「太ってる方がマツらしいよ」って言われた話。


「マツは痩せないでほしいな〜!太ってた方がマツらしいよ!」


生まれてこの方28年間基本ぽっちゃりで生きてきた私。職場の先輩や友達など、何度となく上記と同じようなセリフを言われたのだけど、これってどうなんだろう。

言われた当時、私は「太ってるのがわたしらしさなんだ!嬉しい!」なんて一ミリも思えなくて「何言ってんだこいつ」と思っちゃったんだよね。
こういうセリフ、「痩せてる人間のマウント」にしか思えないんだよね。

言った本人は太ってることの肯定の意味を含めて言っていたり、なんの気なしに言っていたりしたかもしれない。
しかし言われた張本人からしてみたら「お前にはデブがお似合いだ」「どうせ痩せられないんだから悪あがきすんな」と歪んで受け取ってしまうので、どうしたってポジティブな発言にはならない。

まず前提として、「その人らしさ」を体型(体重、身長等)に求めるのはやめるべきじゃないかな。
「らしい」とか「っぽい」というのは洋服や所作、発言、喋り方、性格などの中身から発生するものであって、体つきは「らしさ」に含めるにはいささか気にかけるべき点が多すぎる気がする。

その人らしい体型は本当にその人が望んだ体型だろうか?もしかしたらその人は摂食障害かもしれない、その体型はコンプレックスかもしれない。
どんな背景がその人の外見の裏にあるか分からない分、こと体型に関しては慎重に発言をしなければならないと思う。

たとえばの話、渡辺直美がめちゃくちゃ痩せてメディアに出たらさ、「痩せちゃったら直美ちゃんらしくない〜!」「ぽっちゃりの時のが好き」って叩く人は絶対出てくるじゃん。(んで大体こういう人たちって、リバウンドすると「痩せてた方が可愛いかったー」って言い出すんだよね。発言が忍術レベルで変化するのよね。)
でも言うて彼女の魅力ってぽっちゃりしていること単体じゃなくて、自分の魅力を最大限に引き出して堂々としていることとか、オシャレの感性とか、ダンスとか、笑いのセンスとか、そういうとこが大きいと思うんだよね。だから太ろうが痩せようが彼女の中身は変わらない。魅力がなくなることはないはずなんだよね。

実際、体型に関して色々言われて悩んだり自信をなくしたり、摂食障害になったりする子はたくさんいる。
どんなに悪意がなくても、その人の存在を肯定するつもりで言っても、私みたいに認知が歪んでいると自己否定の材料として受け取ってしまう。
でもその子の体型がどうなろうがその子の魅力はたくさんあるはずだし、太ったから痩せたから身長が伸びたからといって付き合いも変わらないはず。

だから体型にその人らしさを求めるのはやめてほしいな。「あなたはあなただよ」って、全部まるっと包んでほしいな。
少なくとも私はそういう人間になりたい。
おしまい。

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