韓国の思い出
日韓関係がいつもどうり大変なことになっているみたいですね。
レーダー照射がどうこうについては、頭のいい人や偉い人にお任せするとして、僕が韓国を訪問した時のことについて書こうと思います。
僕が韓国を訪問したのは小学生の時でした。県の主催する小学生の交流行事に参加して、韓国を一週間ほど旅行しつつ現地の小学生と交流するというものでした。
ちょうど当時は竹島問題が非常に騒がれていて、政治情勢しだいでは渡航中止になるという状況の中で韓国語や韓国の歌を練習していたのを覚えています。
とはいうものの、現地では特に竹島やら独島やらという話題は出ずに、皆そこそこ楽しく交流していました。
一日ほどホームステイしたのですが、ステイ先の子供と一緒にゲームセンターに連れて行ってもらいました。日本の80年代のゲーセンをそのまま残したような、味のあるキラキラしていないゲーセンでした。
そこで韓国の子供と一緒にメタルスラッグをひたすらやりました。ホームステイ先のお母さんにお土産として花瓶を持っていったらとても気に入られたようで、両手一杯のウォン硬貨を渡してくれました。
その後はステイ先にあったボンバーマンとスーパーマリオを交代でやり続けました。僕らは言葉は通じませんでしたが、ゲームという共通言語がありました。出国前にニュースを見ていると、恐ろしい国かもしれない…と少しビビっていたのですが、そこには僕の日常生活とさほど変わらない光景がありました。
ソウルではロッテワールドに現地の小学生とグループを作って行きました。出国前に学習した韓国語なんて僕の頭には全く残っていませんでしたが、身振り手振りと小学生特有の謎テンションで楽しく遊びました。
最後に皆でベンチに腰掛けてチョコパイを食べました。全員無言でしたが、あの時の僕たちは確かに同じ時間を共有していたと思います。
やがて思春期を超えてネット漬になるに従って、僕はいわゆるネトウヨっぽくなった時期もありました。周囲の人が韓国の悪口を言うことも近年増えてきています。でも、そういう時にはなぜか韓国のゲーセンを思い出します。
積み上げたウォン硬貨を崩しつつ、隣の韓国人の少年とゲームの世界で戦友になったあの日のことを。
年をとるに従って、政治思想とかネット右翼とか左翼とか何が何だかよくわからなくなりました。一緒にゲームをした韓国の少年は今どうしているのかなと思います。徴兵されて散々な思いをしたんでしょうか。受験戦争は大変だったでしょうか。就職に苦労しているんでしょうか。名前も顔も覚えていませんが、どうか元気でやっていてほしいと思います。
僕は正直、政治のことはよくわかりません。右にも左にもかぶれたことはありますが、結局よくわからなくなりました。たぶん韓国にもそういう人は結構いるんじゃないかな。ニュースやネットの騒ぎとは関係なく日々を紡いでいる人も多い。そういうことに気づかせてくれた経験だったと思います。
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