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【統率者戦】今回の禁止カードについての所感と今後の環境予測

・はじめに

統率者戦で新たに4枚の禁止カードが発表された。
統率者戦に禁止カードが出るのは実に3年ぶり※のことであり、ビッグウェーブに乗り遅れないために自分も久々にnoteで記事を書くことにした。

なお、この記事は自分のちょっとした感想とカードの禁止による環境変化のちょっとした予想をするだけであり、使えなくなったものは使えないものとして書いていくのでその点はあしからず。

(※前回の禁止カード発表は《不屈の巡礼者、ゴロス》が禁止された2021年9月13日であり、ほとんどぴったり3年前である)

・《波止場の恐喝者》

・所感
ビッグアクションのための瞬間マナ加速や無限コンボのキーパーツとしてだけでなく、最序盤に生きた《暗黒の儀式》として使うプランもあり、いつ引いていつ出しても強いカードだった。
あまりにも強すぎて代替品となるカードは存在しないため、今後このカードなしにどうやって勝とうか考えている人も多いだろう。ここがデッキビルダーの腕の見せ所だ。

・今後どうなるか
昨今のEDHにおいてキルターンが大きく前倒しされていたのは間違いなくこのカードに責任の大半があり、今後はある程度ゆったりとした展開が多くなるのではないかと予想する。
特にマナ加速禁止の影響が少なくてロングゲームに強い《トリトンの英雄、トラシオス》を用いた共闘デッキが勢力を伸ばすのではないだろうか。

また今まで《波止場の恐喝者》の勝利に貢献する手助けのような構造になっていた茶系デッキ・エンチャントデッキは天敵が一人消え去ったことでとても動きやすくなっている。
トップtierに上り詰めるかはわからないが、環境に使用者が増えることは十分に考えられる。

・《魔力の墓所》

・所感
何もないところから2マナ出せる《魔力の墓所》と置くのに1マナかかる《太陽の指輪》の差は最序盤においては無視できないほどあるので、こちらがダメで《太陽の指輪》はセーフという理論には個人的にそこそこ納得できる。

ただまあこのカードが禁止に値するかというのはまた別の話で、マナ加速の禁止は1種類だけにして様子を見れば良かったのではないかとも思っている。

とはいえ禁止されてしまったものは仕方がないので、我々はクリプトのない世界について考えねばならない。

・今後どうなるか
「カードを持っていない」以外で入れない理由が存在しないカードだったので禁止の影響は全員が受けている。そのため環境がそこまで大きく変動するようなことはなさそうだ。

ただ今まで1ターン目教示者から2ターン目《魔力の墓所》なら間に合っていた動きがサーチ先を《太陽の指輪》に変えると色が足りずに間に合わなくなるというような事態が発生することは想像に難くない。
自分が受ける影響が大きいか小さいかは使用するデッキによるところもあるだろう。
具体的な例を上げると、自分が以前記事を書いた《アーデン》&《ログラクフ》なんかは統率者のプレイという観点から言えばほとんど影響を受けないが、同じ赤白装備品デッキでも《刃を持つ者、アスター》は教示者経由だと2ターン目に赤白②が出なくなるので影響が大きい。
そういったことを理由に統率者が鞍替えされることはあるだろう。

他にも《船砕きの怪物》や《時を解す者、テフェリー》辺りを用いた無限コンボのパーツとしても使用していた人にとっては代替パーツがあるとはいえコンボが成立する確率が減った等の影響がある。

・《宝石の睡蓮》

・所感
《魔力の墓所》の項で言及したが、3年ぶりに禁止が出たと思ったら一気に両方ともというのは大分やり過ぎ感があり、どちらか片方で様子見すればよかったのになあと思わないでもない。

・今後どうなるか
《魔力の墓所》の禁止では全員が被害を被ったのに対してこちらは被害甚大なケースとそうでもないケースに分かれる。

《秘密売り、ティヴィット》や《原初の征服者、エターリ》のような『非常に重いが着地すれば莫大なアドバンテージを稼げる』タイプの統率者は《魔力の墓所》という誰もが使えるマナ加速も同時に禁止されてしまったこともあってかなり立ち位置が悪くなったように思う。
マナクリーチャーや土地加速に頼れない非緑の大型統率者は今までにないような工夫がデッキに必要になってくるだろう。
今パッと思いつくところでは《厳かなモノリス》《玄武岩のモノリス》をフル投入することで《通電式キー》や《多用途の鍵》を実質的な2マナファクトとして扱うなどが考えられる(脳内構築なのでプレイアブルかはまだわからない)。

一方で睡蓮のマナを使いづらいコストの統率者、特に《浄火の戦術家、デリーヴィー》辺りからすれば無いも同然だったカードが本当に無くなっただけでノーダメージだ。

つまりデリーヴィーのようなデッキは相対的に立ち位置が良くなったと言え、環境に数を増やすのではないかと予想できる。

・《有翼の叡智、ナドゥ》

・所感
統率者戦向けにチューニングされたナドゥは、統率者戦でも失敗しました。

ある程度競技的なプレイをできる卓では「めちゃくちゃ強いが対処は可能」くらいの認識に落ち着いてきていたが、カジュアル卓がこのアドバンテージ獲得力に追いつくのは不可能に近いので禁止は妥当だろう。

・今後どうなるか
アグロタイプの《ナドゥ》はノーガードで放置していたら即座に負けてしまうため、今までは《ナドゥ》の初動を遅くするためのカードをやや多めに採用することが必要だった。
が、今回の禁止によってその必要性がなくなったのである程度デッキの自由枠が増えると思われる。
(まあ結局は別のデッキの対策カードになったりするのだが)

また《ナドゥ》は動きが非常にオリジナルなためか、熱心なファンがとても多かった。
そのためナドゥ・ロスが発生し、喪失感を埋めるためにしばし様々なデッキに手を出す人が増えるかもしれない。

・まとめ

全体的に見ると禁止されたカード4枚の内3枚が非緑のマナ加速カードであり、《ナドゥ》を失ったことを考慮しても相対的に緑のデッキパワーが上がったように感じられる。
今までは弱い色扱いされていた緑も不遇の時代がようやく終わったのかもしれない。
これからは緑系のデッキが流行するのではないかと予想する。

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