うタグが流行って、大きくなった椋くんが見れるとか都合がいいこと起きないかな、とか考えている。先輩監督の皆様方、情報待ってます。

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