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アメリカ ケンタッキーといえば、フライドチキンやバーボンだけではない

スポーツの中で、最も偉大な2分間

アメリカ中東部にあるケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場では、5月1週土曜日に米クラシック3冠レースの第1戦にして最高峰のレース、G1ケンタッキーダービーが行われます。

昨年は15万人以上を動員した、アメリカの一大イベントです。

今から20年前の2000年にケンタッキーダービーを制したのは、ミスタープロスペクター産駒のフサイチペガサスでした。

フサイチペガサスのオーナー関口 房朗氏は、1996年に所有馬のフサイチコンコルドがわずかデビュー3戦目にしてG1東京優駿(日本ダービー)を勝っており、現在まで唯一の日米ダービー優勝馬のオーナーです。

そのときの1番人気は、武 豊騎手鞍上のダンスパートナー全弟ダンスインザダーク(後のG1菊花賞馬)でした。

「房朗が1番」の冠名フサイチですが、会社の経費で競走馬を買いすぎて自分が1番のはずのオーナー会社社長の座を取締役会で劇的解任されます。

それでも、翌年には新会社を設立して復活をなしとげる…尊敬する経営者の1人で、イベントで佐賀競馬場に来たときには会いに行きました。

レース前のパドックで、うしろで縛ったロン毛の色メガネにちょびヒゲ、真っ白のスーツにハデな“エルメス”のタイを締めている姿が印象にのこっています。


第2戦 プリークネスステークス(ピムリコ競馬場)

第3戦 ベルモントステークス(ベルモントパーク競馬場)

と、続くわけです…本来なら。

今年はコロナ禍の影響で1戦目と2戦目は9月と10月に延期され、3戦目のベルモントSは距離を約2,400m→約1,800mに短縮されて6月に実施されました。

優勝馬は、1番人気のティズザロー号。

2冠がかかるケンタッキーダービーは、先日圧勝したトラヴァーズS(G1)をはさんでの中3週で迎えます。

2ヶ月の間に3戦立て続けに行うアメリカとちがって、日本の3冠レースは暑さに弱い馬が一夏を越えなければならないので、体調管理がむずかしい(日本3冠目の菊花賞は、秋開催)という話を聞いたことがあります。

好走の反動が出なければいいのですが…


この3戦すべてを勝った馬は『三冠馬』と称され、アメリカではこれまでに12頭います。

競馬をやらない人でもその名は知っているサンデーサイレンスは、3冠目のベルモントSでライバルのイージーゴアに負けて、クラシックは2冠で終わっています。

ちなみに馬名『サンデーサイレンス』の意味の静寂なる日曜日は、キリスト教のミサが行われる日曜日朝の静けさを表していますが、サンデーサイレンス自身は父・ヘイローから受け継いだ気性は荒く、それは子孫にも脈々と受け継がれています。

競馬が、ブラッドスポーツといわれる所以です。



お祭り騒ぎのダービーウィーク

ケンタッキーダービーの前日にはケンタッキーオークス(3歳牝馬限定)も行われ、街は2週間の間ダービーウィークに包まれます。

この期間中、ケンタッキーでは『ミントジュレップ』というオフィシャルカクテルが大量消費されます。

ミントジュレップがないと、ダービーウィークは始まらないわけです。

ミントジュレップはバーボンベースのロングカクテルで、“ウッドフォードリザーブ”が公式バーボンとして採用されています。


新型コロナウイルス感染拡大防止のため観客数を大幅に制限するらしいので、今年は家で競馬観戦する人が多いと思います。

それなら、自宅でミントジュレップを作る人が増えるはずです。

《ミントジュレップ レシピ》

◆バーボンウイスキー  45ml

◆ガムシロップ  15ml

◆ミント  5g

◆ソーダ  適量

なんですが、そもそもほんのり甘いバーボンをシロップで更に甘くしてもしょうがないので、レシピを変えてしまいましょう。

まずは、バーボン銘柄をなににするかですが…

ケンタッキーダービーの優勝馬には、バラのレイが掛けられることから「ラン フォー ザ ローゼス」と呼ばれたりします。

ケンタッキーダービーは薔薇のレースということで、薔薇のバーボン“フォアローゼズ”にしましょう。

「トゲのないバラ」です。

トウモロコシとライ麦の比率が違う2種類のマッシュビルと5種類の酵母が組合わされた計10種類の原酒をボトリングした“フォアローゼズ”は、無印、ブラック、プラチナ、シングルバレルの4種類が容易に手に入ります。

無印の倍額+αでブラック、ブラックの倍額+αでプラチナが買えます。

ブラックとプラチナの中間が、シングルバレルです。

割って飲むなら、値段と味のバランスがとれているブラックが最強です。

ロックで飲むなら、50度のアルコール度数が感じられないシングルバレルです。

無印は…料理酒です。

プラチナは値が上がりすぎているので、今は飲むべきではありません。

ということで、ミントジュレップのバーボンは“フォアローゼズ”のブラックで。

レシピではバースプーンでミントをすりつぶすように書かれていますが、一般家庭でこのためだけにバースプーンを買うのもアレなので、ミントを千切りに切り刻んで入れればいいです。

刻みミントを入れたグラスにバーボンとソーダを入れて、軽くステアすればできあがり。

バーボンソーダに、ミントを入れているだけですね…


ネットを利用してウイスキーなどのボトルを単品で買う場合、Amazonが販売しているもの以外は大抵数百円の送料がかかります。

クール便を使うと、さらに追加料金がかかります。

店舗によって、価格差のはげしい高額ボトルや大量購入して1本あたりの送料を下げられるのなら話はべつですが(同じ送料で、1㍑までのボトルなら12本まで送れる)、商品代が多少高くても近所の酒屋で買えたらその方がトータルで安くすむことがほとんどです。



さて、今夜、私が頂くのは、かしわ天です

当初レースが開催される予定だった5月1週土曜日の5/3に、チャリティーでバーチャルケンタッキーダービーが行われました。

歴代の米国三冠馬同士の激突です。

ケンタッキーダービー本番の9/5までは時間があるので、それまでバーチャルで場内の雰囲気を楽しみましょう。

優勝馬のセクレタリアトは、米国競馬史上最強馬といわれている馬です。

ティズザローが勝ったベルモントSの1マイル1/2(約2,400m)を2:24.00の世界レコードで圧勝したバケモノです。

あれから50年近く経った現在でも、記録は破られてはいません(24秒台はおろか、25秒台もいない)。


本番が28日だったら、お得な「とりの日」パックの“ケンタッキーフライドチキン”にしましたが、5日なので“丸亀製麺”のかしわ天にしました。

“丸亀製麵”の中では、野菜かき揚げと1番人気を争う天ぷらです。

スパイシーなチキンは甘くないミントジュレップ改がススむので、二日酔いには気をつけましょう。


そうそう…

ミントジュレップを飲むときは、『マイ オールド ケンタッキー ホーム』を聴きながら飲むのが通例になっているのでお忘れなく。

ルイ・アームストロングver.



noteを書いている中の人はファッショニスタではありません。レビュアーでもありません。 あえてたとえるなら「かろうじて美意識のあるオッサン」といったところです。 自分が買いたいものを買っています。 サポートしなくていいです。 やっていることを遠くから見守っていてください🐰