🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ー五里霧中の時代に未来を視る方法ー

2022年3月28日 13:22

　こんにちは、人生探求の旅ナビゲーターのまっつんです。
　世の中が、情報システムのネットワークで結ばれたことで、グローバル化が進　み、ますます複雑で予測不能なVUCAワールドになってきました。

　そんな五里霧中の時代に、未来を見通すにはどんな方法があるのでしょうか。
サラリーマンが日頃行っている行動の中にそのヒントはないのか。

今回は、🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ー五里霧中の時代に未来を視る方法ーと題して私の考えを書いてみようと思います。

🔲 サラリーマンが情報を得るためにしていることとは。

　さて、一概に未来を見通す力と言っても、今回取り上げたいスキルは、いわゆる千里眼や予言の類ではありません。
　そもそも一般的なサラリーマンはどのように情報を得ているのでしょうか？

　総務省の情報通信白書（令和３年版）によると、よく利用するメディアは、圧倒的にテレビとなっています。そして、検索エンジン、動画投稿・共有サイト、新聞、SNSなどインターネットを活用したものが多くなっています。
　これは情報取得の即時性から、スマホなど手元の携帯端末やパソコンからのアクセスが多いということを示していると考えられます。

　しかし、情報の信頼性のアンケート結果を見ると少し状況が変わってきます。同じく総務省の情報通信白書によると、各メディアに対する信頼の集計結果では、新聞（61.2％）、テレビ（53.8％）、ラジオ（50.9％）となっています。インターネットを活用したものの信頼性は軒並み低い結果となっています。

　フェイクニュースに代表されるようにインターネット上の情報には、情報のソースが明確でないものや、意図的ではないにしろ、誤った情報が多く含まれていることをユーザー側が認識していることが窺えます。

　信頼性の高い結果となった新聞ですが、昔は「サラリーマンなら日経新聞を取るべき」と内定者に会社経費で日経新聞を契約したりしている企業もありましたが、最近は新聞を購読していない若手サラリーマンも多いようです。

🔲かつての情報源であった書籍はどうなのか

　今日びの大学生は、全く書籍を読まないと言われていますが、それは本当でしょうか？実は全国大学生活協同連合会の調査では、読書時間は増加していると言います。1日の読書時間の平均は32.1分（前年＋1.7分）で、読んだ人の平均は63.0分であり、2.0分伸びています。（誤差の範囲ぽいですけど）

　本を読むサラリーマンは出世するとまことしやかに言われた時代もありましたが、学生の頃に読書をしなかった人が社会人になって突然、読書家になるとか思えないので、読書をする人は、学生時代から本を読む癖がついている人なのかもしれません。

高校生新聞「大学生の48％が読書時間ゼロ　小学校では読んでいたのに中→高→大と進む本離れ」より

　大学入学以前の読書時間について、小学校高学年で読書を全くしなかった人は16.4％、中学校時代は20.9％が、高校時代は31.0％という結果となっています。
　一方、高校時代に全く読書をしなかった人の72.7％が大学生になっても読書をしていないという結果も出ています。

　通勤・通学の移動時間に読書をしていた層も、最近はスマホで情報チェックやゲームに興じていたり、そもそもコロナ禍で通勤・通学の移動時間が激減したことも一因ではないでしょうか？

　では、令和の現代において、もはや読書は無意味なのでしょうか？

🔲　本を読む人というイラスト（風刺画）から考えてみる。

　ひと昔前に、ビジネススクールなどでよく使われた、とある１枚のイラストがあります。よく言われる解釈は次の通りです。

　①一番左の人は、読書をしない人、知識も少なく「頭の中がお花畑状態」「平和
　　ボケ」の人。
　②真ん中の人は、一定量の読書をしており、現実の厳しさを知っている人。
　③右の人は、読書を積み重ねることで、解決策や希望を見出している人。

　風刺画といえども①の人には随分と酷い評価がなされています。

　しかし、ビジネススクールで紹介するならもう少し解釈を加えたいものです。
ということで、まっつん流に２次元のイラストを３次元にしてみました。そして、サラリーマンの立場に置き換えてみると面白いことになります。
　それがこの図です。
　未来を見通す力として、読書量（知識・情報量）を足場として見做し、加筆しました。

　会社の中では、社員はみんな同じ方向を向いています。しかし、その立場や役職によって、見えている世界が異なるという解釈です。

　この図では、
　①の人は近視眼的な日々の仕事しか見えていません。大抵はルーティン業務を
　こないしているので、未来への見通しも甘く、気楽に今日と同じ明日が永遠に続
　くと考える平和な人ということになります。サラリーマンだと一般社員の視点に
　当たります。
　②の人は、サラリーマンで言えば管理職としての視点です。これまでの経験やキ
　ャリアから、少し長期的視野を持っていますが、経営層の示す方針や業務目標達
　成へのプレッシャー、部下の動きへの不満から、未来には果てしない地獄しか見
　えません。
　③の人は経営者層の視点です。誰よりもはるか遠くの世界が見えるため、素晴ら
　しい未来を見通していますが、そこに到達するための地獄は見えません。まして
　や、足元の日々の業務など全く理解できません。そのため、自分の見通した未来
　に対して管理職がネガティブな意見を唱えてばかりと感じてしまい、彼らの主張
　の本質が理解できないのです。

　付け加えるとすると、この未来を見通す力は、そのバックボーンも異なります。つまり、①の一般社員の視点による未来を見通す力の判断基準は、数ヶ月前の過去の体験からであり根拠に深みはありません。②の管理職の視点による未来を見通す力の判断基準は、会社員生活を基準にしています。つまり、入社以来の知識や体験をもとにした判断です。自社の中では通用する考えもグローバル化した現代では通用し難いでしょう。③の経営者の視点による未来を見通す力の判断基準は、自社だけではなく、過去の歴史を通じた長期スパンの情報に基づいています。つまり、視野は広いとは未来を見通す力だけではなく、過去をよく視ることで、その知識も未来予測に活用することで予想精度を高めることができると考えられるのです。

🔲 まとめ

　最初に紹介した読書量の風刺画では、読書量が新しい世界を開くようなイメージしかありませんでしたが、３次元で考えてみることで、視点の違いだけではなく、その世界が見える理由や、判断の基準となる過去を見通す力を考察し、経営者視点と管理職視点と一般社員の視点の違いを当てはめて分かりやすくしてみました。
　五里霧中のVUCAの時代に、未来を見通す力が、読書量であると言うつもりはありませんが、知識・情報量を足場として見做して過去から未来への視野を広げるには、思考を伴う読書が少しは見直されてもいいのかもしれません。

　もともとは、張楷伝に記された張楷のように嫌いな人と合わないため道術によって、五里四方（訳２キロ四方）に及ぶ五里霧を発生させて隠れた故事から、その霧の中のようだと何もわからない状態を五里霧中と表現するようになったものが、現代では、逆に情報過多によって一見全てを見通すことができるかのような情報量に感じていても、予測困難な時代にどのように足場を組むのかが難しくなっているのでしょう。そのため、異なる意見に出会った際に、どの視点からの思考なのかをちょっと考えるだけでも、情報量の積み上げがなくてもその視野を活用することも可能になるのかもしれません。

以上、🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ー五里霧中の時代に未来を視る方法ーと題して書いて見ました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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