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社内コミュニティはいいぞ!という話

この記事はDevLOVEアドベントカレンダー 12日目の記事です。

本日は、社内コミュニティはいいぞ!という事についてお話していきたいと思います。

社内コミュニティとは?

まず、社内コミュニティとは何なんでしょう?
IT用語辞典のBINARYによると、以下の定義となっています。

コミュニティとは、英語で「共同体」や「地域社会」を意味する語である。IT用語としては、インターネットなどを通じて特定の目的や話題について交流するユーザーの集合などを指していることが多い。

『IT用語辞典 BINARY』より一部引用

何か共通の目的や、話題について交流するのがコミュニティという事なので、私は組織横断的に有志で勉強会などを継続的にやっている集まりもコミュニティの一部だと思っています。

社内コミュニティを立ちあげる目的

私は、数年ほど前に、社内に「アジャイル」を文脈にした社内コミュニティを立上げました。その目的は、以下の3点です。

  1. チームとチームをつなぐ(社内の分断を現場でつなぐ)

  2. アジャイル・スクラムを社内に広げる

  3. カルチャを変える(〇〇っぽさをポジティブに)

私は今の会社に長年勤めていますが、これまでの歴史の中では、多くの仲間たちが会社を去っていきました。その仲間たちから聞く、ネガティブな理由を少しでもポジティブに変えたいという想いで、社内コミュニティを立ちあげたのがおそらく2年ほど前の話です。

社内コミュニティって何するの?

社内コミュニティといっても様々な形態があると思いますが、私の場合は大まかにいうと以下2つの活動です。

  1. 勉強会、LT会などのイベント運営

  2. Slackでの情報交換や雑談

上記2つの活動について有志を募って、ゆるく実施している感じです。当初は50名くらいからはじまり、現在では130名くらいの規模になっています。

社内コミュニティのコンセプト

私のコミュニティでは、コンセプトを決めており、内容は「日常に学びと楽しみを」と「相互理解→相互支援→相互成長できる関係づくり」の2つとしています。そのため、勉強会やLT会を通じて日常の中に学びや楽しみをつくり、Slackなどので情報交換を通じて相互理解を深めているのです。

社内コミュニティの価値とは?

私は社内コミュニティの価値とは、大きく2点だと思っています。

①人と人がつながる場

社内コミュニティの価値とは、1つはその名の通り「人と人とのつながり」です。私の場合、アジャイルに興味を持っている人に限らず、我々が発信する情報に少しでも面白そうと感じてもらえれば参加可能なため、色々な部門のメンバーが集っています。そのため、普段仕事からは少し離れ、利害関係のない場所で社内の仲間たちと気軽に交流できる場があるというのは、それだけで価値だと思っています。「ちょっと〇〇に詳しい人います?」的な質問が簡単にできちゃうわけです。

②コミュニケーションコストの低い仲間づくり

2つ目の価値は、①と若干似ているのかもしれませんが、コミュニケーションコストの低い仲間を集めることができることだと思っています。コミュニティに参加してくるメンバーというのは、興味や目的をもって自分の意志で参加してくる事が多いため、その時点で意欲的な人が多いです。そのため、何か新しい事・面白そうな事を思いついて「やってみたい!」と思ったときに、「なんでそんなことやるの?」というネガティブな入口ではなく、「いいね!どうやる?」というすぐにHOW(手段)の話に入れる、比較的コミュニケーションコストが低い仲間が集まる場が作れます。

コミュニケーションコストの高低イメージ

ちなみに、私はこれまで、社内に「仕事仲間」はたくさんいても「友達」と呼べるような存在はいませんでしたが、社内コミュニティを始めて「友達」に近い関係性の仲間ができた気がします。

余談ですが、アメリカの調査会社の報告によると「職場に親友と呼べる人がいるか?」というアンケートにYESと答えた人は、NOと答えた人よりも仕事の成果や顧客満足度に対するコミットメント、ベストを尽くそうとする強さが7倍も高かったそうです。なので、社内に友達といえる仲間が増えるのは会社としても、とても良い事だと思います。

社内コミュニティを運営する4つのポイント

ここからは、私なりに社内コミュニティを運営するうえでのポイントを残していきたいと思います。私が思う運営のポイントは、以下4点です。

それぞれ、下記に解説していきます。

①思い立ったら始めるべし!

まず、ココまで読んでいただいた方で、社内コミュニティをやってみたいと思った方は、ぜひとも今すぐ始めるべきです。思い立ったら吉日、あなたの周囲のメンバーに声をかけて、まずは2人からでもよいので、コミュニティを始めちゃいましょう。何も「社内コミュティ」と宣言しなくてもいいのです。「勉強会」「LT会」「〇〇部」など、名目は何でもよいので、定期的に仲間が集まる場を作るのです。

②自分の中の『芯』を作るべし~インセプションデッキのすすめ~

とりあえず始めたら、最初にすべきことは、自分の中の『芯』を作ることです。何のために社内コミュニティを作るのか?社内コミュニティで、何をするのか?どういう価値をもたらしたいのか?を言語化すべきだと思います。

私の場合は、これらをインセプションデッキにしたため、自分のコミュニティにかける想いや、自分の中の正義を言語化しました。言語化するツールは、インセプションデッキじゃなくても、ゴールデンサークル、ミッション・ビジョン・バリューでも形は何でもいいと思います。もし外部から「何でそんなことしてんの?」と突っ込みが入った際に、自分の考えをしっかりと理論立てて話せることが必要です。これがきちんと言語化できていると、仮に「業務時間中にコミュニティ内で、勉強会やりたい!LT会やりたい!」となったときに、上層部への説明が可能になります。

ちなみに私は当初、社内コミュニティをアンオフィシャルに立上げ、ランチタイムや定時間後に活動していましたが、すぐに限界がきて、自分が作ったインセプションデッキをもとに、上層部に業務時間内で活動することの承認をもらいに行きました(^-^;)この時、すでに自分の中には『芯』ができあがっていたので、すんなり承認を得ることができ、ホッと胸をなでおろしたのでした。

③運営チームを作るべし!

3つ目は運営チームを作ることをお勧めします。コミュニティの規模によると思いますが、1人で運営するには限界があります。立上当初は孤軍奮闘していた私ですが、こちらもすぐに限界がきて、運営チームの募集をSlackにかけました。そうしたところ、運よく数人のメンバーが手をあげてくれて、運営チームを立ち上げることができました。やはり仲間がいるというのは、心強いものです。

コミュニティへの参加が強制でない限り、この手の活動に自分の意思をもって参加してくれる方々には、自分が「困っている」ことをオープンに打ち明けると、案外助けてくれるものです。それを、私は実体験から学びました。

④傾きをゼロにしない

きっとこの手の活動を継続していると、そのうち何かしらの壁にあたります。本業の業務が忙しくて手が回らない、人が集まらない、イベント(勉強会、LT会)のマンネリするなど・・・。しかしその際、傾きをゼロにしない(活動をゼロにしない)ことも重要だと思います。

もし、あなたが運営がしんどかったら、イベントなどの開催はやめてしまってもいいかもしれません。心を痛めてまで、コミュニティを継続する必要はないと思っています。しかし、皆が集まれる場所、発言できる場所は継続した方がいいと思います。

例えばですが、コミュティ内での雑談や定例、Slackのチャンネルなどを残しておくだけでもいいかもしれません。辞めるのは簡単ですが、この手の活動をやめてから、再開しようと思うと、中々大変です。また、ネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。

そうであれば、場所だけは残す、たまに雑談だけでもするなど、ゆるく細い「つながり」は残しておくべきだと思います。そうすることで、きたるべきタイミングに備えるのです。(これは「組織を芯からアジャイルにする」の「組織アジャイル適用7つの原則」から得た考え方です)


最後に

さて長々と書いてしまいましたが、私の中では、こういったコミュニティ活動が、社内で活性化している会社は「良い会社」であると思っています。そのうち各企業が「社内のコミュニティ活動の成熟度・活性度」みたいなものを数値化して公表してくれると、対外的にも、企業カルチャのアピールにでもなるのでは?と考えたりもします。

私は人と人とのつながりが好きで、誰かの役に立ちたいと思っています。そんな願望の一部を実現してくれる社内コミュニティという存在は、私にポジティブな感情をもたらしてくれます。この経験があり、私は社内だけでなく、社外のコミュニティも積極的にかかわろうと思い、現在はDevLOVE・シンアジャイルなどのコミュニティに参加しています。

この記事が何か読んでくれた方の参考になればと思います。
おしまい。


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