【ソーシャル飯を味わう】前口上 ~そんなの両さんが四半世紀前にやってた
こちら葛飾区亀有公園前派出所の47巻に、閑古鳥が鳴く蕎麦屋を両さんが立ち直らせる「両さんの繁盛記!の巻」というエピソードがある。手元にコミックがあるわけではないので、記憶を頼りに書いているが、その蕎麦屋は見た目もさえないなら、店主が客が来たことに驚いて、蕎麦を買いに行くところから始めるというひどい有様。どんだけまずいものが出るかと思って、恐る恐る食ってみたら、味は悪くない。要は店に特徴がないのがダメなんだということで、両さんは空間プロデューサーさながらに蕎麦屋を一流店に仕立て上げるというエピソードだ。
ここで両さんがとった方法は、店主に奇抜な格好をさせたり、仕込んだテレビクルーに取材をさせるときにさくらを並ばせたりといった、味とは関係ないことばかり。でも、それが上手くヒットして、高名な料理評論家すら、美味いといわせてしまう。まあ、基本的にはハッピーエンドな話だ。
これが描かれたのは1985年。世の中はグルメブームが始まったばかり。おそらく、秋本治はグルメ気取りで味がわからないスノッブを揶揄しようとしたんだろうけど、その後、時はすぎ、両さんのやったことは、今から見るといっぱしの経営コンサルティングである。
そして、今や外食店でこういう話題づくりだけでやっていっている店は少なくない。
ごく最近で言えば、東京チカラ飯のやり方がまさにこれだっただろう。ネットではしばし、この店のことをステマ飯と呼んでいるのを見かけたが、実際、実力がない急成長はあっという間に焼き牛丼バブルをはじけさせて、ネットでももはや笑い物でしかない。
でも、よくよく考えれば、ネットで話題になる店ってそういう店がすごく多い。実際、話題になってるけど、行ってみたら、へっ、何これって店多くありませんかね? そういう店をちょっとここで、話題にしてみようかと思う。
ただ、実店舗名を出すと割と不味い気がするので、試しに店名などの部分だけ、有料にしてみるってのをやってみようかと。無料部分だけ読んでみて、ああ、この店だなって分かるなら、それでよし、分からなくてモヤモヤして気になるなら、有料部分のお金を払ってって仕組みでいかがでしょうか。と言っても、金額は微々たるもん。投げ銭レベルの金額に設定します。
とはいえ、恐る恐る書くので、いつからスタートには多少時間がかかるかも(苦笑)
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