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セレンディピティ

『素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。』:セレンディピティ- Wikipedia

自分がよく聴くラジオ番組のタイトルに"セレンディピティ"という単語が入っていて、この意味を毎回冒頭でDJの方々が紹介してくださるので、時々思い浮かぶようになった。

これまで時々ラジオのあり方について書いてきたが、今回は"セレンディピティ"について頭の中を整理しながらいろいろ書いてみることにする。


1:ラブフェス2024(Love FM)

2023年5月8日をもって日本国は事実上の『ウィズコロナ』に移行し、各地でイベントが行われるようになった。
2024年3月中旬、ここ数年のお気に入り局になったLove FM(福岡市)の公開イベント『LOVE FES』がパンデミック前以来数年ぶりに福岡市役所前ふれあい広場で行われ、自分も参加してきた。

人気番組のDJの皆さんがステージ司会や会場内の企画行事を担当したり、来場者の方々と歓談したり…と、『ウィズコロナ』時代・不穏な世界情勢の中でも多くの方々が楽しんでいたイベントだった。
自分もよく聴く番組の常連投稿者の方々やDJの方との歓談に混ぜてもらったり、酒や軽食をいただいたり、写真を撮らせてもらったり…とイベント参加者の方々と交流するようにした。

そんな中、自分は『DJ体験』に参加してみた。
お気に入り番組『Spin the wheel』の放送や主に福岡地区のナイトクラブなどで実際にパフォーマンスしているDJの方が簡単ではあるがターンテーブル(DJの方がパフォーマンスで使う機材)のことを紹介し参加者が触らせてもらえるというものだった。
ポイントについては自分のInstagramの投稿で紹介しておくが、全く触らないのとちょっとでも触ってみるということの違いに気づき、それが後日DJの方のパフォーマンスのスタイルの違いにも気づくきっかけになった。

自分が福岡市役所前でターンテーブルを触ってみる前に、『Spin the wheel』のリスナーの方々向けのファンミーティングが西中洲のクラブで行われていたが、後日その時のDJの方々のパフォーマンスを思い出してみると、本職の凄みというものがひしひしと伝わってきた。
それを感じられただけでも、LOVE FESは行ってみた価値があったと思っている。

2:リツコdeサロン(CROSS FM)

学生時代以来遠ざかっていたFM局の番組を改めて本格的に聴き始めた3年前(2021年夏)に集中的に聴き始めたのがCROSS FM(北九州市)だった。

CROSS FMについては以前も自分のnoteで紹介しているが、一番のお気に入り番組『DAY+』のファンミーティング『リツコdeサロン』が2024年3月下旬に小倉北区で行われた。
この『サロン』は完全抽選制で応募者がかなり多いという話だったが運良く当選し、給料日前で懐具合が厳しかったものの万難を排して参加した。

北九州市が本拠のCROSS FMは社歴30年ほどで、北海道や関東の局と独自のネットワークがある。


主に北九州・京築地域のリスナーやスポンサーが多いが、北九州地域の経済状況に左右され、こちらも順風満帆とはいえない経営状況だったものの、堀江貴文氏の運営参加の影響もあり、SNS露出の増加や新規DJ(ナビゲーター)登用、新規イベントの開始など、明らかに変化が起きている。

そのCROSS FMの人気昼ワイド番組『DAY+』のナビゲーター・立山律子さんや番組スタッフ・リスナーの方々と今回運良く交流することができた。
この『DAY+』のリスナーの方々は、ぱっと見程度だが、先のLOVE FESでお目にかかった方々より比較的平均年齢が高く男性が多かったようである。
ラジオネームだけは伺っていたクセ強リスナーの皆様ともご一緒でき、それぞれのライフスタイルを垣間見ることや番組・局への思いを伺うことができた。

自分のInstagramのポストを置いておくが、赤シャツのDJのcozyさんのパフォーマンスを見ていた時に、その前にLOVE FESや『Spin the wheel』のイベントで見たDJの皆さんのパフォーマンスとの違いがあることに気づいた。

自分の中で持っていたDJのイメージは『Spin the wheel』の皆さんのイメージそのままだったが、職人肌的雰囲気のCozyさんの様子は、さりげなく場の空気・ムードを作る黒子だった。
普段のDAY+で放送時に募集するメッセージのテーマやその日の雰囲気に合わせた楽曲をピックアップし組み合わせ番組を作っていく、これもDJの仕事なのだと感心しながら見ていた。

3:GWリスナーオフ会

福岡市中央区港にある『かもめ広場』。
地下鉄空港線・大濠公園駅から徒歩10分ほど、西鉄バスで天神から那の津通り・福浜方面のバスで15分ほどかかる、小さな港のそばの公園である。
ここに2024年5月3日(憲法記念日・博多どんたく1日目)に、主に北部九州・山口県エリアのラジオファンの有志が集まり『GW(ゴールデンウィーク)リスナーオフ会』が行われた。

当日は『博多どんたく期間中に雨が降る』ジンクスが嘘のような晴天で、主催の方が用意してくださったテントやビールサーバーなどが暑さ避けや場の雰囲気作りに大いに役立っていた。
前回(2023)Xなどに当日の様子をアップしていた方がいらっしゃったことや、事前にXでもお知らせが流れてきたこと、筑後方面のリスナー仲間の方からも参加者を募るポストがあったことで興味が湧き、ちょうど休みだったので行ってみた。

自分は主にCROSS FMやLove FMを聴くことが多い(プロ野球シーズンにはKBCラジオやRKBラジオの中継を聴く)が、比較的スタジオや局が関係するイベント会場が近いLove FMのリスナーの方と交流する機会が多く、CROSS FMやKBCラジオリスナーの方と交流する機会は比較的少なかった。
今回は約70名ほどの参加があったとのことで、名前や近況をチラ見程度に伺っていた方々と初めてお目にかかることができた。
昼間から酒を飲み、与太話に明け暮れ、何よりもひとりでも多くの方々にお会いできた、セレンディピティを体現する会だった。
惜しむらくは、CROSS FMのリスナーの方ともう少しお話しておきたかった。

イベント後は飲んだくれモードのままソラリアプラザのLove FMスタジオまで移動し、スタジオ観覧(兼・推しDJ冷やかし)してきた。

4:聴き比べ

ラジオリスナーの方だとありがちなことだろうが、『推し』の番組やアナウンサー・DJの方が複数出てくると、どれを聴くか迷うことが出てくる。
今春(2024年春)の番組改編で自分の推しDJの番組がいくつか時間帯が重なり、迷うことになった。
今春は夜の新番組を数回メインで聴き、その後自分の中で感じたことを踏まえて元々聴いていた番組もタイミングが合う時に聴くことにした。

その過程でぼんやり感じたことを、普段聴くことが多い2局に絞って書いてみる。

①CROSS FM

CROSS FMについては以前書いてきた内容と合わせて紹介するが、振り返ってみると

・ロック音楽に強い(例:栗田善太郎さん、コウズマユウタさん、松隈ケンタさん、2024年春までは坂口カンナさん)DJの番組が多い

・トーク、リスナー参加型番組が強い(UP↑UP↑、DAY+、NEWSIC他)

・本拠地・北九州市のリスナーの方々の影響もあるだろうが、人間臭さが番組やリスナーのみなさんから伝わる

・人材を発掘、登用、成長できる環境がある(岡部来亜さん、まいぱんさんなど)

という印象である。
ロック好きな方々は『サシデガタリ』『MUSIC AMP』を押さえておくと良さそう。
また、堀江貴文氏の経営参画の影響か、少なくともSNSの露出が以前より増えたのは印象面で大きい。

②Love FM

1997年に開局し、運営会社の変化(旧九州国際エフエム→ラブエフエム国際放送=西鉄グループ)を経て今に至る。

このLove FMは北部九州の外国人の方々向けのコミュニティFM局としてスタートしたことで、東南アジア諸国の生活事情など国際的な話題を扱う番組が比較的多い。(例:スイッチオン!DAYTIME)


在日外国人向けの番組としては、『やさしい日本語』『Life in FUKUOKA(福岡市の広報)』もある。

・文化情報が集まりやすい福岡市が拠点なので文化的な話題(映画、読書、美術展など)が比較的多く、文化面に強い番組が目立つ(例:Top of the morning )


・リスナーの方々も文化面に関心を持つ方が多い印象
・クラブ/ダンス音楽(Spin the wheel)、レゲエ音楽(IRIE MUSIC)などが強いDJの方や番組が特徴的
という傾向がある。


とはいえ、堀江氏の経営参画後はCROSS FMの方がより新しい人材の発掘・登用、活性化に関して積極的に動いているようにもみえる。
それが他局にどのような影響を与えるのかはラジオ番組を聴きながら見ていきたい。

5:交わり

『ウィズコロナ』時代において、思想信条や生い立ちなど人生の背景が異なる人々がひとつの共通点で集まる機会が復活しつつある。

気候変化や紛争・経済危機など、私たちはこれから日常生活にも影響をもたらすであろう危機に向かい合うことが出てくるだろう。
また、日常生活では周囲の人々の付き合いの中で時にトラブルがあったり、縁が切れてしまうこともあるだろう。
それでも、何が一番大事なのかをみなさんの中で決めておき、自分の中でブレない軸を持っておくと、突破口が見えてくるのではないか、と思うようになった。
雑多な交わりの中のふとしたきっかけで、幸運に巡り合えれば幸いである。
そのチャンスを得るには、現実社会で多くの方々と交わること、現実を踏まえて立ち回ること、そして何よりも、各々の思想信条や人生観を踏まえつつも相手を尊重し敬意を払い、構えすぎず気楽に交流することがもっとも大事なこと、だと、2024年の春のイベントで改めて感じることができた。
党派に囚われすぎると、SNSのバーチャル空間や『エコーチェンバー(共鳴室)』にこだわりすぎると、一人ひとりの中にあるひとかけらの光という大事なものを見失うのではないか、いや、見失っている人が増えてきてはいないだろうか。

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