幻想の失われた世界

今年は、悲しい出来事がたくさんあった。テレビのニュースを見ているだけで気が滅入る。ツイッターも荒れている…というよりは集団ヒステリーに近い。

令和になってから、時代が変わったなと思うことが多い。平成という停滞に微睡むことのできる時代は終わってしまったのだ。
あるいは僕が歳をとっただけかもしれないけど。

「世の中はこうである」という幻想が失われつつあるように思う。
アニメは現世に残った桃源郷ではなくなり、ツイッターでアメリカ大統領が吠え、隣の国とはガチンコの喧嘩ムードだ。
これが21世紀だと子供の頃の僕に話したらどんな顔をするだろう。

メンタルクリニックに行くと、いつも混雑している。僕の主治医がやり手なだけかもしれないけど、病んでいる人は確実に増えていると思う。みんな必死に隠してはいるけど。

これからどうすればいいかなんて、僕にもわからない。決まったコースを歩んでいれば安泰という時代は終わりつつある。そもそもそのコースに乗れなくてしんどい人が多い。

でも、いつの時代でも正しいことはある。それは、「生き延びる」ということだ。

確かに、統計などによるとこの国の将来は暗いのだろう。有識者は、いつも警告を発している。

だが、それはそれとして生きていくしかないじゃないか。ほとんどの人は、この国と運命を共にするしかないのだから。

それは思考停止かもしれない。それでも、生きてる限り明日は来るし腹も減る。ならば、飯を食って寝ることだけを考えていてもよかろう。ついでに服薬と通院とお風呂にも入ろう。それができれば100点満点だ。

時代によって、正義は変わる。
今日の正義は、明日の悪だ。

でも、どの時代、どの国でも、人間が飯を食うということは変わらない。あなたが生きた今日という1日は、かけがえのないあなたの人生の1ページだ。あなたが世界一金持ちでも、その逆でもそれは同じだ。

何もできなかった1日でいいと思う。何も成し遂げられなかった一生で構わないと思う。
僕もあなたも一生懸命に生き延びてきた。それだけで人生は満点だ。

やっていきましょう。生き延びていきましょう。


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