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世の男性諸君が、なにを着たらいいのか?分からないコーデ難民になる理由

橋淳スーツ

“ハッドン&ジョーンズ”の革ベルトにしたところで前回は終わりましたが、選んだアイテムを合わせる基本の服装を設定していませんでした。

ここで一から買い回るとむだな金銭と労力を消費するだけなので、持っている私物で対応したいと思います。

クローゼットにある手持ちのコマを使い回すのは、コーディネート上級者への第一歩です。

なんでも、買えばいいというものでもない。

このシリーズは、あくまでもある条件下でのアイテムが主役の話なので、服を上下セパレートで分けると紹介する製品の合う合わないとかもあるわけでして…

で、今回選んだセットアップはこちら↓

ドメスブランド、“ジュン ハシモト”のネイビーカモフラスーツ。

“wjk”一門は雑誌LEONが煽ったおかげで、欧米ハイエンドのモード系ブランドやファクトリー系ブランドと肩を列べるような、セレカジ(セレブカジュアル)ブランドに成長しましたが、とくにアウターなんか「ぼったくりか!」と疑うほど高価なものもある(○_○)!!

生地の素材はもとより、付けられているボタンやジッパーにリベットなどの構成部品までみると、安価なファストブランドのそれとは雲泥の差なので、どうしても高くなるんでしょうけど…

一般的な10代後半や20代前半の可処分所得じゃ到底買えない価格帯(サブブランド除く)のおかげで、若者がけん引しているここ数年のビッグシルエットブームをものともせずに、己のタイトシルエットを貫きながら生きながらえている…ある意味、BMI値25未満のオッサン少数のもの好き若年富裕層が支えている絶滅危惧ブランド群ともいえます。


このセットアップを選んだ理由は、2つ。

ベルトのW定革がゴールドの金属製の時点でビジネスマンスタイルにはそぐわないので、リーマン路線は捨ててノーマルのスーツを持ってこずにカモ柄のセットアップにしました。

プライベートのスーツ仕様です。

カモ柄といっても、地雷の臭いしかしないこれ見よがしの我の強いカモ柄ではなくて、光のビミョーな射し加減で浮かび上がってくるステルスカモ柄

そして、ベルトが明るいブラウンなので暗いネイビーのセットアップとの色の明暗で、メリハリがつきます。

今回は、今までの『トーン オン トーン』とプラスして、『アズーロ エ マローネ』という色遊びの話です。



青✕茶の方程式

アズーロ=空色の青、マローネ=栗色の茶。

ブルーにブラウンの組み合わせは、伊達男のイタリア人がよく好んで使う配色パターンです。

かといって、「トップスを○○、ボトムスを△△」と、ベルトを境に色の占有率を5:5に2分するのも絵面がどっちつかずではっきりしないので、どちらかの色の比率を7割程度まで引き上げた方が玄人受けします。

仕事着スーツの定番色、普段着ジーンズの定番色などとともに、靴やベルトなど流通している革製品のほとんどはと黒しかないので、そんなことを知らない日本人でも半数は、気づいたら『アズーロ エ マローネ』をやっています。

それをイタリア人並みに意識(ほかの色をむだに入れない)してやると、だれでもオシャレになれます。


『アズーロ エ マローネ』を理解してもらったところで、それじゃそのネイビーのジャケットの下にはなにを着るのか?という問題ですが…

「青か?茶か?」なんて言いながら、実際には『差し色』で白いシャツを着るだけに止めておくのが、個人的にはベストだと思います。

白のシャツを着ないのなら、ジャケットすら脱いでブルーのニットを着た上から、アイボリーのコートでも羽織るとか。

ライトブラウンのベルトをダークブラウンに置き換えるのなら、ネイビーのスーツにサックスブルーのシャツとダークブラウンのタイを合わせるなんて芸当もできます。

これをネイビーのトラウザーズではなく、ベージュのスラックスに替えても『アズーロ エ マローネ』は成立します。

次はトップスの青シャツと茶タイを辞めて、そのベージュのパンツを軸に淡い茶の『トーン オン トーン』にするなら、トップスに白のなに(白✕茶最強説)を持ってくるか?

さらに、パンツを黒のデニムに替えてモノトーンコーデに振るなら、靴は白のスニーカー?黒のサイドゴアブーツ?(答はトップスが白のなに?かによる)…なんて正解が1つではない連想ゲーム的な脳トレを繰り返すと、アイテム選定能力はほっといても爆上がりします。


メンズはレディースとちがって、基本はボトムスにスカートの選択肢がないので、それ1枚でスタイリングが完結するワンピースも存在しません。

ツナギを着るのなら話はべつですが、フツーは上下が分かれたツーピースです。

つまり…

女子と比べてアイテムの種類は圧倒的に少なく、上と下になにかしらのアイテムを持ってくるだけなのです。

選択の難易度は低いはずなのに、巷では男子の方が致命的にダサい人間が多いのはなぜでしょう?

それについては、幼いときの遊びが一因ではないか?と思い始めたのです。



超合金とソフビの差

これからするお話はあくまでも私見であり、中には例外もあります。


物心がついたころの遊びに、男女を問わず人形遊びがあります。

男の子用は『ガンダム』的な硬い人形が多いのに、女の子用は『リカちゃん』的な軟らかい人形が多い。

そしてこの超合金の人形は、装備の交換はできても軍事用ロボットという想像上の機械なので、服飾の交換という発想がハナからありません。

だからか?ガジェット的なものの工業デザイナーは男性が多い。

それに対して、大人(主に母親)を真似ている『おままごと』をする際に必須アイテムのソフビ人形は、現存する人間をモチーフにしているので、衣服の脱着ができます。

そして、この幼少期に『女性型お人形』を着替えさせた経験が、大人になったときに自身のコーディネートへ影響を与えます。

思春期になりメイクにも興味を持ち始めると、彼女らは配色バランスまで習得していきます。

ファッションに興味があろうとなかろうと、女子の基礎能力はあらかた高い。


それに比べて男子は、オシャレに興味がなければ子どものころからそういったものに、触れる機会がありません。

家庭環境にもよりますが、喫緊の課題になるのは親からの現物支給が止まる大学生になってから。

(だから、ダサかった大学生のボクがファッションを勉強して、オシャレになって彼女もできた!…なんて情報発信者がクソ多い)

小学生のころはママが選んで、中学生になったら指定の学生服、サラリーマンになったら制服のスーツと、屋外行動のほとんどはそれでまかなえるから上達しない。

でも、悲観しなくていいのです。

コーディネートに関する能力差は、駅伝大会に出てくるガチのアフリカ勢と日本人ランナーほど絶望的な差ではないので、オシャレになるのはそう難しいものでもありません。

やるか?やらないか?だけ。



noteを書いている中の人はファッショニスタではありません。レビュアーでもありません。 あえてたとえるなら「かろうじて美意識のあるオッサン」といったところです。 自分が買いたいものを買っています。 サポートしなくていいです。 やっていることを遠くから見守っていてください🐰