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作業報告書から重大なミスを発見 自然言語処理で解決


製造業の現場では、事故は人命の危機に直結します。実際に死亡事故は183人と前年度比で14.4%増加しています。死亡までに至らない休業4日以上の事故でも約2万7千人が負傷しています。(厚生労働省H30 労働災害発生状況)こうした事故を減らすためにAIの活用を考えてみましょう。

 この記事では、製造業に務める社員の作業報告書を想定したデータを作成し、危険な単語を含んでいるかどうかを分析するAIを作成します。


データを作成

 まず、作業報告書から「テキストデータ(拡張子が.txtのデータ)」に変換します。そして危険な単語を含む作業報告書は「dangerディレクトリー」に格納、危険ではない単語のみの文章は「normalディレクトリー」に格納します。

作業報告書2

単語の集まりを2種類作る


 MatrixFlowでは決まったディレクトリ構造があります。詳しくはマニュアルを参照してください。今回は画像のような構造のディレクトリをZIPフォーマットで圧縮します。

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ディレクトリ構造


 PDFフォーマットなどの作業報告書からテキストデータに変換し、上記で説明したとおりに危険かそうではないかでディレクトリーに割り振ります。

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危険な単語を含む文章のサンプル


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危険ではない単語のみの文章

 

データができたらtrainディレクトリーをZIPフォーマットで圧縮し「データ管理」からアップロードします。

「レシピ」を作って学習する

 学習するためにはAIの設計図である「レシピ」を作らなくてはいけません。レシピはテンプレートから「分類-自然言語(tfidf)」をそのまま使いました。

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レシピを作成


学習結果を見る

 学習が終わると2つのアルゴリズムの精度、単語頻度とその頻度によって文字サイズが変わる画像「ワードクラウド」が表示されます。「機械」、「いる」、「作業」などの単語の出現頻度が高いことを確認できます。

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単語頻度を表示


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「ワードクラウド」を表示


 学習データには90個のテキストデータを使い、テストデータは12個使いました。最も良く学習できているアルゴリズムの精度は0.95でした。この数字は9割以上のテストデータを分類できることを表しています。決められたフォーマットで学習させるだけで高い精度で分類できるAIを作れました。

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アルゴリズムの精度を確認


従業員の作業報告書から危険を発見する

 次に学習済みAIを使ってある作業報告書が重大なミスを引き起こす可能性があるかどうかを予測します。
 
 ディレクトリー構造は以下のようにして、「textsディレクトリー」に推論したいテキストデータを格納しZIPフォーマットで圧縮します。

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推論時のディレクトリー構造


 推論に成功すると予測結果が表示されます。学習した単語情報から推測し、危険かそうではないかを表示します。正しく予測されている事がわかります。

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推論結果を表示


 結果はCSVフォーマットでダウンロードもできます。

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推論結果をCSVフォーマットで表示


 また、学習済みAIを外部のアプリから「API化」して使うこともできます。データを用意してMatrixFlowでAIを作成してアプリを外注ということも可能になります。精度を高めるために再度学習し直したときも学習済みAIにアクセスするURLは変わらないので安心して利用できるかと思います。

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外部のアプリから「API化」して使用可能


 この記事では、作業報告書を想定したデータをもとに重大なミスを発見するAIを作成しました。MatrixFlowを使えば難しい自然言語処理も簡単に使いこなせます。ぜひ、AIを使って危険な作業を発見したり、作業を効率化してみてはいかがでしょうか。




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株式会社MatrixFlowは、「テクノロジーで世界をつくる」をミッションとするAIベンチャーです。大人から子供、ビジネスマンから学生、デザイナーからサイエンティストに至るまで、様々な人々がAIを活用し、素晴らしい着想を得たり、あっと言わせるクールな活動をすることを支援したいと考えています。その実現に向けた第一歩として、プログラミング不要のクラウド型AI構築プラットフォーム「MatrixFlow」を開発しております。また、様々な会社でのAI活用を推進するためにAIの受託開発・コンサルティング事業も行っております。
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設立 :2018年10月
本社 :東京都台東区
URL:https://www.matrixflow.net/
事業内容:プログラミング不要のAI構築プラットフォーム「MatrixFlow」の運営、および、AIの受託開発・コンサルティング
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