CGMを作る場合、顧客は見る人ではない

今所属しているオンラインサロンで、継続をテーマにサービス設計をする話が挙がったので、関係する内容を記事にしてみます。

CGMとは

CGM(Consumer Genarated Media)というシステムは、いろいろな人に情報を登録してもらうネットのサービスのことです。

例えばWikipediaとか、Twitter、Facebook、Voicyやこのnoteなどもそうですね。このようなシステムをサービス設計して作りたい、というアイデアを持つ方も多いかと思います。

たとえば仕事では、社員個人の持っているノウハウが暗黙知で蓄積されているので、それをシステムに乗せてみんなで共有できれば業務改善につながるのでは?とか。レビューサイトなどで使ってみた感想を共有すれば、商品の購入で失敗しないのでは?とか。

CGMサービスのユーザー

CGMにおいては、システムを中心に「コンテンツを生み出す人」と「コンテンツを消費する人」の2種類の人が存在します。

この中で多くの人が「コンテンツを消費する人」の立場になっています。たとえば私の運営するサービスでは、99%以上の方が投稿されたコンテンツを見るだけの人です。

このあたりの数字の感覚については、例えば、Wikipediaの情報を更新していたり、noteを書いていたりするよりも、ネットの記事を読んだり動画を見たりしている人の数のほうが圧倒的に多いことからもわかると思います。

この記事を読んでいる皆さんも、おそらくスマホでネットの記事や他の人の投稿を読んでいる人が多いのではないでしょうか?

使う人数では圧倒的に見る人が多いのですが、サービスを運営する立場で見たときにはコンテンツが無いと始まらないので、実は「コンテンツを生み出す人」がとても大事だったりします。

CGMサービスの運営者としては、コンテンツを生み出す人に対して、「どのように快適に、より良いコンテンツを作ってもらえるか?」これを常に考え続けることが求められます。

快適にコンテンツを作ってもらうには?

ブログの記事を書いたり、コンテンツを生み出す行為をやってみようとした方はよく分かると思うのですが、基本的にコンテンツを生み出すという行為はとても大変なことです。一度書いてみてもなかなか続きません。

そこで各CGMのサービスは「快適にコンテンツを生み出す」という観点でいろいろな仕組みをサービスの中に埋め込んでいます。この視点で各サービスを見返してみると、いろいろな発見があると思います。

例えばFacebookのいいね、Twitterのフォローについては、「あなたのことを見ている人がたくさんいます」ということを暗に示していて、じゃあ少し書いてみるか、という気持ちを喚起させるというメリットがあります。

ほかにも、投稿した人にバッジをつけたり、投稿した記事がどの程度読まれたのかを解析して見せてあげる統計の機能を入れたり(これは逆効果の場合もありますが)、白紙に書かせるのではなく、聞かれたことに答えるだけでコンテンツが作れるフォームだったり。

うちのサービスの場合では、写真を投稿すると投稿日時や場所が地図上に出たり、GPSログを投稿すると地図上のルートや標高グラフ、各山頂や分岐の通過時刻などを自動で計算してくれたり。

人間がものを生み出す、そしてそれを継続するという行為は2重にハードルが高い行為なので、いかにコンテンツを生み出す心理的なハードルを下げて、かつ楽しんで継続できるようにするかという仕組みを常に作り込んでいく必要があります。

CGMのサービスを作る場合は、このような観点を持って、他のサービスが投稿者に対してどのようにコンテンツを快適につくれるようなしくみを用意しているのか、チェックしてみると面白いのではないでしょうか。

では、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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