【EDH/統率者戦】カード2~3枚から行える主な無限コンボ集 ~黒単色編~
はじめに
今回は黒単の統率者戦向けコンボを紹介していく。
タイトルにはわかりやすさ重視で「無限コンボ」と書いたが、実際にはゲームをそのまま決めてしまえるようなコンボを紹介しているだけなので無限でもなんでもないコンボがいくつかある。
なぜ黒単のものだけ紹介するのかというと今ちょうど黒単のレシピを考えていて、搭載するコンボの選定ついでに書き出してみようと思ったためである。
なので黒単編と言いつつシリーズ化する予定は特にないのだが、もし思ったより好評であれば別の単色編も書くかもしれない。
2枚コンボ
《生き埋め》+《再活性》等のリアニメイト呪文(+デッキに《スカージの使い魔》、《壊死のウーズ》、《アーチフィーンド、アスモデウス》)
コンボ内容:
《生き埋め》で《スカージの使い魔》、《壊死のウーズ》、《アーチフィーンド、アスモデウス》の3枚を落とす。
リアニメイト呪文で《壊死のウーズ》をリアニメイト。
《壊死のウーズ》が《アスモデウス》の『(黒)(黒)(黒):カード7枚を引く』を持つので(黒)(黒)(黒)を支払って7枚ドローする(※このとき《スカージの使い魔》のマナ能力も併せて持っているので、土地から捻出できないときは手札を捨てて必要分の(黒)を発生させる。手札が3枚あれば浮きマナ0でも7ドローできる)
以降はデッキの続く限り7ドロー3ディスカードを繰り返せる。
このコンボだけでは直接勝利にならないが、成立した時点でデッキのカードをほぼすべて引ききって膨大な黒マナが出せるため、そのまま勝ち手段にアクセスして即座に成立させられる実質的な2枚即死コンボである。
具体的な勝ち手段は統率者によって適したものがあるはずなのでデッキに応じて考えてもらいたい。
もし《蘇りし悪夢、ブレイズ》のような本人が勝ち手段にならない統率者の場合はデッキに《歩行バリスタ》と《不浄なる者、ミケウス》、《臓物の予見者》等を入れておいて後述する無限コンボを狙う等が考えられる。
変なコンボを用意しなくとも《アスフォデルの灰色商人》を雑に叩きつけるだけで勝てることも多い。
コンボ始動に必要な最低マナが《生き埋め》+《再活性》の(黒)(黒)(2)と非常に軽いのが強力。他のリアニメイト呪文も2マナのものばかりなので多くても5マナあればスタートできる。
(※ただし一番最初の7ドローに(黒)(黒)(黒)を捻出しないといけないので厳密には余剰の手札かマナも必要)
デッキの枠としては《生き埋め》で落とす用のクリーチャーも含めると5枚コンボとなるが、手札に揃える必要があるのは2枚だけなので2枚コンボと言っていいだろう。
また《生き埋め》は替えが効かないが、リアニメイト呪文は必ずしも《再活性》である必要がない。
《動く死体》《頑強》等、《壊死のウーズ》が釣り上げられればなんでもいいのでハイランダー構築でありながら必要パーツのかさ増しができるのも強み。
欠点は打ち消しと除去のどちらでも止まり、更にリアニメイト呪文が《動く死体》などのエンチャントだとエンチャント破壊でも止まってしまうこと。
しかしながら相手の妨害がクリーチャー除去であれば最低でも7ドローは確約されているほか、最初に黒6マナを捻出できる場合は除去にスタックで更に7ドローを行えるので少しだけなら除去には耐性がある。
《生き埋め》で落としたいクリーチャーを先に引くとコンボが成立しなくなりそうに見えるが、以下のように対応することで《生き埋め》で落としたいパーツのどれが先に手札に来ていても問題なくコンボ始動できる。
・《ウーズ》が手札に来てしまった場合
→《生き埋め》を撃ったあとに普通に《ウーズ》を唱えればよい。
・《アスモデウス》が手札に来てしまった場合
→《生き埋め》で《使い魔》《ウーズ》と落として《ウーズ》を釣れば《使い魔》の能力で《アスモデウス》がディスカードできるので問題ない。
・《使い魔》が手札に来てしまった場合
→《生き埋め》で《ウーズ》《アスモデウス》に加えて《朽ちゆくインプ》等のディスカード能力持ち生物を落とすことで対応可能。
これはコンボの強さとは無関係だが、すべてのコンボパーツが安価(※)なので低価格帯のデッキでも安心してデッキに組み込めるという素晴らしいメリットが存在する。
(記事執筆時点で《生き埋め》が最安180円、他の3枚は10円~50円である)
《生き埋め》+《再活性》等のリアニメイト呪文(+《壊死のウーズ》、《Phyrexian Devourer》、《歩行バリスタ》or《トリスケリオン》)
コンボ内容:
《生き埋め》で《壊死のウーズ》、《Phyrexian Devourer》、《トリスケリオン》or《歩行バリスタ》の3枚を落とす。
リアニメイト呪文で《壊死のウーズ》をリアニメイト。
《壊死のウーズ》で《Phyrexian Devourer》の「デッキトップを追放してマナ総量分の+1/+1カウンターを置く能力」を使用し、自身にカウンターを乗せる。
《壊死のウーズ》で《歩行バリスタ》の「+1/+1カウンターをダメージに変える能力」を使用して任意のプレイヤーに1点を与える。
3と4を繰り返すことでデッキ内に残っているカードのマナ総量分だけ任意のターゲットに1点ダメージを飛ばせる。デッキ内の合計マナ総量が対戦相手のライフ合計を上回っていれば勝利。
古くから存在するコンボであり、かつては《生き埋め》コンボといえばまずこれを指していた。
上で紹介した《スカージの使い魔》《アーチフィーンド、アスモデウス》を用いたコンボと違って追加のマナや手札を要求しないので手札2枚と4~5マナしかなくともそのまま勝ちにいけるのがメリットとなる。
欠点は無限ダメージではないのでデッキ内に残っているカードのマナ総量次第では勝ちが確定しないこと。
無限ライフをされたら確実に勝てないのはもちろんのこと、単純にライフをめちゃくちゃ稼がれてしまったとか、手札リセット呪文を何度も撃たれたり《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》を撃たれてデッキがめちゃくちゃ薄くなってしまったといった事態が発生すると相手を殺しきれないことがある。
また墓地で行うコンボでありながらそれなりのデッキ枚数も必要とするため、切削を繰り返して墓地を肥やしていく戦略が取りにくいのも難点。
《不浄なる者、ミケウス》+《トリスケリオン》
コンボ内容:
《ミケウス》と《トリスケリオン》を戦場に揃える
《トリスケリオン》の能力を自身に2回起動し、残った分で任意のプレイヤーに1点を与える。
致死量ダメージを受けたことにより《トリスケリオン》が死亡するが、《ミケウス》の効果により不死で戦場に戻ってくる。
以降は2と3を繰り返すことで無限ダメージ成立。
はるか昔から存在する、いわゆる「トリミケコンボ」として有名な2枚コンボ。
揃えば勝ちだし必要枚数も少ないコンボなのだが、なんといっても《ミケウス》と《トリスケリオン》が共に重いのが最大の難点。
いくら瞬間的なマナ加速が得意な黒でも合計マナコスト12マナは正気の沙汰ではなく、よっぽど低速な環境でない限り2枚同時に唱えて揃えるのは不可能と言っていい。
《生き埋め》+《犠牲》の2枚コンボで揃えれば現実的なマナで揃うが、その場合は「《生き埋め》する上に釣り竿が《犠牲》固定の6マナ2枚コンボになるなら釣り竿の種類を問わない《壊死のウーズ》でええやんけ」となってしまう。
2枚コンボではあるが強く使うのが難しいので統率者との相性をよく考えて採用しよう。
《敵対工作員》+《対称な対応》(※不確定2枚コンボ)
コンボ内容:
《敵対工作員》をコントロールしている状態で青黒デッキの対戦相手2名を対象に《対称な対応》を唱える。
《敵対工作員》の効果によりサーチは自分が行うため、ひとりからは《Demonic Consultation》もうひとりからは《タッサの信託者》を奪う。
奪った《タッサの信託者》をプレイし、cip能力がスタックに乗っている間に奪った《Demonic Consultation》で適当なカード名を指定してライブラリーを吹き飛ばして特殊勝利。
いわゆる「オラクルコンボ」を黒単で行うコンボ(行えるとは言っていない)。
対戦相手が必要なカードを採用しているかどうか、そしてデッキに残っているかどうかに左右される不確定なコンボだが、青黒デッキには高確率で採用されているのでそれなりに期待できる。
また十分量の墓地がある場合は赤いデッキから《死の国からの脱出》を持ってくることでも概ね勝利できるだろう。
対戦相手にも黒単がいる場合は《生き埋め》を相手のデッキから拝借することで相手の勝ち手段を潰しつつ自分の勝ち手段も用意できて二度美味しい。
ちなみに《敵対工作員》で相手のデッキをサーチしているときは対戦相手をコントロールしているため、相手の手札を見ることができる。
《対称な対応》が通っている時点で打ち消しはおそらく無いだろうが、その後の展開を妨害されないかどうかの前方確認ができるためきちんと行っておこう。
3枚コンボ
《無限なるトラザイン》+墓地に《威圧の杖》+《太陽の指輪》等の2マナ以上出せるマナアーティファクト
《無限なるトラザイン》で墓地の《太陽の指輪》の能力を使い2マナを出す。
出た2マナのうち1マナを使って墓地の《威圧の杖》の能力を使い《トラザイン》で自身をアンタップする。
1と2を任意の回数繰り返すことで無色無限マナが成立する。
《トラザイン》で墓地の《威圧の杖》の能力を使い1枚ドローする。
《トラザイン》で墓地の《威圧の杖》の能力を使い自身をアンタップする。
4と5を任意の回数繰り返すことでデッキから好きなだけ引けるようになるのでX=巨大数の《歩行バリスタ》等なんらかの勝ち手段をプレイする。
タップ能力を使うので《トラザイン》の召喚酔いは解けている必要がある。
プレイしたターンに決めるのならば《千年霊薬》や《稲妻のすね当て》等が必要な点に注意。
また《威圧の杖》でなく《ピリ=パラ》等のアンタップ能力を持つアーティファクトと複数のマナが出るアーティファクトを組み合わせることでも無限マナを出すことができる。
《ボーラスの城塞》+《霊気貯蔵器》+《師範の占い独楽》
コンボ内容:
《ボーラスの城塞》と《霊気貯蔵器》、《師範の占い独楽》が戦場にある状態で《師範の占い独楽》のドロー能力を起動する。
《ボーラスの城塞》の効果でデッキトップの《師範の占い独楽》を唱える。《霊気貯蔵器》でライフが回復する。
《師範の占い独楽》のドロー能力を起動する。
再びデッキトップから《師範の占い独楽》を唱える。《霊気貯蔵器》でライフが回復する。
3と4を20回も繰り返せばライフが200点を超えるので適当なタイミングで《霊気貯蔵器》の50点ダメージの効果を全員に起動して勝利。
このコンボのメリットはコンボ始動に必要な実質枚数が少ないこと。
《ボーラスの城塞》と《師範の占い独楽》が揃った時点で1点ライフルーズ1ドローが好きなだけできるヨーグモスの取り引き状態になるので《霊気貯蔵器》はコンボ開始時点で戦場に出ている必要がない。
もっと言えば《師範の占い独楽》ですら《ボーラスの城塞》でめくれてしまえばいいので山札次第で《ボーラスの城塞》1枚から勝利できる可能性もある。
欠点は《霊気貯蔵器》をデッキから見つけ出すプランで始動する場合はそれなりのライフが必要になってしまうことと、どれか1枚でもパーツが墓地に落ちると途端にコンボ成立が困難になってしまうこと。
コンボ自体は黒単でも可能だが、《ゴブリンの溶接工》や《財宝発掘》といったアーティファクトの踏み倒し・再利用手段のある赤黒系デッキだとより一段と輝く。
対戦相手が無限ライフコンボを決めたあとだと50点程度では死なないので別途勝ち手段が必要になる点には注意が必要。
それとライフが100点未満のときに50点バーンを飛ばして《偏向はたき》されると非常に悲しい気持ちになるのできちんと大量のライフを稼いでから50点砲を撃とう。
《不浄なる者、ミケウス》+《歩行バリスタ》+《臓物の予見者》等の起動コストがかからないサクり台
コンボ内容:
《ミケウス》とサクり台が戦場にいる状態で《歩行バリスタ》をX=0で唱える。
サクり台で《歩行バリスタ》を生け贄に捧げる。
《歩行バリスタ》が不死により+1/+1カウンターを持って蘇生する。
《歩行バリスタ》の1点火力の能力を任意のプレイヤーに使う。
以降は2~4の繰り返しで無限ダメージ成立。
《トリスケリオン》を《歩行バリスタ》+サクリ台に変えた変則的なトリミケコンボ。
メリットは必要なマナが5も減ったので手札に揃えて一気にプレイするのが現実的になっていること。
デメリットは見ての通り枚数が増えたことであるが、以下でも紹介するように《ミケウス》+《歩行バリスタ》+αの3枚コンボは3枚目のバリエーションがかなり豊富なので3枚コンボになっても揃えづらさはそこまでない。
《不浄なる者、ミケウス》+《歩行バリスタ》+《ズーラポートの殺し屋》等の死亡誘発でライフを削れるカード
コンボ内容:
《ミケウス》がいる状態で《歩行バリスタ》をX=1で唱える
《歩行バリスタ》の能力を自身を対象に使用する。
カウンターの乗っていない状態で死亡したため《歩行バリスタ》が不死により戦場に戻ってくる。
再び《歩行バリスタ》の能力を自身を対象に起動する。
2~4を繰り返すことで延々と《歩行バリスタ》が墓地と戦場を行き来するようになる。
これだけでは何も起こらないが、戦場に《ズーラポートの殺し屋》や《食肉鉤虐殺事件》等の死亡誘発でライフを削れるカードがあれば無限ダメージが成立する。
《不浄なる者、ミケウス》+《歩行バリスタ》+《金属ミミック》
コンボ内容:
《金属ミミック》(指定:構築物)と《ミケウス》が戦場にいる状態で《歩行バリスタ》をX=0で唱える。
《歩行バリスタ》の能力を自身を対象に使用する。
カウンターの乗っていない状態で死亡したため《歩行バリスタ》が不死により戦場に戻ってくる。
《金属ミミック》の効果により追加で1個のカウンターを得る。
《歩行バリスタ》の効果を1回は自分に、1回は任意のプレイヤーに使用する。
カウンターの乗っていない状態で死亡したため《歩行バリスタ》が不死により戦場に戻ってくる。
《金属ミミック》の効果により追加で1個のカウンターを得る。
以降これを任意の回数繰り返せるので無限ダメージ成立。
《不浄なる者、ミケウス》or《金属ミミック》+《狂気の祭壇》+頑強持ちのクリーチャー
コンボ内容:
《ミケウス》がいる状態で頑強持ちのクリーチャーを生け贄に《狂気の祭壇》で自分のデッキを切削する。
頑強によりクリーチャーが戦場に戻ってくる。
再びそれを生け贄に《狂気の祭壇》で自分のデッキを切削する。
不死によりクリーチャーが戦場に戻ってくる。
1~4の無限切削を、墓地に《戦慄の復活》と《血の芸術家》等(+フラッシュバックコスト用のクリーチャーが足りなければ《憑依された死体》《恐血鬼》等)が落ちるまで行う。
《戦慄の復活》で《血の芸術家》をリアニメイトする。
1~4の無限切削が無限ライフドレインコンボになるためそのまま勝利。
頑強と不死の両方を持つクリーチャーは死亡時にどちらかの条件を満たすため無限に生け贄にできることを利用したコンボ。
《金属ミミック》の場合は手順は同じだが不死ではなく+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが打ち消し合うルールを利用した無限頑強コンボとなる。
《ミケウス》は人間でないクリーチャーにしか不死を付与できないが、現在存在する頑強持ちのクリーチャーに人間は存在しないのでどれでも構わない。
一応対戦相手のライブラリーを切削し続けて0にしてからターンを回すことでライブラリーアウトによる勝利を狙うこともできるが、相手のデッキにライブラリー回復手段が入っていたり墓地にカードが落ちることでこちらへの対処が可能になってしまったりアップキープ中に勝たれる可能性がないとは言い切れないのできちんと自分のデッキを切削して勝てるように構築しておいた方が良いだろう。
勝ち手段のためだけに《狂気の祭壇》を採用するとデッキが歪んでしまうが、もとから自分のデッキを切削することに大きな意味があるタイプの統率者では有用なコンボ。
なおこのコンボを行う際のサクり台が《ファイレクシアの供犠台》であれば黒無限マナ、《臓物の予見者》であれば無限占術、《爆破基地》であれば無限ダメージ成立となる。
条件付き3枚コンボ
《死体のダンス》+《隻眼の将軍 夏侯惇》+《忌むべき者の歌》(条件:墓地にクリーチャーが6枚以上)
コンボ内容:
《忌むべき者の歌》を唱えて黒6マナを発生。
《夏侯惇》を唱えて能力を起動し《忌むべき者の歌》を回収。
《忌むべき者の歌》を唱えて黒7マナを発生。
バイバック付き《死体のダンス》で《夏侯惇》をリアニメイト。
《夏侯惇》の能力で《忌むべき者の歌》を回収する。
バイバック付き《死体のダンス》と《忌むべき者の歌》を唱えるのに必要なのが合計6マナなので、《忌むべき者の歌》で7マナ以上出せるなら以降は3~5を繰り返すことで黒無限マナが成立。
無限黒マナを用意したら統率者を唱えてそのまま能力で勝利するか、墓地に《悪魔の教示者》のようなサーチカードがあれば最後に《夏侯惇》でそれを回収して勝ち手段をサーチしてくることで勝利する。
無限黒マナを用意すれば勝てる統率者の具体例としては《アンデッドの大臣、シディシ》(cipで自身を濫用して無限サーチ)、《アーチリッチ、アサーラック》(cipによる無限ダンジョン探索)、《ロークスワインの元首、アヤーラ》《厳格な者、コンラッド卿》(《夏侯惇》ループで無限ダメージが発生)等がある。
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