死の5分間をやり過ごす

生きていくってどうにもしんどいですよね。やりたいこと、やれること、やらなければいけないことはなかなか一致しなかったり、そもそもそんなものがあるのかすらよくわからなくなってくる。お年寄りを見かけると、「この人は成功や失敗はどうあれこの年まで人生を生きてこられたんだなぁ…」と畏敬の念を抱くことがあります。

もし死神がいるとしたら、とても優しく魅力的な存在なのではないでしょうか。人生が辛くなってくると、「もう疲れたよね。もうゴールしちゃっていいんだよ。君は十分苦しんだよ。」と死神が語りかけてくるような気がします。その誘惑に抗うのはなかなかエネルギーを消耗します。

でも、じっと時間の経過を待っていれば、そのうち死神はどこかに行ってしまいます。夏のゲリラ豪雨が一気に過ぎて、雨に濡れたアスファルトに虹がキラキラとかかるように。

「死にたい気持ちは5分間待てばしのげます。だから5分間どうにか生きのびてください。」と、ある時精神科医に言われました。時計を眺めて秒数を数えるとか、水を飲んで深呼吸するなどの方法を教えてもらいました。(これは飲酒欲求に苦しむアルコール依存症の患者さんにもおすすめされている方法だそうです)
その「死の5分間」をやり過ごせば、再び「生」が見えてくる。僕はそんな感じで今日も生きてます。

たとえ無為に過ごしたとしても、いいことなんて一つもなかったとしても、あなたが生きのびた今日という一日はかけがえのない一日だと思います。それを積み重ねて天寿を全うした一生は、成功しても失敗してもかけがえのない一生なのだと信じます。
ですからどうかあなたと僕がこれからも「死の5分間」をやり過ごせますように。雨上がりの青空を何度でも眺めることができますように。

やっていきましょう。

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