キャンセル

勉強会の予定をすべてキャンセルした日のこと

この記事は、「オトンとオカンの自分時間捻出術 Advent Calendar 2019」第11日目向けに書かれたものである。昨日までに投稿された記事を拝見したが、皆さん家族への愛と、努力に溢れた内容で、いささか申し訳ない気持ちになる。タイトルの通り、この記事は失敗談である。

その日、私は、勉強会に参加する予定をすべてキャンセルした。本記事では、その経緯、反省、決意、そしてほんの少しの子育てハックについて書き連ねていきたいと思う。

家族構成

私(SIerのエンジニア 土日祝休 残業ほぼなし)
妻(会社員 育休中)
長女(3歳 保育園)
次女(9ヶ月)

私は、某SIer勤務に勤務している。SIerにも関わらず幸運にも残業はほとんどなく有給もフル消化可能。リモートワークも週1程度取得可能という環境だ。非常に恵まれている。とはいえ、ずっとこのような環境にあったわけではない。「エクセルに画面ハードコピーを貼り、A1セルにカーソルをあわせて保存を繰り返す一日」も「答えの出ない深夜の会議」も経験済みである。そこからの脱出の経緯については、下記の記事にまとめているので、気になる方は読んでもらいたい。

勉強会に参加し始める

部署異動によって仕事に追われない生活を手にしたわけであるが、その分、現在の部署では高度な技術スキルが要求される。所謂、サラリーマンエンジニア(スキルアップは業務中だけ)では淘汰されてしまう。したがって、プライベートな時間を使ってスキルアップを継続していくことが必要となる。加えて、社外の勉強会やカンファレンスに参加し、最新の技術をキャッチアップし、組織やプロダクトに還元していくことが大切であると考える。

これまでも定期的にカンファレンス・勉強会には参加していたが、今年の夏頃からその数を増やし、月に2-3日、平日の業務後や休日に社外活動を始めた。

勉強会の予定をすべてキャンセルした日のこと

ある朝、いつものように、仕事終わりで勉強会に参加して帰る旨を妻に伝えたところ、「どうして、今、この時期に、勉強会に行かなければならないの」と強めの口調で問われた。上段で述べたような理由を伝える中で、妻と言い争いになってしまった。ただ、自分が理由を述べている最中にも何か、得体のしれない後ろめたさを感じていた。

次女は9ヶ月になる。夜泣きが段々とひどくなってきたことに気がついていた。日中起きている時間も多く、ハイハイまでは行かないが、動き始めている。加えて、動けないことに機嫌を悪くし泣いてしまう。そうなると、抱っこするしか無い。最も大変な時期だ。

長女は3歳になる。2歳の頃に比べてだいぶお姉さんになった。自分のことも少しづつできるようになっている。妻のお手伝いも。とはいってもまだ3歳。妹にかかりっきりになっている妻に嫉妬し、わざと話を遮ったり、大きな音を立てたりする。

子育てが大変な時期であることを頭ではわかってはいたし、それなりに協力している気になっていた。しかし、実際のところは、何も見えていなかった。いや、自分しか見ていなかったのだ。ちょっと勉強会に参加して、LTをして、いい気になっていた。自分の中の誇れる何かなんか、ちっぽけで無いようなものだ。自分に酔い、家族の信頼を低下させていたことにようやく気がついたのだ。

そして、私は、勉強会の予定をすべてキャンセルした。

いちばん大切なこと

いちばん大切なことは、家族との信頼関係である。それが全てである。

気がついてから、きめたこと

1.平日の勉強会参加をやめる
2.休日の過度なカンファレンス参加をやめる
3.平日に酒を飲むこと(飲み会も)をやめる
4.家族が起きている時間は、家族のために時間を使う。無理に自分のために何かをしようとしない
5.勉強は家族が寝ている時間帯に行う
6.限りある時間の集中力を高める

とにかく、妻と子供達だけの状態にしないことを心がける。何か問題が発生した際に、常に親二人で対処できるように。家事や子供の世話は、お互いにリカバーし合う体制をとれるように。また、子供が起きている時間は、自分時間のことは考えず、子供と向き合うことに決めた。細切れの時間で何かをしようとしても、結局中断を余儀なくされてしまい効率が悪い。その分、家事を協力して、寝かしつけ時間を早める。

子供が寝てからがお互いの自分時間となる。私は、自分時間を有意義に使用するため、週5日以上飲んでいた酒をやめている。大酒飲みから断酒した作家の町田康が下記の記事で「酒を飲むと快楽ゆえ、向き合わなければいけないものと向き合わなくなってしまう」と言ってる。今の自分には非常に突き刺さるものがある。少なくとも今自分には向き合うべきものがある。


一日の自分時間は長くても2時間程度。この時間を無駄なネットサーフィンに費やさぬよう、strict workflowいうポモドーロタイマーを使って、作業中はSNSなどにアクセス制御をかけ、作業に集中できるようにしている。

家事をしながら技術系Podcastを聞く

最後に申し訳程度に、一つだけ、読者に役に立つかもしれない情報を共有したい。寝かしつけや夜泣きの際に、抱っこひもで抱っこしながら技術系Podcastを聞くというプラクティスである。次女は、眠ってから20分くらい抱っこし続けないと、おろしたとたんに泣き始める。8キロ以上ある子供を抱っこして30分以上歩きまわるので、いい運動にもなる。技術系Podcastは、カラダを専有されないため家事との相性が良い。最近お気に入りのPodcastであるfukabori.fmの岩瀬氏がとあるカンファレンスで、「Podcastと洗濯の親和性は特に高い」とおっしゃっていたので、色々と応用がききそうである。是非。試してみてほしい。

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