風鈴
淡い模様で彩られた丸いガラスの可愛らしいフォルム。
儚く耳に届く音。
大好きだ。
でも正直私は家に飾ったことがない。実家にはあったような気がするがあまり記憶にない。
そもそも暑い中で爽やかな風が音を鳴らすからこそ価値があるんだと思う。
窓を閉め切った室内で無理やり鳴らしたり、機械から出る風が鳴らしたりするのは、風鈴の望むところではないと思う。
神社などで風鈴祭りといって色とりどりの風鈴が並び、耳に刺さってくるような音色を鳴らしている場面をよく見る。
光景自体は美しい。ガラスに光が透けて綺麗に見えるのは外で見るからこそだ。
でも少し儚さに欠けてしまう。
たくさん集まって自信をもったような音を鳴らしている姿よりも、1人儚くすぐに消え入る音を奏でているからこそいい。
しかしそんな姿こそ本当に絶滅危惧種になっている。
窓を開け放って、ときおりなる風鈴の音に耳を澄ませて、余裕もって過ごせる夏がよい。
〜愛おしいものシリーズ第2弾〜
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