どんなサービスやアプリを作ればいいか?アイデア出しについて

アイデアソンのようなサービスやアプリのアイデアをブレーンストーミングしましょう、という場であったり、利用者の皆さんからの要望で出てくる「これがあったらいいんじゃない?」「こうしたらどうかな?」という意見は、ほとんどのものが作ったとしてもうまくいきません。

色々な観点があると思いますが、私は以下のあたりをチェックポイントにして考えています。参考になればいいなと記事にしてみました。

言っている本人が当事者か

まずいちばん大事なのは、意見を言っている人が第三者として言っているのか、自分がその当事者(=サービスの対象とする利用者)なのかということです。

よく見かけるのが「こんなアプリとかサービスがあったら使う人がいると思う」という思考パターンです。これが一番ダメなパターンです。

その言い方をするとしても、なぜそれが必要な人がいると思うのか、きちんと仮説を立ててその人が直面している問題のうちの何をどう解決しているか、まで説明できないと説得力が出てきません。

また、利用者の候補になる人が自分と関わり合いが薄い場合もかなりリスクが高いと言えます。例えば外出が嫌いで週末に家にいる人が、アウトドアに関するサービスがあればいい、と言われても納得感はないし成功しそうにないですよね。

他の例でいうと、地方創生のプロジェクトで人を地方に集めたいという地方在住の人が、地方に興味がある都会の人が来るときの問題点に気づける確率もかなり低いと言えます。

また、自分が第三者であってもヒアリングや調査でカバーできるのでは?と思うかもしれません。残念ですが後述の通り「人に聞く」という行為でいいアイデアが出てくることは基本的にないと考えるべきだと思います。

「あったらいいな」で止まっていないか

自分が当事者だとしても、それが「あったらいいな」つまり「なくても別に大丈夫だけどあったほうがいい」ぐらいのものの場合は、使われにくいです。無料だったらまあ使ってもいいけど、お金を払うほどでもない、とも言えます。

第三者から見た場合も「あったらいいな」で止まってしまっている意見が多くあると思います。常に考え続けて「あったらいいな」のレベルを脱却しないとみんなに使ってもらえるサービスを生み出すことは難しいです。

対価をもらえるレベルのものを生み出しているのか?という観点は常に持っておいたほうがいいと思います。

問題を解決しているか

では「あったらいいな」を超えるには、何が重要かというと利用者の「問題」「課題」を解決しているかという視点があるかどうかです。

利用者の普段の生活や仕事、「朝起きてご飯を食べて会社に行って、電車に乗って帰ってきて週末は遊びに行って」など、どのような生活をしている人が前提で、その人がどんなタイミングでどんな問題に直面していて、このサービスやアプリがそれをどう解決しているのか?この視点が重要です。

そして問題は大きければ大きいほどいいですし、対象となる人も多ければ多いほどいい。ただ一般的過ぎる問題は、すでに企業が解決していたり代替のサービスがあって費用対効果であまり意味がなかったりする場合もあります。個人だと敢えてニッチな領域を攻めてもいいかもしれません。どのような問題や領域だとしても、問題を解決しているかという観点はとても重要なので、常に意識するようにしたいです。

そして最初の部分とも通じますが、その問題に直面しているのが「自分」である場合が一番サービスやアプリを作りやすいです。起業家の起業エピソードを聞くと「過去に〇〇という原体験があってそれに基づいてサービスを作った」という話が出てくることがあります。サービスを作る自分自身が一番のユーザーであるか?という点も一つの指針になると思います。

人は無意識に嘘をつく

第三者にヒアリングをすれば、別に当事者じゃなくても問題がわかるだろう、と思うかもしれません。

ただアンケートなどに回答したことがある人はよく分かると思いますが、自分が聞かれて答えたことを本当に自分が行うのかどうかは別だったりします。「こんなサービスがあったら使いますか?」という質問に「はい」と答えたとしても、そのサービスを目の前にしたら気が変わるかもしれませんし、あったらいいけど別になくてもいいぐらいの感覚かもしれません。

基本的に人は無意識に嘘をつく、そしてその嘘に自覚はないと考えるべきだと思います。特に将来の行動については自分でもわからないので、結果的に嘘になる場合も多いと思います。

では何を信じればいいのでしょうか?

行動に着目しよう

将来の行動を聞くことは筋が悪いのですが、過去の行動を見る、または今まで行動をしたことを聞く、という程度であれば信じることができます。

特に直接口をだすことなく、対象とする人の行為を第三者として遠くから見ることができると、当事者以上に問題が分かる場合もあります。例えば業務システムを作る場合に、利用者から意見を聞いて作ったものは本当に欲しいものではなかったりします。

その業務を担当して初めてその問題が分かる、もしくは業務をしている人の横にしばらくつくことによって、本当は何に困っているのかが分かってきたりします。

最後に

ということで、新しいサービスやアプリを作るときに、アイデア出しの方法として一番のおすすめは「自分がちょっとこれに困っているから解決策が欲しい」というものを挙げていくことです。

小さなものからでも構いませんし、大枠のジャンルが同じものであれば色々な問題が見えてきます。私の場合はそれが登山だったわけなのですが、自分の趣味に関係するものだと長期的に付き合えるかもしれません。

色々と書きましたが、最後に補足しておくと「どうせ大したアイデアはいきなり出てこない」という前提に立ってその問題を考え続けられるか?ということが重要だったりします。アイデアを出したとしても、そんな簡単に一発で解決できる問題であれば、誰かがすでに作っています。またサービスやアプリ作っていくと裏に隠れていた本当の問題が見えてくる場合もあります。アイデア出しで満足せず、執念深く本当に問題を解決するまでやり続けるという覚悟があれば、必ず成功への道は開けると思います。

アイデア出しの参考になればと思います。ではまたー。

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