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【再掲】 (素朴)集合論の本を書いた

この記事は,2016年に私が自分のブログに書いた投稿を加筆訂正して再掲したものです.

(素朴)集合論の教科書(参考書)を書いた.

自分用の教科書として書いたが,参考書の1冊に加えてもらえればと考えている.

(素朴)集合論の教科書は多く出版されているが,定理の証明・演習問題の解答の一部もしくは全部を省略している本が結構ある.そうされると,私のような人間にはわからない.

定理の証明・演習問題の解答を省かずに書いている集合論の教科書は少数ではないか.

集合論を学びたいから教科書を買うわけで,わからないまま放っておかれるためにその本を買うわけではない.定理のすべてに証明を,演習問題のすべてに解答を付けることは,専門家にとっては造作ないはずである.

証明が省かれている定理・解答を省いた演習問題がある本は,担当教員のいる数学科の学生向けのものだというなら,学内だけで販売すればそれで良く,一般の目に触れるところに並べる必要は無いだろう. どうしても一般向けにというなら「◯◯大学数学科の学生向け」と副題をつけて,それと分かるようにしてもらいたい.

「おまえはそんな簡単な定理の証明もできないのか」と問われれば,「そうだ」と答えるほかない.

結局,ひとつの定理の証明を求めて,何冊も集合論の本を買う羽目になる.

また,位相のための集合論ということだろうか,集合論の項目を端折っている教科書がある.

位相がメインなら,書名は「位相」とか「位相入門」あたりにしておけばいい.そうすれば,集合論については,書いてあっても,位相に必要なことだけだろうと想像がつく.

上記のような(偏った)状況分析を発端として,自分用の集合論の教科書を独習しながら書いた.

その冊子は,当然ながら,私にはわかるようになっている(行間が空いている箇所や,抜けいている項目があるだろうが,私が自分で読む際には脳内補完されるので問題ない).

また,定義・定理・証明が淡々と続く全書式的な書き方にしている.講義式の教科書によくある,定義・定理・証明を区別せずにべた書きする手法が気に入らないことの裏返しである.定義・定理・証明の境界を探す一瞬の思考が煩わしい.

中身について,間違い無しとはしない.数学の専門教育を受けていない個人が独習しながら書き, その確認も自分で行っている.それ故,初歩的な誤りや論理的な錯誤があると思う(購入してくれたかたには申し訳ないが,ここは開き直るほかない).もちろん,見つけ次第,訂正する.

素人がこういう本を書いて公にするという行為は,やる気は十分だがどうしようもない運動音痴が草野球の試合で張り切ったあげくにチームの足を引っ張りまくるようなもの,かもしれない.

上で述べたような集合論の教科書の現状を放っておけないと,一人で盛り上がって,一人で書いて,一人でわりと納得している.


以上が,2016年8月に集合論を(Amazon Kindle で)出版した際に書いたブログ記事です.文体が固いのは御愛嬌.

それから5年以上経過しましたが,考えは変わってません.

マシな本が出るのかと思いきや,ユルイ本しか出てないようにも思いますし.

今のバージョンは $${10.2}$$ ですが,これが $${11}$$ になった際には製本版を復活させます.クビを洗って待ってろ!(誰に毒づいてるんだオレはw

それではまた.

 


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