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満たされる



梅雨入り前のある日、以前から気になっていた園芸店へ行くことができた。
大好きな多肉と、室内に置けそうな観葉植物をちらほら見て歩いていると、小さなガラス水槽が観葉植物の葉に隠すように置いてある。

興味を持ってのぞいてみると、葉脈が金糸のように輝いている小さいランの苗がぎゅうぎゅうと並べられていた。

値札を見てみると「ジュエルオーキッド」と書いてある。

その名前の通り、まさに宝石のようにキラキラと輝く葉脈に魅せられて、1000円以上もするこの高価な小さいランの苗を買ってしまった。

その時買った小さなランは、北側の窓際に置いてある。
苦手な強い陽光を避けるために決めた定位置はランにとって悪くない環境だったようで、1ヶ月経った今も葉先はピンと上を向いている。

夕刻、太陽が沈んで幾分か涼しく感じられるようになった頃に、霧吹きで水を吹きかけてやる。
すると、暗くなった窓際で水滴を乗せたランの葉がキラキラと輝く。

私は、この日課が好きだ。
瑞々しく光るランを見ていると、嬉しくなって心が満たされていく。
4センチほどの小さな植物から、明日頑張るための力をもらう。


さて、明日もがんばろう。


ジュエルオーキッド。和名「宝石蘭」。マコデス・ぺトラだと思われます。



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