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【Gt.編 中編】レーベルメイトのPulse Factory/RED in BLUEが対談してみました

前回の前編パートでは3人のギタリストがどうしてギターに興味を持持ったのか?少年時代手にした思い出のギターについて語ってもらいました。今回は中編ということで今の愛用ギターの紹介や作曲者としての面も掘り下げていきたいと思います。

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愛用機を紹介してください!

―それでは最近の愛用機を紹介してもらおうかなと。普段ライブでのメインギターでもいいし、ライブでは使ってないけど制作では愛用してたりとかでもいいよ。
Y:Tom Anderson(トムアンダーソンっていうメーカー 通称:トムアン)のギターですね。ライブでメインで使っているのも同じメーカーのギターですけど、今はこのライブでは使っていない方のトムアンをよく触っています。
田:えっ!トムアン2本持ってるの???
M:そう思うやろ、グッチ!これ借りもんやねん!トムアンみたいな高級なもん貸すなよって思わへん??(笑)。
田:いいなーー。いいなーー。
Y:そうなの。「ボロボロになるまで使ってください」って借りたの。アームがついてるから今まで使ったことない奏法を取り入れたり、プレイの幅が広がるなって思ってる。
田:今、テクニカルにアーム使う人多いもんね。
Y:うまいこと俺の中で昇華できたらなって思ってる。アーム使ったフレーズ今後出していこうかなと。

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―Masaki君は?
M:俺はこの黒いSuhr( サーってメーカー)のギターですね。ライブでは使ってないですけど制作はほぼこれやな。俺がライブで使ってるオレンジのSuhrのギターあるやん??あれ俺見た目で買ったわけじゃないねんな。東京に行って楽器屋で試奏したときに衝撃受けた。今までEdwardsのCRYING STAR弾いてたやつがSuhr弾いたらそりゃあ「めっちゃいい!!!」てなるやん。これ絶対欲しいって思ったけどオレンジしかなかった。だから正直色は妥協した(笑)。そん時に黒のこのギターもお店にあって。しかも黒でピックガードはべっ甲色で渋いやん。そして実は俺はこっちの方がいい音すると思ってる。
田:なんで黒い方ライブで使わないの(笑)??
M:ライブ向きやないねん。ライブだと弾きづらい(笑)。体に対するフィット感がオレンジの方がいいんやな。そんでこの黒のギターは音も気に入ってる。ジャキッとして好きな音でるし。

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―グッチ君は?
田:僕はこの緑のギターですね!
M:それESP(イーエスピーっていうメーカー ESPのちょっとお値打ちなブランドとしてEDWARDSというブランドがある)やっけ?
田:これは一応ESPですけどEdwards pratinum edition(エドワァーズプレミアムエディション)っていうラインのギターなの。市販しているものではなくて今は9mm Parabellum Bulletの滝さんも使ってるけど
、職人さんのこだわりとプレイヤーのこだわりを詰めるってコンセプトで、市販品ではできない試用を試してアーティストの要望に応えるみたいな感じ。売られているものではないからこのギターネックの形状も変わってるの。
Y:ほんまや!
M:完全に気に入ってるのそこやん!ネックやん!
田:それもあるけど、軽いし、頑丈だし、重心のバランスもいいから回しやすいし。。。
M:プレイと関係ないとこもあるんやな(笑)。
田:でも自分の求めるのは頑丈で音が早いギターだから(笑)。ギター回しはプレイです。
M:名言出た――(笑)。ギター回しはプレイです。。それって広島クアトロで対バンしたときにぶん投げたギターやんな??
田:いや。それ実はもう一本の方のギターなの。同じ色のギターを2本ESPが提供してくれてて。あの時飛んで行ったのは元々はサブギターとして使っていた9mmの滝さんモデルのギターをちょっと改造してもらおうとメーカーに送ったのね。もともとは茶色のギターだったけど、貼ってた蛍光緑のシールを見た職人さんが「グッチ君、この緑色好きなのねー」ってなり蛍光緑になって戻ってきたの(笑)。俺のギターの何がいいって、クアトロの時もギターぶっ飛んでいったけど、折れてもないしチューニングくるってないしそのまま弾けたから(笑)。
ーやっぱみんなの個性とかギタリストとしてのスタンスが良く表れてるね!

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Pulse Factoryではやらないと思うけどこういうのギターの醍醐味というかギタリストならではのこだわりが垣間見えた(Yussan)

―今回の企画に際しPulse Factory『ULTRANOVA』とRED in BLUE『MUTANT CIRCUS』の「自分のプレイのここを聴け」っていうアンケートを事前にもらっているからそこを聞いていこうかな。まずはグッチ君の聴いてほしいフレーズから。選んでくれたのはM2.「さよならのかわりに」のイントロやサビのアルペジオ(単音を弾いていくフレーズ)、ギターソロ。あとM3.「テレポーテーション」の速弾きということなんだけど。

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M:「さよならのかわりに」のアルペジオはコピーしたくない。「テレポーテーション」の速弾きは自分も通ってきた感じがすんねん。通ってきた道だから「グッチこんなことすなよ。もうええって(笑)。」みたいなのはある。見せつけんなって(笑)。でもどっちかをコピーしろって言われたら「さよならのかわりに」の方がやらしい。あのアルペジオは楽譜がないとやろうと思わない。耳障りがいいくせに細かいことやってんなって(笑)。

―例えばMasaki君にここアレンジしてってなったら違う感じになる?
M:全然違う感じになると思いますよ。あんなに音符詰めないと思う。あそこで音符を詰めるところがRED in BLUEらしさというか、俺の中でRED in BLUEらしさ=グッチの音数の詰め方みたいなとこもあるしな。
田:詰めちゃうの。。。
M:俺はそれがいいと思ってんやけどな。「テレポーテーション」の速弾きも俺ならやらへん。だってライブでしんどいのわかってるし。でもRED in BLUEの楽器隊の3人はいつもしっかりあそこ弾きよんねん。あれは楽器弾かない人でも興奮するポイントやろうな。なんか興奮するみたいな。
Y:俺は「テレポーテーション」のイントロはギタリストだったらコピーしたいなというか、ギターキッズは心揺さぶられる系のフレーズですよね。Pulse Factoryではやらないと思うけどこういうのギターの醍醐味というかギタリストならではのこだわりが垣間見えるなって。「さよならのかわりに」のイントロのギターの重ね方は俺は好き。
ーちなみにYussanならここどうする?
俺がアレンジするなら今なら歌を聞かせようと思って全音符を重ねてバイオリンやピアノを重ねたりするかもしれないけどギターでああいう感じで色付けするのは流れもきれいだしいいアレンジだなと思う。


―じゃあ今度はPulse Factoryの二人が選んだ「自分のここを聴け」というフレーズをグッチ君に語ってもらおうかな。Yussanが選んだのはM4.「希」のイントロのフレーズ、ギターソロ。

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田:なんといってもこの曲はギターソロでしょ(笑)。一音目からトップスピードじゃん。おれあれ弾けん(笑)。
Y:まぁ手癖というかー。ってか弾けるやろ(笑)。
田:第一印象の話じゃないけど、トラディショナルな奏法というかテクニックというかハードロック全盛みたいなことやってるんだけど本当にうまくないと弾けないし、教科書的なことをマスターしてないと出てこないソロだと思う。Pulse Factoryはインテリなことやってるなって思ってるから。話してる感じはインテリさ全くないけど(笑)。このソロはYussanの性格が出てる気がして流れがきれい。来て欲しいところでドンってソロが来て、出し尽くしてサッと去っていく。いい意味で「もうちょいソロ聴きたいけど終わっちゃうのね」みたいな。
Y:昔だったら倍の長さいってたかも。ソロだけじゃないけどもっとライブでみんなの顔見て弾けるフレーズにしたりしたいなとか考えも変わってきたかな。
田:今度コピーして弾いてみた動画する!

―じゃあMasaki君が選んだ「自分のここを聴け」というプレイはM.10「CHAPTER SONG」のAメロの右側で鳴っているギター。
M:先に言っとくと左で鳴っているギターも俺が弾いてんねん。だからライブをイメージしてると右から鳴ってるギターの音ってYussanが弾いてんのかな思うかもしれんけど両方俺が弾いてるから。
田:俺の中ではJUDY AND MARYの「そばかす」みたい。コードに対してずっとフレーズが動いていくプレイだよね!俺はあんなフレーズやりたくない(笑)。考えるの絶対めんどくさいし。
M:そやねん。あれはめんどくさかったなー。
田:歌のリズムも跳ねてるし、邪魔をしないように意識しつつギターの音があんなに動くとか考えたくない。あれって手癖?
M:ちょうどRAD WIMPSを弾く機会があってこういうことやってんやなって思って。ギタリストが弾いてて手が気持ちいいフレーズを考えれたかなー。
田:聞き流す分には心地いいんだけど、ちゃんと聴くとげっそりみたいな。俺は敬遠してきたフレーズかも。俺がもしやるってなったらもっと音詰め込んじゃうと思う。あんなに聞かせる感じにはならないかな。俺だとつい主張しちゃうから(笑)。やっぱPulse Factoryは頭脳派だなと思う。主張ギリギリしてないバランス感がすごい。
M:グッチの方が考えはギタリストっぽいけどな(笑)。
田:YussanとMasaki君は理論派だから、「男だったらこうでしょ!!」みたいな精神論のフレーズのは少なそう。。。
M:なるほどな(笑)
ーこの対談読んでそこをもう一回聴いてほしいよね。そんなとこ気にしてなかった!って人もいると思うし、ライブでつい目が行くようになるだろうし。

曲聴いてはまってライブを見に行ったら迫力に圧倒されると思う。(田口)
今日日、あんだけギターが出てるのも珍しいよな。(Masaki)

―レコーディングのギターサウンドに関してだけどPulse FactoryとRED in BLUEは全くやり方が違うんだよね。Pulse Factoryはライン(ギターから出ているクリーンサウンド)をレコーディングして後から音を歪ませたりする作業だし、RED in BLUEはその場でアンプで歪んだ音を作って音を決めてレコーディングしていく作業なんだよね。なんならPulse FactoryはYussanの家でギターの音はレコーディングするから。
田:えー。ラインで全部録るんですね!しかも家で!!
Y:まぁ家だと時間を気にせずにゆったりできるからね。リラックスした環境でできるからいいよ。
田:そっか!緊張はしないよね。
M:でも、ギター二人分録ろうと思ったら結構時間かかるで。自分の作った曲でYussanのパートを考えてレコーディングで弾くときとか、ライブで俺が弾くフレーズちゃうから難しくてもかっこよかったらええわっていうのあるしな(笑)
Y:ライブで弾いて、結構大変やなっていうのある(笑)
M:ラインの音を歪ませる時も自分のライブで使ってるアンプじゃなくてスタジオのMarshall(マーシャルっていうアンプのブランド)でいいなって思う。Pulse Factoryの曲って激しくても意外にギター歪んでなかったりするしな。ライブで使ってるアンプはドゥーンって低音出るけど音源ではそこの部分はいらんかな。
Y:俺は新しい機材とかも積極的に試したりもすることもある。今回はM4.「希」ではBIAS AMP(バイアスアンプっていうブランド)使ってみた。でも総じて言えるのは、ギター単体の低音は結構ばっさりカットするな。粒立ちとか歌が混じったときのトータルのバランスに重きを置いてる。

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―YussanもMasaki君もギタリストだけどコンポーザーの一面というか曲全体のバランスが頭の中で最初から鳴ってるんだろうなと作品を一緒に作って思ったよ。グッチ君のレコーディングは機材の選定から大変だよね。
田:そうですね。今回は使えそうかなっていう物はギター本体だけでなくエフェクターもアンプも全部持っていきましたからね。ピックも200枚くらい持っていきました。
M:あはは!お前は本当にプレイヤーやな(笑)。
田:最初にギターとアンプで基本となる音の組み合わせを数パターン作るとこからスタートするよ。それが決まったら、Aメロは右で鳴ってるギターとアンプはこの組み合わせで、左で鳴ってるのはこの組み合わせだけどBメロはこうみたいな。
M:そんなにギターかえるの??
田:変えるね。ギターもアンプも。で全部何使ったか松浦さんにメモしてもらってこの曲はあの曲と同じ組み合わせがしっくりくるかな?みたいな。
ーやってる本人は忘れるからマジで秘書みたいな感じ。二人三脚感出てくるよね(笑)。
Y:うわー。大変やな。。。
田:今作ではM2.「さよならのかわりに」のド頭のアルペジオの音の作りこみ大変だった。デモはクリーンだったけどちょっと濁った感じが出てほしからピッキングでギリギリ歪むセッティングを模索したなー。その音作るだけでも相当時間かかった。
M:グッチはパソコン上で音作ったりはしないの??
田:デモの時はするよ。歌が一番前にいるのは大前提だけど、いけるだけギターの音は前に出したいからこだわる(笑)。
M:その思考が俺はメタラーの思考だと思う(笑)。俺もそうやった。なんならギターがメインみたいな。今日日、あんだけギターが出てるのも珍しいよな。
田:確かに今回の対談に当たってPulse Factoryの音源聴いて自分のどんなんだったかなと思って聞いたら「ギターがバリ出てる!」って思った(笑)。
M:せやねん“RED in BLUEの音源、ギターめっちゃ出てんねん!俺らも最初の音源はそうやねん。ギター聞かせたいって思ってたしな。でも年を重ねていくごとにギターそんなに聞こえんでもええかなって思いだした(笑)。

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田:ちなみにライブと音源って別って感じで考えてたりする??
Y:そういわれると考えてないかも。
田:いい音源といいライブって別物みたいな?
M:それは別物やな。
Y:そうやな。
田:いい意味で、音源はスタイリッシュだしスッキリしてバランスいいのに、ライブ行くと楽器の音もでかくて音ゴツイ!曲聴いてはまってライブを見に行ったら迫力に圧倒されると思う。
M:へぇーそうなんや。逆に俺はRED in BLUEは音源とライブにそんなに差がないと思ってるけどそれでええんよな??
田:俺らはそれ狙ってるから大丈夫(笑)。各々の音がすごい暴れているのをギリギリ押さえつける感じを今作は出したかった。

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日々時間あったらデモ作り。ジャンルとかにも縛られずにとにかく作ることを習慣にしてる。(Yussan)

田:ちなみにYussanとMasaki君は今どんな曲作ってるの?
M:今なー。めっちゃ悩んでるわー。
田:次どう進むかってこと?
M:それもあるな~。スクラップ&ビルドやな。でその壊したやつを一番いいやつに付け加えていってる。スクラップ&ビルド&リユースやな。
田:YussanとMasaki君は曲を作る数は同じくらいなの?
M:全然。数はYussanの方が多いで。
Y:今はPulse Factoryだけやないからな。楽曲提供もしてるから。日々時間あったらデモ作り。ジャンルとかにも縛られずにとにかく作ることを習慣にしてる。
M:グッチは曲作る時って「よし!曲作ろう!」って思って作ってんの?Twitterとか毎日書いてるやん。
田:どんな形になってもいいからゼロからイチを作るって決めてやってる。パソコン立ち上げたからやらないといけない状況を作る。とりあえずビルドしまくってる。
M:パソコンの前に座るやん。よし!曲作ろうってなるやん。何も生み出せず一日たつことない??
田:あるある。それっめちゃ分かるー。。

前後編に分けようと思ったのですが話が盛り上がり今回はここまで!
後編では「お互いのニューギターを勝手に考えてもらいました」どんな見た目やサウンドのギターを選ぶのかとても面白いことになりました!
お楽しみに!


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