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迷いと、のどのつまり

何気なく手に取った本、西加奈子さんの「さくら」。

ぼくは姉弟、兄妹の関係がいまいちつかめてない。
そして、3年前に亡くなった後輩への思いが宙ぶらりんだ。


なにか手がかりがあるかなと思い「さくら」を手にした。


コーギー


ぼくは犬が苦手だ。むしろ怖い。

ぼくが3歳の頃、細い道で気持ちよさそうに寝ている犬がいた。
生まれて初めて犬と対峙した出来事。
たぶん、コーギーだったと思う。

ふと横を見るとまあまあの速さで車がこっちへ向かってきていた。

自然と湧き上がってきた幼い正義感で、犬を道路の真ん中から少しでも移動させようと触れた時だった。

犬は鬼のような形相で、ぼくの腕を噛んできた。


ぼくは驚いたのと痛さとで、泣きながら走り出した。
同時に犬も走り出していたのを横目で見た。

あの車さえ走ってこなければ…!
日産シルビアに似た車だった気がする。


先日、生まれて初めてドックカフェに行った。

開店したと同時くらいに行ったけど、すでに先客が2組いた。
簡単な説明を受けて中に入ると、大人しそうな柴犬が10匹ほどいた。

恐怖の対象が10匹もいる…

AppleWatchの心拍数が120になっていた。

犬は緊張しているぼくの汗を、匂いを感じ取っていたのだろう。
ほとんど来てくれなかった。
それはそれは寂しいものだった。
少しだけ恐怖は取れていた。



お墓参り


「車でしか行かれへんのよ」

ぼくはお葬式に行けなかったあいつのお墓参りにはじめて行った。


お墓は山のふもとにあるところで、見晴らしがよかった。

「あんた、ほんま良いところにお墓立ててもらったなぁ」


お墓参りをした日は良い天気だった。

ようやくのどにつかえてたものが取れた気がした。

ああ神様はまた、僕らに悪送球をしかけてきた。

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