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【1.5万円くらいでEDH】身内卓でカジュアルに遊んだときのルールとゲーム内容の話

はじめに

普段遊んでいる友人が「海外ではデッキの金額を40ドル以内に抑えてEDHをするのが流行っているようだから我々もやってみないか。でもいきなり40ドルは厳しいからまずは1万円以内で」というようなことを提案してきたので全員で乗っかって1万円以内(※)で統率者戦のデッキを組んで遊んだのだが、これが意外と楽しかった。
※後日、後述の特殊ルールが付いた。

普段はレベル3~4帯で遊んでいるだろうカジュアル勢の気持ちもなんとなく理解できてかなり有意義だったので今回は私が遊んだときのルールとこのルールで遊んだときの雑感を記していく。

ルール

・デッキの予算は1万円を上限とする。カードの価格は組んだときのWisdom Guildの最安値で判断すること。

昨今のマジックのシングル価格は市場価格の上下が割と激しめで、1万円で組んだデッキが翌週には1万2千円になっていたみたいなことが結構ある。
値上がるたびにいちいち改造なんてしていられないという理由で「組んだときの価格」が1万円以内ならあとあと高騰してもセーフということにした。

もちろん「大昔に500円で買ったから」という理由で昔の安価な(そして現在は高価な)カードを入れられないようにする意味もある。

・特殊ルール:例外的に以下のカードを0円として扱う。

  1. 基本土地

  2. ダメージランド(2色のもののみ)

  3. ショックランド

これは最初の1回目にはなくて、第2回目の開催時に追加されたルールだ。

このルールが誕生したのは、最初に「1万円でデッキを組もう!」という大雑把なルールだけでデッキを持ち寄ったところ4人中3人が(おそらく多色土地代の節約のために)単色デッキを持ってきてしまい、更に唯一持ち込まれた3色デッキはタップイン土地と色事故に悩まされてロクに動けなかったのが原因だ。

あくまで限られたカードプールから生み出される奇抜なコンボや意外な活躍を見せる統率者が見たいのであって、動けない多色デッキを見たいのではないということで一部のアンタップインする多色土地(とついでに基本土地)を0円扱いとすることにした。

なので実質的な予算は色にもよるが2色デッキで1万2~3千円ほど、3色デッキだと実質1万5~6千円くらいといったところか。

ショックランドとダメージランドが選ばれた理由は特になく「まあこれくらいならええやろ」くらいの適当な感覚で決めたのだが、実際にやってみたら結構ちょうどよかったのでこれくらいが適正だと思っている。

対戦した雑感

資産1万円でも5~6ターン目に勝ちに行くようなデッキは組める

最初は「たった1万円じゃクリーチャーの戦闘メインになるかな」と考えていたが、まったくそんなことはなく普通にそれなりのターンでコンボに行けるデッキがたくさん組まれた。

おそらく対戦相手がもっと高い金額でデッキを組んでいたとしてもデッキレベル3~4の卓に持ち込んだらあまり良い顔はされないだろうな、と感じた。

デッキパワー的にはどれもギリギリ5あるかないかくらいだと思うのだが、可能な限りコンボに寄せる構築というかその志みたいなものが適正レベルを大きく上げてしまっている感じだ。

初手に《太陽の指輪》があるプレイヤーがめちゃくちゃ強かった

ある程度デッキレベルの高い環境だと初手のナチュラル《太陽の指輪》で一気に差がつくようなことはほとんどない。
「は?強すぎか?」などと文句を言いつつも他のプレイヤーは他のプレイヤーで《吸血の教示者》から《魔力の墓所》を積み込める手札だったり《宝石の睡蓮》で一気に統率者をプレイできたりする手札をキープしているからだ。

だが《太陽の指輪》以外に高速マナ加速がなくてサーチもできない環境は話が別で、いきなり2マナ加速できるのは犯罪的に戦局を有利にしていた。
《太陽の指輪》から《秘儀の印鑑》まで繋がろうものなら「もうゲーム終わっただろ」みたいな雰囲気すら漂うレベルだった。

今まで『一部のカジュアル環境で《太陽の指輪》が嫌われている』というのは情報としては知っていても嫌われる理由がイマイチ理解できなかったのだが、それがなんとなくわかったのは良い収穫だった。

低価格帯だと緑は人気色

ゆえに緑がめちゃくちゃ流行った。
軽量マナ加速を用意できない環境で唯一許されていたのが《ラノワールのエルフ》を筆頭としたクリーチャーによる加速であり、大量の1マナエルフを格安で用意できる緑色のデッキがもっとも人気だったように思う。

ピッチスペルが環境にほぼ存在しなくなったせいかコンボの成功率が上がっていた

この環境では価格的に《意志の力》《激情の後見》《偏向はたき》の0マナ妨害三本柱が誰のデッキにも入っていないのが自明だ。
現実的に採用できるピッチスペルの打ち消しは《撃退》ぐらいしか存在しないため、「相手のマナが全部寝てる=ほぼ確実に安全」という図式が成り立ってしまっていた。
念のためにバックアップ用の打ち消し1枚を用意できればもう概ね盤石だ。

青いデッキも頑張って《対抗呪文》や《否認》用の2マナを立てておくことはできるのだが、それをやり続けると自分だけ展開が遅れてしまってゲームにならないので結局どこかで動かざるを得なくなり、その隙に誰かが無限コンボを決めるというのがお決まりのパターンだった。

このピッチスペルの危険性が少ないことによるコンボ始動の易化がカジュアル環境で無限コンボが嫌われる理由なのかな、などと思ったりした。

そもそも妨害カードが高くてあんまりデッキに入れる気がしない

一応《精神的つまづき》とか《誤った指図》みたいな0マナで撃てる妨害も1マナで軽い《白鳥の歌》とか《沈黙》も入れようと思えば入れられるのだが、他人を妨害するためのカードに1枚500円とか払っていたらそれだけでデッキの資金が圧迫されて自分のやりたいことがまったくできなくなるので優先順位を下げに下げた結果入らなくなるということが発覚した。

仮にデッキの上限金額を上げたとしても全員自分の動きを強化するためのカードを買うはずなので、この環境で軽量妨害が飛び交うことはなさそうだ。

現環境で見ないようなコンボはたくさん見れた

例えば《祝福されたエミエル》+《波止場の恐喝者》は宝物が4つ以上出るならお手軽に有色無限マナを生み出してくれる有名コンボだが、1万円EDHでは《波止場の恐喝者》なんて当然使えないのでこの環境の《エミエル》は以下のような形で有色無限マナを出していた。

「頑張ってここまで揃えたんだからそりゃあ君の勝ちだよ」という感じだ。

一応《ウラブラスクの僧侶》と《裕福な亭主》は他のカードでも代用できて必ずしもこの4枚コンボでなくていいのだが、それにしたって《波止場の恐喝者》の頃にあったお手軽感はもう完全に消滅している。

また《血の暴君、シディシ》が頑張って基本土地を排除して《隠遁ドルイド》を採用したり、《汚れた契約》(高くて《Demonic Consultation》は採用できない)から《研究室の偏執狂》(《タッサの信託者》は以下略)で勝ちに行く昔懐かしい光景なんかが見れたのもよかった。

最後に

デッキの価格を低価格に抑えるという条件付きの統率者戦をやってみたが、《太陽の指輪》の圧倒的強さを思い知らされたり、普段何気なく撃ってるピッチスペルのありがたみを知ったりと、同じ統率者戦のはずなのになんだか新鮮なプレイ体験を得られた。

構築方針の違い(高速コンボに寄せるorまったり戦闘で勝つ)は金額を縛ったところで現れてしまうのでよく言われる「ガチとカジュアルの差をなくす」ための施策としてデッキ価格を統一するのはもしかしたら意味を成さないのかもしれないといった気付きもあった。

ただ今回の遊び方に関して言えば各々コンボに創意工夫を凝らしてなんとか低価格かつ少ない枚数で勝とうという挑戦をしていたのがよかったし、私も高額カードの代理をなんとか低額カードでできないかとカードリストとにらめっこするのはとても楽しかったのでオススメである。

普段は高レベル帯でプレイしている人も面白い発見があると思うのでぜひ遊んでみてほしい。

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